魔石
寝起きでボーっとしている目に映るのは、アパートの自室ベッドに仰向けに寝れば視界に入る天井。
あれ?朝?まだ暗いなぁ。考える力が無い頭。余程疲れていたんだなぁ。と実感する。視界にいきなり人の顔が現れる。誰?
「お母様。エメラディアが目を覚ましましたよ。」
聞いた事がある声がお母さんを呼んでいる?
「あら、エメラディアちゃん大丈夫?昨日?いえ、今日かしら?お疲れ様だったわね。ママが一緒だったら、ママがお料理してあげたのに。疲れているエメラディアちゃんをこき使うなんて!酷い人も居たものね。」
お母さんが私の両手を包み込んで頬づりしている。
心配掛けちゃったんだ。
ゆっくりと上半身を起き上がらせると、お母さんは背中に手を回して介助してくれる。
テーブルには食事の支度がしてある。
お母さんは私の指先を凝視すると首を傾げた。
「エメラディアちゃん。怪我したの?治癒魔法の残滓が見えるけど?」
まだ、覚醒していない頭で考える。怪我したっけ?
ああ包丁で切った指か。
「食材刻んでいる時に悔しいのか、先に切った玉葱のせいか、涙が出て来て、手元が狂ってざっくりいっちゃって。でもね、石が血を止めてくれて。でも切り口は塞がって居なかったから、自分で治癒魔法掛けたの。」
「石が血を吸ったの?」
お母さんが眉間に皺が寄り険しい顔になった。
「その石はどんな石?」
「水色に光っていて…血が石の中でマーブル模様になっていたよ。綺麗だった。」
あの時の石を思い出すと、綺麗で温かいものが心に湧き上がる。
「石を早い内に壊さないと。ですね。僕のせいで申し訳ありません。」
エドがお母さんに頭を下げている。良く見れば、エドの他にラルクアン様、アレクサンダーが居てかなり狭い。お母さんの水晶のベッド?も場所取っているから。
「どうやって壊すの?」
お母さんがエドに振ると
「違法な事でもなんでも出来る限りの事はやりますよ。」
「良くわかんないけど、違法はダメだよ。捕まったら大変だから。」
エドは私を見て苦笑する。
「エディが嫌なら、やらないけど…難易度はかなり上がるね。まあ頑張るよ。」
「それじゃぁご飯を食べてから、作戦会議をしましょう。」
お母さんが、テーブルに皆んなを誘導したので、
「作戦会議は夜にしない?これからお店に行かなくちゃ。」
と提案をすると、皆んなが私を見た。その中でお母さんが
「今、その夜よ。エメラディアちゃん疲れ切っていたから、今日はママがお店で料理して、アレクが配膳して、エドとラルクが注文取ったり、食器下げたりしたのよ。エメラディアちゃんが起きたら解る様にして行ったけど、ぐっすり眠っていて起きられなかったのね。だから、作戦会議には丁度良い時間なのよ。」
どうやら、私は何時間も眠ってしまっていたらしい。
「ごめんなさい。お店ありがとう。」
お礼を言うと、皆んなが笑顔で応えてくれた。
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