宣戦布告
お休みが多かったので、本日2回目更新しました。
追記で。
水仙は、ギリシャ神話の中でナルキッソスと言う青年がエコー(木霊)に何度告白されても、無視をします。その理由が…自分の方が美しいから。それを怒った全能神ゼウスが湖面に咲く水仙にナルキッソスを変えてしまいます、
水仙は湖面に映る自分の姿を美しいと愛でる為に下を向いて咲く花だと言う事で、花言葉は自惚れ。ナルシスト。なんですよ。
因みにエコーですが、振り向いてくれないナルキッソスにずっと同じ言葉を繰り返すので、木霊=エコーなんだそうです
取り敢えず、こんなヤバい奴の嫁なんぞにはなりたくは無い。どうすれば良いか。状況判断重要だよね。
よし、ちょっと頑張ってみようか。お母さんがチートなら僅かながらも私にもチートの才能あるかも知れない。いや、あると信じよう!
「カンジュ様。わたくし…何故この様な姿なのでしょうか?騎馬隊の様な集団に…あっ!」
頭が痛い振りをした。私演技上手くない?ちょっと自画自賛。
「ああ。貴女は人攫いに合ったのを私が救出したのですよ。酷い事をする輩が居たものだ。」
頬を撫でられて、全身が粟立った。キモいし、先ず私を攫ったのはお前だろうが!
さっき伯爵に
『プラチナシルバーにエメラルドの瞳では無い』
『夫婦仲良く暮らしていきましょう。』
等と不穏なワード盛り沢山言ってたじゃない。
攫った本人じゃなきゃ前後の辻褄合わないけど。
頭大丈夫?
でも今は状況確認の為に我慢。我慢。
「まあ。助けて頂きましたのね。ありがとうございます。カンジュ様は大司祭様でいらっしゃいますの?
素晴らしい美貌に大司祭様と言うからにはきっと博識でもいらっしゃいますのでしょう。素敵ですわ。身の熟しも品を感じます。わたくし、この様な素晴らしい方に助けて頂いたなんて。なんと言う幸運なのでしょうか。」
美貌を褒めてからと言うものあからさまに機嫌を良くしたカンジュは口に脂を含んだ様に滑らかになる。
「エメラディアは私の良さを正確に認識された様ですね。顔の美醜は産まれ持っての特とする所でしょう。やはり、次世代の子の事を考えたら美しい者同士が番い合い美を継承していくべきだと私は考えております。貴族の品位も継承されていくからこそ、自然と所作に出て来るのです。知識も似た様なものです。美しさ、品位、知識これらは貴族と言う地位があり、そこから継承されていくのです。」
何だ。ナルシストか。水仙を献花として送ってやろうか?顔の造形は親からの遺伝だけど、品は教えて貰えばそれこそ名無しだって身につくし、知識は本人の努力の賜物じゃない?稀にいる天才は一を聞いて百を知る人も居るけど、カンジュは間違いなく天才じゃない。驕れる愚か者だわ。ただ…残念な事にカンジュ如きでは私の周りに居る男達の足元にも及ばないわ。
「カンジュ様…す・て・き。」
口が裂けても言いたくない台詞を頑張って口に出してみた。
あー気持ち悪っ!
カンジュは私を抱き上げて、鼻同士がくっつく位迄近づけ来た。
「貴方が素直な人で良かった。コレを使わずにすみそうだ。コレを作る為にあの男の力を少々お借りしましてね。一応壊れた時様に予備を作り過ぎてしまったようですね。」
成る程。私の為に沢山の魔石を作った。…と。伯爵の血で。未だ伯爵はポタリポタリと血を流している。
私は伯爵の血を辿っていき本当に沢山の魔石が転がっている部屋を透視して見つけた。なら、後は壊すのみ。目を閉じて、魔法を学んでから初めて頭の中に呪文を詠唱した。
詠唱が終わり目を開いて叫んだ
「爆ぜろ!」
カンジュの手の中にあった魔石がパーリーンと高い音を立てて爆ぜた。違う場所からもパーン、パーン。と一斉に音が響き渡った。
「塵よ舞い、その姿を森の中へと隠せ!」
カンジュの掌の中が緑に光り突風が走った。
「ああ。魔法…使えるんでしたね。」
手に視線を落としていたカンジュが私を少しずつ視線を上げて怒気を含んだ目を向けて来た。
伯爵が居る限りまた魔石は作られてしまうし、先ずコイツ邪魔なので、伯爵の足元に魔法陣を詠唱で作り出して叫んだ
「『お母さんの元へ』飛べ!」
お母さんの元への部分は心の中で言った。直ぐ様向かわれても困るから。
「なんだ。全然従順じゃないじゃないか。君は尊い人なのだからもっと利口かと思っていたよ。」
「大丈夫よ。貴方よりも賢い筈だから。」
魔法で縛られていた縄を解き手首を摩りながらゆっくりと立ち上がった。
「私の命は、私の母が命懸けで守ってくれたのよ。無駄には、絶対にしないわ。」
力込めてカンジュに戦線布告した。
ちょっと早かったかも知れないけど。
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