可愛い娘
アテナ視点です。
エリーゼの娘を助ける為には、どうしてもジジイの協力が必要になる。あのジジイを動かすにはクッソ生意気なアレクサンダーに頼まなけばいけない。
小さい頃は素直で可愛かったのに、今では見る影もない。妹、妹言う割に側に居たって気が付きゃしない。寧ろ、虐めの部類だわ。4回目の逆行で出会った時に優しくするかと思いきや、侮辱しか語らない。周りがチヤホヤしすぎたのよ。あの子に半分以上分けてあげて欲しい位だわ。妹はミートパイを打つけられても健気に生きていると言うのに。
「今日はあの奴隷居ないの?」
奴隷じゃないわ!お前の
い・も・う・と!
言えたら最高だけど、言えない。だってあの子はアレクの事が嫌いだから。ざまあぁ
「あの子には言えない話があるのよ。精霊王に会いたいのよ。不可侵にした森に入る事が出来て、人が飲めなくなった湖の水を聖水に換えた子について。だから話をつけて来て。なるべく早くに。」
「エメラディアが見つかったんだね。お祖父様も喜ぶよ。」
喜ばないわよ。知ったら激おこプンプン丸よ。
「エメラディアかどうかは解らないわよ。兎に角早めにお願いね。」
話終わる前にアレクは消えていた。待ちに待った可憐な妹に会いたいのだろうが、そんな子は存在しない。
これからも。隠し通してやる。精霊王からもアレクからも。王族からも。
先日あの子が助ける予定の騎士を探しに国境迄行った。騎士も私を見ると、驚いていた。その表情で解る。
コイツは覚えて居るな。
「貴女はあの子の助けに入られた方ですよね?私達を助ける為にあの子は。」
「そうね。今は5回目のやり直しの最中。今度こそ生かしてあげたいの。貴方も協力してくれないかしら?私はアテナ。南の魔女よ。」
「善良な南の魔女ですね。私は王太子の近衛騎士のラルクアンと申します。死にそうな所を助けて貰ったのに。恩を仇で返してしまい。」
ラルクアンは、あの子の絶命時を思い出している様で涙を流した。男泣きって案外胸に来るわね。
彼と話をして、王は王太子と聖女の婚姻を望んでいて、その為にあの子が狙われて居る事を知った。
と、言う事は偽エメラディアは何処からかその話を聞いて来たのかしら?
今回は身体に異変を感じたら早めに湖に行く様に勧めた。あの水はもう聖水となっている事も知らせた。
だから王太子以外にも体調に異変があったら飲ませる様に話をした。決して王太子は飲まない様に。
2回も殺しておいて、美味しいとこ取りなんかさせるか!そこは復讐じゃ!
その後は、ある場所を指定して落ち合う事にした。
一応小競り合いとはいえ戦場だからか弱い私やられたら大変。
ラルクアンとの話を思い出していると、アレクが戻って来た。
「今直ぐに会いたいって!行こう!」
アレクに手を引かれて着いて行くと、目の前に精霊王が居た。
「久しいな。息災であったか?アテナ。エメラディアが見つかった。と聞いたが。」
見つかったかって…
貴方の領域で4回も殺されているのに。呑気に何していたのよ。
「見つかったかと言うのは、難しいですね。何せ彼女は名前を取られて名無し状態です。今エメラディアを名乗っているのは偽物ですから。そして、7月15日彼女は湖で殺されます。殺すかも知れない人は今エメラディアを名乗っている人物、若しくはその娘に懸想している男か、この国の王太子。」
今更ながらに目を瞠いてどうした?それは過去にあの子を殺した相手よ。
「要は7月15日に湖を警戒しておけば、エメラディアは見つかるのだな。本人に名前を返せば良い事だ。」
「はい。そうして頂けますか?そうすれば直ぐにでも見つかります。」
多分むりだけどねー。
ジジイは森からは動けないから二度と会えないかもね。名前を本人に返した一瞬だけ見つかるかも知れないけど。会見は短時間で終わった。始終笑顔で応対したせいか帰宅したら表情筋が痛くて仕方がなかった。
読んで頂きありがとうございます。
ブックマークや評価⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ありがとうございます。
励みになります。
今度とも宜しくお願いしますm(_ _)m




