11/44
1.10 新たな始まりの予感
ギルドを出て、再び森へ向かおうとした。手の甲に浮かんだ紋様が、俺がこの世界の住人になったことを示しているようだ。その紋様は、まるで俺の体の一部になったかのように、じんわりと温かい。
銀貨三枚。それがどれくらいの価値があるのか、まだよくわからないが、少なくとも、これで今日の食事と宿代くらいは稼げるだろう。この世界で、自分の力で生きていく。その第一歩だ。
俺は、空に浮かぶ二つの月を見上げた。遠い故郷の空とは違う、この世界の空。しかし、その光は、どこか優しく、俺を包み込んでくれるかのようだ。
スキルシェア。他人のスキルを借りるという、奇妙な能力。
この能力が、これから俺に何をもたらすのか。
この異世界で、俺は一体どうなるのか。
不安は尽きないが、それ以上に、新しい世界への期待と、自分の力で生きていくことへの小さな希望が胸の中に芽生えていた。俺は、もうただの高校生ではない。この異世界で、冒険者として、新たな人生を歩み始めるのだ。
俺の異世界での生活が、今、本格的に始まったのだ。




