料理人
はっらたつぅー
マジ腹立つわぁー
7歳から伯爵家のキッチンにこちとら立って料理していたんだ!ナメるなよ!
キッチンに山を作られた食材を呆然と見つめたのは、つい30分前位だろう。
それから、フライパンの中をタナーで炒めたり、野菜を切って炒めたり、卵液を作ったり、パイ生地を練ったり、パン生地を発酵させたり。一人でサクサク動き捲っていますよ。こんな作るのは伯爵家以来だわ。
しかも、生肉とかあるから、使い切らなきゃいけないし、この食材使い切るのに、何時間掛かるんだか。
人を何だと思ってんのよ!
しかも!伯爵家以来のただ働き!いや、エドを人質に取られているから、もっと最悪かも。玉葱のせいか、悔しいせいか涙が出て来る。
「痛っ!」
久しぶりに幕が張った目が滲んで、手元が狂ってしまった。口に持っていき、指から流れる血を口に入れると
「大丈夫?気を付けてね。」
と私の顔を覗き込みなから、切れた指を口から引き離し彼の手で包んだ。
彼の手の中に包まれた指が水色に光っている。
治癒魔法?
イライラして忘れていたけど、治癒魔法使えば良いんじゃない?
指を引き抜き切れ口を見ると血は止まっていた。
右手で指を包み治癒魔法を施して、傷口を塞ぐ。
大丈夫。綺麗に無くなった。彼の掌の中には水色に光り所々赤くマーブル模様の石が見えた。
魔石?彼は、
「じゃあ続き宜しくぅー」
と去って行った。ムカつくぅ!
負けるもんか!
美味しい料理作ってやる!
食材を集めて来た騎士達が癒される料理作ってやるもんね!
次々にテーブルに並べていく。
サンドイッチ
キッシュ
キノコとサーモンのクリーム煮
グラタン
クリームコロッケ
若鶏のチキンステーキ
ローストビーフ
ミートローフ
ミネストローネ
クラムチャウダー
ピクルス
カルパッチョ
マリネ
ピザ
ミートパイ
柔らか白チーズパン
りんごのデニッシュ
カボチャクリームデニッシュ
カボチャパイ
アップルパイ
カスタードパイ
さぁこれでどうだ!
疲れた。
本当に…疲れた。
生のもの以外は食材少し残ったけど、後に使い回しは出来るはず。
良くやった。自分で自分を褒めてあげる!
「作ったわよ!」
外を見ると既に月は傾き始めている。
「お疲れ様。約束通りシエル君は返すよ。」
エドの側にゆっくり歩み寄る。ファボさんの店の後で襲撃されてからのこの重労働はもう足がパンパンで駆け寄る事が出来なかった。
「エディ!」
エドが心配そうな顔でわたしわ、見ている。うん。疲れたけど、まだ大丈夫。家に帰らなきゃ行けない。エドを連れて。
「もう、エドにちょっかい出さないでよ!」
「エディに手を二度と出さないで下さいよ。」
「うーん。約束出来て、約束出来ないな。」
なんのこっちゃ。意味わかんない。
「絶対に関わらないで!」
グレッドが微笑んで何かを言っていたが、私の耳には届かなかった。その時にはお母さんとラルクアン様が待っていたアパートの部屋に居たから。良く見たら、アレクサンダーと精霊王も居た。
お母さんは抱きしめながら泣いていた。
ごめんね。
心配掛けちゃって。
でもって、お母さんごめん。
疲れたので、このまま寝ます。
おやすみなさい。
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