可笑しな所
所々可笑しい情報を整理しなければならない。
攫われてから王太子達が来る迄時間早く無かった?
何故お母さんとアテナが先にやって来た?
ラルクアン様がうんたらとは?
お母さんが、私の顔を見て察知してくれたらしい。
「私とアテナが先に此処へ来たのは女好きだと言うあのお馬鹿ちゃんを油断させる為。そして、お金を積んで逃げた先で大司祭なんて地位を与えてしまったから、犯罪者であっても手を出せない状況だったけど、エメラディアちゃんを誘拐しちゃったら話は違って来ちゃう。でも騎士達が来る前に逃げられたら困るでしょ?だからアレクとエドが転移魔法で連れて来たのよ。エド頑張ったでしょ。」
エドは誉めてもアレクサンダーを褒めない事で、アレクはムッとした顔をお母さんに向けたけど、アレクサンダーの隣に移動して、抱き寄せて頭を撫でられた事で、顔が綻んでいる。
アレクサンダーチョロいな。
アテナへ目線を向けるとラルクアン様の腰に腕を巻き付けて、頬ずりしている。
なんだ?なんだ?
お母さんは私の目線でああ。と小さく呟くと
「アテナ人生初の好きになった人で、時間を掛けて攻略された人の図。」
手を添えてざっくりとされた説明が、ざっくり過ぎたせいか頭に入って来ない。
えっ?何?どう言う事?
「アテナがね。エメラディアちゃんの事で色々一緒にラルクアンと行動している内に、『あら、やだ、素敵。』と心をときめかしたらしいんだけど、『ラルクアンはエメラディアを好きなんだからダメよ!』と心に蓋をしました。そうしたら、好きの気持ちが膨れ上がり困ってしまいました。ところが、見つかったエメラディアちゃんの側にはエディが現れました。『エメラディア、あの子を好きになってくれないかしら?』となり、お母さんが協力をして、この度ラルクアンとラバーズになりました。はい!拍手ー。」
エドとアレクサンダーと王太子が素直に拍手している。しかも嬉しそうに。
そして説明の中に不穏なワードがまたブッ込まれていた。
『お母さんが協力をして。』
恋愛不適合者のダメんず大好きお母さんが何をしたと言うのか…。知りたいような…知りたくない様な…。
「お母さん何したの?」
「エメラディアちゃん酷い!ママをそんな目で見ないで!エメラディアちゃんと顔を合わせ辛いってアテナが言うから、毎日夕飯を私が作ってアテナに届けて貰って、偶にアテナの家にお泊まりして貰ったりしただけよ。」
目をパチパチさせて少し考えた。そう言えば、最近ラルクアン様ちょっとお疲れ気味だったような…。此処に来てからラルクアン様エドの影に隠れる様に気配が薄かったのよね。
守って貰っているのに失礼だけど。
「それを恋と人は言います。」
人差し指を掲げて自信満々に声高に言うお母さんを怪訝な目で見る。何を言っているんだ。この人は。
「他にも人がいるのに、その人ばかりに目がいってしまう。何をしていてもその人の事を考えてしまう。それが恋です。」
「私の中でそれはお母さんの事だよ。お母さんが。」
続きを言う前にお母さんに抱きつかれて言えなくなってしまった。
「そんなにママが好きなのね。ええ。ママもエメラディアちゃんが世界一大好きです。私達両思いだわね。」
お母さん…ちょっと違う…目を離したら何をやらかすか解らないから常にお母さんを考えているだけです。
その間もずっと強めに頬を合わせて頬ずりをされた。
ちょっと痛い。気が付くとまたエドにお姫様抱っこされていた。
「ちょっと。何でエメラディアちゃん取ったの?」
低い声でお母さんがエドを睨む。
「だってエリーゼ様約束されたじゃないですか。僕とエディを結婚させてくれるって。」
「今は母娘の大事なスキンシップの時間でしょ!邪魔しないでよ!」
お母さんがお子ちゃまに見えて来る。
「俺じゃダメですか?」
オズオズと尋ねる王太子にお母さんとアレクサンダーがピシャリと応えた。
「1番ダメでしょ!絶対許さない。」
王太子は分かり易く項垂れた。
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