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地下牢⑳脱出に向けて

今回で地下牢は終了です

「これくらいボロボロになっているから倒壊するような危険があるってことなんですよね?」


「それもありますが、破壊された原因である空を飛ぶワイバーンがまた来るかもしれません」


とてもファンタジーな生き物だ。叫び声とかで一方的に蹂躙されていた雰囲気でなんとなく察していたけど存在するようだ。


「上空から一方的に攻撃されるのでなすすべがありません。狙いもあなた様なので一度見つかってしまうと執拗に追いかけられるでしょう」


「見つからないように行動しないといけないのですね……」


「夜間に移動すれば発見されることはないです。時間を見計らって、別の拠点に移動しましょう」


別の拠点があるのか。それなりの規模の宗教団体なのかもしれない。

しかし、狙いが俺だとすると迷惑しかない気がするけど。

異世界人のスキルの価値がどれくらい高いのか理解しきれていないけど要塞の人たちをたくさん減らしてまで必要なものなのだから、かなり貴重なのだろう。


「狙いが俺だとしたら移動先でもまた襲撃されたり迷惑では?」


「襲撃の恐れがありますが、我らが神は異世界人を手厚くもてなし、異世界の知識をもって繁栄につなげよとおっしゃられております。異世界人とわかった今では我らはあなた様を守る義務があります」


「ありがとう。そこらへんにいる高校生だけど知識はそれなりにあると思うから恩返しはするよ(AIさん頼りだけど)」


「高校生?知らない言葉ですが何かを学ぶという集団の意図が感じられます」


『年齢に基づいた学生のグループが存在しないということになります。高校生の概念がなくても、学校教育や学生の年齢に関する仕組みは存在する可能性があります。ただし、学校教育が提供されない地域や文化では、全く異なる教育システムが存在するかもしれません。』


補足するかのように信者さんの言葉に合わせて脳裏にAIさんの声が響く。

高等教育などの制度があるのは文化的な発展が進んでいる世界の証拠なのかもしれない。

そういった考えではこの世界の教育水準はばらつきが生じている可能性が高そうだ。


「集団で学ぶ文化があったんですよ。そんなことよりもここを抜け出すためにはどうしましょうか」


「あと少しで夜になります。夜になるとモンスターが活発化しますが要塞の周辺には夜間の強力なモンスターが少ないことと、我々の種族は夜目が効くので危険を避けながら進むことができます」


地下牢で食事を運んできた人が顔の前面を布で隠していたのは遮光する目的があったのかもしれない。それだと今の信者さんには眩しすぎるけど大丈夫なのだろうか。明るい=見えないわけではないと考えておく。


信者さんが床に積もった土に指で地図のようなモノを書き始める。


「ここがこの要塞で、森林を歩き続けると次の拠点が見えます。途中で山を挟みますが中腹を進みながら向かうので目立ちにくいです。夜が明けるころには中間にあるトンネルを進むので明るいうちに外を歩くことはないです。トンネルの先に湖があり、その先に拠点があります」


「けっこう歩きそうですね」


「何時間か歩きますが休憩を挟みながら行きましょう」


夕暮れが近づいてきたのか、外の明かりが徐々に暗闇に代わる中、信者さんと目的を確認する事ができた。


夜に向けて食料や道具を整理し始める。


地下牢お疲れさまでした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回から拠点移動パートに入ります


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