笑顔の意味
「開けて下さい! リリアです‼」
あっ! この声は、リリアです! 間違いありません‼
私はアルのことを離して、すぐに玄関のドアの前へ。
ドアの向こうには、リリアがいるんですもの! アルなんか、どうでもいいですよ!
私がドアを開くと、勢いよく彼女が私に飛びついてきたんです。
「シンデレラ様ーー‼」
「リリア‼」
私は、慌てて彼女を支えたのです。
……ふぅ。
ちょっと危なかったですけど、なんとか倒れずに済みました。 良かった。
私は、ギュッ〜と、リリアを抱きしめ合いました。心配していた彼女が、帰って来たんですもの。 嬉しくて。
でも、親友を心配するのは、当然のことですよね?
「無事で良かったわ! 心配したのよ?」
「ごめんなさい……」
リリアは、私に抱きついたまま、泣いてしまったんです。
あぁ……私ったら、泣かせてしまったようですね。
リリアは、 今まで我慢していたのか、彼女の涙は止まらないようです。 リリアも不安だったのでしょう。
私が心配したように……。
そんな時ーーアルが、私達の所に近づいてきます。
するとーーリリアは、ピタリと泣き止んだのです。
あれ? どうしたんだろう?
疑問に思いつつ、私は、首を少し傾げました。
私は心配になって、リリアに声をかけたんです。
「リリア?」
リリアは、涙を拭い去ると笑顔を作り、私に笑いかけたんです。
「シンデレラ様。……ちょっと待ってて下さいね?」
今の間は……なんでしょうか?
何故だか、不安がよぎったのですが……。
私は、リリアの様子を伺う事にしました。
リリアは、ゆっくりとアルの前まで歩いて行き、右手を大きく振り上げました。
そして、その後勢いよくアルの頬を叩いたのです。
パシーン‼
「痛ッ! 」
叩かれた勢いで、アルは三歩ほど下がりましたよ。
ほんと、一瞬でした。
彼女のその行動を私は、呆然として見ていることしか出来なかったんです。
落ちついて……よく考えて。
えっと……今、何が起こりましたか?
リリアが手を挙げた……ように見えたんですけど……私の勘違いですよね?
あははっ! まさか……ね?
リリアがそんなことするわけないですよね〜。
ーー気のせい、気のせい。
しかし、アルの右の頬に視線を向けると、手の平の跡がくっきりとついていて、赤くなっています。
アルは、痛いのか、頬を摩っているし。
……やっぱり、勘違いじゃない様です。
なんて言うか、2人の包む空気が淀んでます。
私が、思考している間にも、リリアが動き出しましたよ!
わぁっ⁈
大変です! また、リリアが手を振り上げてます。
もう一度、ひっぱたく気だわ!
やめさせなくちゃ!
「ち、ちょっと待って! リリア‼」
私は急いで、リリアの腕を掴みます。
「止めないで下さい‼ シンデレラ様!」
「ダメよ! リリア……いきなり叩くなんていけないわ。 あなたらしくないわよ」
「いいんです‼ だって、アルさんが悪いんですから‼ 」
リリアが、めちゃくちゃ怒っているんです。
怒ることが少ない彼女が、こんなにも怒っているなんて!
ここまで彼女が怒るなんて、初めて見ましたよ。こんなに怒ることも滅多に無いし……信じられないです。
え? ちょっ! アルは、一体……何をしたの?
「とりあえず落ち着いて! お願いよ……」
私は、瞳を潤ませてリリアに言います。
彼女の暴力を振るうのは、私は、見たくないし……させたくもないです。
リリアは、動揺しているようですね。私が泣くのを見るのが、好きではないんですーーこの子は。
「でも……」
「落ち着いて………ねっ?」
「わかりました」
腕の力を抜けるのが分かりました。
はぁーー良かったです。
私は安堵の表情を浮かべると、次に頬を押さえているアルの所に向かいます。
ーーそりゃ、いきなり叩かれたアルも心配ですからね。
私から見ても、おもいっきりビンタされてましたから、本当に痛いのでしょう。
「アル、大丈夫?」
「はい」
その様子をリリアは、不機嫌な様子で見ています。
彼女は、アルを睨みつつ、笑いながら言いました。
「良かったですね〜〜アルさん? シンデレラ様が止めて下さらなければ、もっと殴ってますから‼ 」
わぁーお。
ーーなんでしょう。リリアを怖く感じますよ……。
人が笑いながら怒るのって、迫力がありますね……。
私がいない間に一体、何が起こったのだろうーーーー。
読んで下さり、ありがとうございます^ - ^




