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4回目の人生

「貴女あの瞬間にミートパイってなんなの?バカなの?」


アテナの家に着いて。ドアを開けてくれて直ぐの言葉が…確かにミートパイはないかも知れないけど…。

ミートパイを顔面に受けるのは痛いし熱い。


「何その汚いの。そんなヤツ家に入れるの?浄化したら?臭いそうだよ。そんなヤツより妹の居場所を教えてよ。」


プラチナシルバーの髪にエメラルドの瞳で色白な美形

フロッグコートの生地が光に反射して光る。高そうな服だわね。尊大な物言いからして貴族よね。

しかし、第一声がこれってどう言う教育を受けたんだろう。仲良くなれそうにないな。出直そうかな。


「気に入らないなら帰りなさいよ。君を招いたつもりは無いよ。あの子は私の弟子なの。君とは違うのよ。君の妹なんか知らないし。人の家に勝手に入り込んで、私の大切な子に嫌な言葉を言うなんて。ジジイはどう言う教育したんだか。」


アテナは美形の男の子を睨み付けた。男の子は2歩後退した。


「お祖父様は関係ないだろう!」


「関係あるだろう!お前のその性悪を作った根源だ!不遜な態度が上に立つ者では無い。馬鹿者が!帰れ!」


男の子は悔しそうな顔をして、アテナから目線を逸らし一度俯いてから私を睨み付けて消えた。

私確かに見た目汚く見えるかも知れないけど、身体も髪も洗っていますよ。ジェシカ様にバレない様に魔法で細工してあるけど。彼も私より魔力低いのかな?


「ごめんね。あの子性格が悪いのよ。多分ジジイが親が居なくて可哀想だと甘やかした結果ダメな子になっちゃったんだと思うのよ。」


全く擁護はしていない。アテナ嫌いなのかな?

私はテーブルにミートパイを出した。


「言いつけ守って気配と匂いを消していて偉かったね。ところで何このミートパイは?」


私は目を閉じて後、逆行に入るとジェシカにミートパイを打つけられる話しをした。


「ジェシカも嫌なヤツね。この食糧難な時に食べ物を粗末にするなんて。美味しいわよ。ミートパイ。」


アテナはパクパクと食べてくれる。一人で食べるより美味しい。私も少しずつ食べ始めた。


「あの後ね、貴女を刺した男を殴っておいたわよ。これでね。」


アテナは握った拳を笑顔で掲げた。アテナの拳は魔法を乗せるので大木を拳で折る事が出来る。

頬骨折れていたりして。


「でね、貴女を刺したヤツを殴った後、暫くは転がり回っていたけど、聖女?がどうのとか言っていたら、貴女が水を飲ませた騎士が戻って来て、湖を浄化したのはその子だって言ったのよ。彼の位置からは見えなかったのよね。絶命しているのが。助けようとして、側に寄って刺されている剣を見て悲鳴あげていたけど、そこで終わって眠っていた私は目覚めたのよね。」


成る程。でもあの男の人は誰なんだろう。


「殴った男は王太子らしいわよ。」


マジですか!お偉いさん殴っちゃったんですか?

多分顔が青くなっていたんだと思う。


「大丈夫よ。殴ったってやり直しで無かった事になっているから。」


先読みをした行動ですか。でもそれだけ私を思ってくれているんだわ。有難い。嬉しい。一人でも私を大切に思ってくれる人がいるんだ。生きていて良かった。


「今度こそ生き抜くのよ!」


アテナが力強く言ってくれた。私はゆっくりと頷いた。生き抜く為に注意するべき人はエメラディア様とバンスと王太子。後は居ないよね?

助けてあげた騎士は味方になってくれたんだ。

ちょっと嬉しい。


今回はアテナの家で会った男の子には会いたくないので、極力行かない様にして、相談事がある程度貯まった時に行く様にしていた。

そして今回は7月15日騎士は現れた。周りを気にしながら馬を引いて、湖に連れて行き浄化をした水をティーポットで飲ませた。彼は直ぐに目を開けた。

彼は視線を泳がせた。

なんだろう?

今迄には無い反応だった。


「これから俺は、王太子を連れて来なければいけない。だから君は逃げて欲しい。出来るだけ早く。」


初めての時は待っていて。と言っていた彼は、今真逆の言葉で逃げて。と言った。どうしてだろう。


「変な事を言う様だけど、夢で君が俺を助けた後王太子殿下に剣で刺されて殺される所を見たんだ。だから。何も無ければ良いけど。助けてくれた君には生きて居て欲しい。バカみたいだけど。逃げて欲しい。」


この人は前回の記憶を持っている。私を助け様としてくれている。踵を返して走り出した。転移魔法を使用すれば、捕まらない。でも、何処でエメラディア様が見ているか解らないし、転移先は伯爵家。だとしたら敵しか居ない。逃げるしか無い。


絡れそうになる足を叱咤しながら走っていると、弓矢が多数飛んで来た。どうしよう。矢を魔法で落として良いのだろうか?アテナは殴ったと言っていた。

ヨシ!

魔法で矢を落として、自分にシールドを掛ける。

大丈夫だわ。今回は大丈夫!

もう少しで!

私の心臓を矢が貫いた。


「人を拐かす北の魔女を討ち取ったり!」


誰かの叫ぶ声がした。

でももう無理だわ。

アテナごめん。

騎士さん助けてくれようとしたのにごめん。

目を閉じた。


そして顔をあげるとミートパイが飛んで来た。

はい。5巡目突入です。


読んで頂きありがとうございます。

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