見られた⁉
あぁ……もう! 私ったら!
折角、彼にこうして会えたのに……。
クロウ様は、私の顔を見てらっしゃるけれど……私は、恥ずかしくて、目を合わせることが出来ないです。
情けないわ……。
「今日……あなたに会えるとは、思いもしませんでした」
「はい。……私も」
クロウ様は、優しく話しかけくれますが、私は小さく返事をするだけーー。
ダメ過ぎです! 私!
でもーーこうして私の目の前にいるのに、分かっているのですが……いまだに信じられません。
ーーだって、彼はもう会えない人だと思っていたから……。
こんなにも、早く再会するなんて思ってもいなかったんです。ーーしかも、カイルの友人として。
これは、偶然なんでしょうか?
もしくは、会うべくして会った出会いなのでしょうか?
「今日は、どうしてこちらに?」
私は、クロウ様に尋ねました。気になっていたので、聞いてみたかったんです。
彼が、ここに来た理由を……。
「うん。今日は、カイルから婚約パーティーと結婚式について詳しい話を聞きにきたんだ」
「そうだったんですか」
それなら、納得ですね。
私は、カイル様達の話を間近で聞いていたので、よく知っていますけれど……それを知らない方は、本人に詳しく話を聞きたくなるのも当然ですもの。
「でも、クロウ様がカイル様のご親友だったなんて……私、知りませんでした。小さい頃から一緒にいるのに……」
「カイルとは、パーティーで知り合ったんです。それから親しくさせてもらっているんですよ」
「そうだったんですか」
それは、また驚きです!
だって、カイル様やマリーナ姉様は、そんな話一言も言ってくれなかったもので。
なぜ、言ってくれなかったのでしょうね?
後で、聞いてみようかな? マリーナ姉様に。
「シンデレラ」
「はい」
クロウ様は、真剣な眼差しで見つめてきます。
彼の目を逸らしてはいけないと、そう言われているような目で。
私は、見られているのが恥ずかしいのにーー彼の視線をそらすことが出来ません。
なぜか、鼓動が早くなっているのを感じます。
私は、どうしたのかしら?
「あの時の約束覚えてますか?」
『次に会った時は……』
ーーそれはあの時、2人で交わした約束。
「はい。覚えていますわ」
叶うことのないことだと、思っていた約束。
「……カイルは、気を使ってくれたようですし」
クロウ様は、何かを呟いたのだけど……その言葉を私は、聞き取ることが出来ませんでした。
「どうしましたか?」
「いえ。何でもないですよ」
彼は、嬉しそうに微笑むだけです。
「?」
なんでしょう?
その後、 彼はソファーから立って私の所にいらっしゃいます。不思議に思って私も立ち上がるとーーそっと、抱きしめられたのです。
えっ⁈
「あ、あの……クロウ様?」
あまりに突然すぎて、私は、戸惑うばかりです。
「会いたかったんです。シンデレラ」
「私もです」
クロウ様の肩が少し震えていらっしゃるのは、不安だったのでしょうか。
たった一夜しか会ったなかった、私を目の前にして。
私も両腕をクロウ様の背に回した。
ーーその時、ドアが開く音が。
ガチャ。
「あっ⁉」
カイル様がドアを開けて呆然としています。
それも、タイミング悪く私達が抱き合っている時に。
「……っ‼」
私は、言葉にならない叫び声を挙げてしまいました。
まさか、2人で抱き合っていた光景を見られるなんて!
すぐに私とクロウ様は、慌てて離れましたとも。……お互いに顔を真っ赤に染めながら。
私は、手で顔をおおいましたよ。恥ずかしすぎて。
うぅ……恥ずかしい。
「ごめん‼」
すぐに、ドアを閉めようとした私は、カイルを止めます。
「カ、カイル様‼ いいですから! 出て行かないでいいですから‼」
私は、顔を覆っていた手を離して、必死にカイル様を引き止めます。
だって、ここでカイル様に出て行かれたら……クロウ様と、さっきみたいにお話ができる気がしないもの!
「お願いなので、ここにいて下さい」
私は、懇願を込めた瞳でカイル様を見つめます。
「そう?」
カイル様は、困ったように私を見返してきましたが、私はそれに首を縦に振ってみせます。
出て行くことを止めたカイル様は、ティーセットをテーブルに置くと、私達に謝った。
「あ、あの〜ごめんね。良い所で邪魔しちゃって」
済まなそうに顔でカイル様は言います。
「ーーいえ。大丈夫です。ねっ! クロウ様」
「そ、そうですね!」
クロウ様も、動揺してをしてしまってます。
「あははははーー‼」
カイル様はそんなクロウ様を見て、おかしそうに笑います。
私とクロウ様は、視線を向けます。
急に笑い出したんですもの。
ーーびっくりしちゃって。
「ご、ごめん。ちょっと、おかしくなっちゃって」
必死で笑いを抑えようとしているのですが、止まらないみたいです。
何が笑えることありましたっけ?
クロウ様は、カイル様をじっーーと睨んでいます。
あっ! カイル様が目線逸らしたみたいですね。 若干、冷や汗かいているような気が?
どうしてでしょう?




