フラグ回収します
今私が居るのは何処でしょう。真っ暗で周りは見えないし、身体が動かない。手は後ろ手に縄で結ばれて足も膝と足首を縄で結ばれている。
話し合いから私が危険だと認知した皆んなが一丸となって朝、昼、晩と護衛を交代してくれている。
朝はお母さんがいち早く家から出てしまうので、アレクサンダーとエドが着いていてくれる。夜はアテナとラルクアン様が護衛に着いてくれている。
魔法使いが一人居ると、咄嗟に動けるだろうと言う判断。
朝に関しては、人通りも多い中襲われる事なんか無いと思うけど。最近打ち解けて来たアレクサンダーとエドと今日の賄いに何が食べたいのか呑気に話をしながら歩いていると、騎馬隊の様に馬を駆る一行が土煙を上げながら、町の石畳を猛スピードでやって来た。普段そんな事が無いので行き交う人達は混乱して右往左往逃げ惑う。子供連れの親は子供を抱えて逃げ出している。私もアレクサンダーとエドに囲われながら逃げ出したが、子供の泣き叫ぶ声に振り返ると、転んだ子供が立ち上がろうとしていた。馬を駆る一行は迫って来ていた。魔法をと思う寄りも子供目掛けて駆け出して、子供をアレクサンダーに投げた。アレクサンダーは魔法で子供を高く押し上げて、自分の方へと引き寄せた。エドが何かを叫んだが、次の瞬間には視界は真っ暗になり、何かに抱えられてから何処かへ転移させられた。
そして…気が付くと縛られていた。
ヤバいな拉致られたわ。
相手が大司祭じゃない事を祈ろう。
これがフラグじゃありませんように!
絶対にフラグじゃありません様に!!
重厚なドアが開く重い音がした。音と一緒に少しずつ光りが差し込む。
「おや。目が覚めましたか?やはり偽物とはちがいますね。」
はい。フラグ回収しました。いや、回収したくは無かった。残念無念だわ。
「貴方の話と違うようですよ。プラチナシルバーにエメラルドの瞳では無いようですが?」
「そ…の…子は…魔法を…。」
掠れた声に疲れが伺える声が小さく部屋の中に反響する。慣れて来た目を声の主の方へ向けるとボロボロになって血を流している伯爵らしき人が両脇を抱えられて立っていた。
既に一人で立つ事も儘ならない状態に驚いた。
「魔法…解いて真の姿を見せなさい。」
自分の意図せず掛けた魔法が解かれて髪がアッシュブラックからプラチナシルバーに変わり、瞳はアメジストからエメラルドカラーに変わってしまった。手には真っ赤に染まった魔石が輝いている。
「ああ!本当に綺麗だ。私が求めていたのはこの子だ。」
はあ?違うでしょう。貴方が求めて居たのは牢屋に居るエメラディアでしょう。エドやラルクアン様の話しに聞くよりキモいんですけど。口には出さないけどね。
「初めまして。エメラディア様。貴女の夫となるカンジュ・マーシュ・フォン・ハマジュラと申します。これからは夫婦仲良く暮らしていきましょう。大司祭と聖女として。」
声に出せないけど、
『絶対に嫌でーすぅ。ロリコンどら息子。お前と結婚する位なら、まだ王太子の方がマシだわ!』
口に出せたら最高だけど、折角生き延びた命は無駄にはしません。我慢します。
顔は引き攣る頬を叱咤しなから、一生懸命笑顔を作った。
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