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地下牢⑲信者さんと意思疎通

「しじるむ なふるたぐん かでぃしゅとぅ にゃる?」


「えー、大丈夫です。入ってください」


入ろうとしているが立ち止まっているように見えたので、両手で指し示しながら返事をする。

信者さんは一度会釈をして、部屋中央に座る。

礼儀作法なのだろうか、片膝を地面につけて両手を額の前で組んでいる。


「がしゃんな ぶほう-いい なふるたぐん しゃめっしゅ くなぁ」


「は、はい」


『異世界言語スキルがオフのままです。』


パッシブじゃないんかい!

心の声でツッコミつつも、「異世界言語スキルオン」と念じておく。

「見慣れぬ土地の人。私だけ飲食をいただき申し訳ない」


「そんな、もともとあなた達のものですから」


スキル効果が発動しているのか、信者さんの声は今まで通りだが認識できる言葉になって聞こえてくる。自分の話している言葉も自動で翻訳されているのだと思う。

伏せていた目が驚きとともにこちらを見据えてくる。


「私たちの言葉が話せましたか。急に疎通ができたのでスキルの力でしょうか。よかったです」


「俺も話せてうれしいです。勝手に食事をとってすみません」


相手に釣られて片言なしゃべり方になってしまう。


「そんなことはありません。あれは幽閉の方々専用の食事であり、誰のものではありません。それに助けてもらった恩義があります」


「やっぱり俺は幽閉されていたんですね。誰とも離せなく不安でした」


話の流れ的に牢屋に入れられていた理由が聞けそうだ。


「なぜ、地下牢に入れられていたんですか?」


「それは大変申し訳なく思っており、一部の仲間にしか詳細が明かされていないことでした。私が知る限りだと異教徒の疑いがあり幽閉、あるいは異教徒から異世界人を守るため期限を設けずに守る目的であったと思われます。あなた様の場合、出で立ちが異世界人であったため守る目的が強かったと思われます」


守る目的とな?信者さんの整った顔立ちから向けられる視線を合わせている雰囲気を出すため、信者さんお後ろの壁を見つめながら考え込む。


「なぜ守る必要があったのですか?ずっと閉じ込められたままではないかと不安でした」


「異教徒は異世界人の肉を食べることでその体に秘められたスキルを取り出そうとします。当然、その方法やその他の方法であってもスキルを譲渡するのは世界の法に反しており不可能とされています」


食べられちゃうところだったのか。

それだと感謝しかないな。閉じ込められていた時間は苦痛だったけどこうして美女と話せて今がとても幸せですし。女の子かきまったわけではないけど。


「不安だったので安心しました。幽閉されていたのは不可解ですが守ってくれていたのですね」


「上層の方々の考えは不明です。代わって陳謝いたします」


「もう気にしていないから大丈夫ですよ。そんなことよりもこの世界で来て初めて話ができてうれしいです。色々と教えてください」


「もちろんです。命の恩人ですゆえ、私から教えられることなら何でもお伝えします。ただし、早めにこの城から抜け出さないといけません」


やっぱり抜け出さないと危険のようだ。


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