再会
ロバートさんは、カイル様を連れてやって参りました。
すぐに、ロバートさんは下がってしまいましたけど……。
「やあ。シンデレラ」
「カイル様。こんにちは」
今日は、いつにも増して素敵な微笑みを浮かべているような?
なにか良いことあったみたいですね?
「お菓子を持って来てくれたんだってね」
「はい。あの時のドレスのお礼をしてなかったので……。マカロンとクッキーなんですけど……」
私は、そう言いながら、籠の中のお菓子を見せました。
カイル様は、甘いものが好きだったと思うのですが……ちょっと私としてもドキドキです。
「美味そうだね。僕こそ、迷惑をかけたのに悪いな」
「いえいえ! 私の方こそ、あの時は助かりました。受け取って貰えると嬉しいですわ」
「そうかい? なら、ありがたく頂戴するよ」
喜んでくれたので良かったです。
私は、ホッとしました。
「今、ご友人が来ているんですよね? さっき、ロバートさんに聞きました」
私は、カイル様のご友人のことが気になっていたので、尋ねて見ることにしました。
「そうなんだ。僕の親友が来ているんだよ!」
嬉しそうな顔をしています。
大切なんですね〜。
カイル様の顔を見ていれば、すぐにわかります。
私は、にっこり微笑んで言います。
「私、知りませんでしたよ? カイル様に親友がいたなんて」
「ごめんね。彼をシンデレラには合わせてなかったな」
済まなそうに言う。
「本当ですよ」
拗ねたようにいう私を、カイル様は宥めます。
さてと。
私は、お礼も済んだ事ですから、帰りますか。
「それなのに、お引き止めしてしまってごめんなさい。私はもう帰りますね。待たせているのでしょう?」
立ち上がり、帰ろうとする私を、カイル様は止めます。
「まぁまぁ。待ってよ、シンデレラ。さっきね、君たちのことを話していたんだよ?」
「えっ?」
私たちの話を?
カイル様は、続けて言います。
「今、親友をここに連れて来るから、待っててくれるかい?」
「あっ、ちょっと……カイル様!」
私は、止めたのですがーー行ってしまいましたね。
言い終えると、カイル様は部屋を後にしてしまいました。
****
コンコン。
「どうぞ」
「お待たせ。シンデレラ」
カイル様が部屋に戻ってきました。
ご友人の方は、まだなんでしょうか?
「クロウ。こっちだよ。こっち!」
「あぁ。今行く」
「えっ?」
今、カイル様は……クロウと、言いませんでしたか?
私の空耳だったのでしょうか?
カイル様に呼ばれた後、扉の所に現れた彼を見て、私は、立ち上がり、思わず口元を抑えましたよ。
だってーーーー今、私の目の前にいるのは、あの時、舞踏会で出会ったクロウェル殿下だったのだから……。
「こんにちは」
微笑みます。
「……クロウ様⁉」
私は、思わず固まってしまいました。
「あれ? 2人は知り合いなのかい?」
カイル様は、首を傾げながら、尋ねてきます。
すぐに我に返った私は、慌ててカイル様に答えました。
「えーと。舞踏会の時に会ったんです」
「うん」
「へぇーそうなんだ」
カイル様が、私とクロウ様の顔見ながら、ニヤついておっしゃっています。
……私は知りません!
ーー今のは、見なかったことにしましょう。
「座って」
「はい」
私は、ソファーに座り直し、カイル様とクロウ様の真正面に。
「紹介するよ? 彼が、クロウェルだ。君も知っているだろう? この国の第2王子なんだよ」
「よろしく」
クロウ様は、柔らかく微笑みます。
「クロウ。彼女がシンデレラだよ。マリーナの妹で、隣に住んでいるんだ」
「よろしくお願いします」
私も、微笑み返します。
「君は、マリーナの妹だったんだね」
私に声をかけてくれました。
「はい。マリーナ姉様とお会いしたことが?」
「うん。カイルとよく一緒にいたからね」
「カイル様。只今、お茶を用意しますね」
ロバートさんが来ました。
「じゃあ、僕も用意を手伝うよ。ロバート」
カイル様は、ロバートさんに向かって言います。
「ですが、あなた様は……」
ロバートさんは止めたのだが……。
「いいから。いいから。あっ、二人ともゆっくりしててよ」
カイル様は、笑いながら、ロバートさんの背中を押して、部屋を出て行ってしまいました。
……どうしよう‼
ここで彼に会うなんて……
私は、恥ずかしくて俯いてしまいます。
カイル様がいなくなると、私とクロウ様は、無言になってしまいました。




