お母さんとデート4
「あのですね…労働と言うのは働く時間を売ってお給金を貰うんですよ。それは、昔伯爵家で私がしていた無賃労働と言って、ブラックな悪い人がやる商法ですよ。騙されています。労働に対しては誰でもお金を貰う権利があると思います。そうですよね。お母さん!」
お母さんも大きく頷く。
「ママはアレクサンダーが大人になった事は嬉しく思うけれど、人に騙されるのは良くないわ。ママが店主とお話ししましょう。」
お母さんの言葉に私も同意してアニカさんを探し始めたが姿が見えない。働いている人を放置して遊んで無いわよね?遊んでいたら仕事をちゃんとしているか判らないわ。
「アーニーカーさあーん。どーこーでーすーかあ。」
市場に響き渡る様に叫んだ。すると、サンダルをバタバダ音を立てて走って来る音が聞こえた。
「ちょっと!エディ叫ばないでよ。恥ずかしいじゃない!」
服装を見ると仕事をして居た訳ではなさそう。アニカさんは仕事の時にはラフはシャツにスカートを履いているが、お洒落なマーメイド風なスカート部の身体のラインが露わになるワンピースを着ている。どう見てもデートして居たでしょう。そんな中呼ばれたから恥ずかしかった訳ね。なら、こうしましょう。
私はさっきよりも大きな声で話し始めた。
「アニカさん。この人私の兄なんですけど、お給金ずっと支払われていないのは何でですかあ。」
アニカさんは慌てて私の口を塞いだ。表情はかなり焦っている事が伺える。
「ちょっ、ちょっと。やーね。エディったら。私がそんな事する訳ないじゃない。」
「えーなーに?きーこーえーなーい。お給金支払わないのは、うーちーのあーにーだーけー?」
「わっ。忘れていただけよ。」
「えー?なーんかーげーつーも、わーすーれーて、いーたーのー?」
皆んなが声を聞きつけてやって来て、人集りが出来た。見回してどうやらアニカさんのデート相手と思われる男性がアニカさんに侮蔑の視線を送っている。
「態とじゃないのよ。エディ。解るわよね!」
「解りませんわ。私、この子の母です。本日で辞めさせて頂きますわ。」
お母さん。息子を粗雑な扱い受けて激おこです。
「あら。そう?じゃあ。」
「働いたお給金は支払って下さいませ!」
アニカさんは、事務所へ走って行きお給金を持って来て、アレクサンダーに渡すと、そそくさと男性の側に駆け寄って行ったが、男性は何かを言うと先に早足で歩き出して行った。あれは振られるな。
そうなる様に動いたけどね。
アニカさんが居なくなった割には人集りは増えていた。良く見たら、エドとラルクアン様と精霊王の周りに女性が群がっていた。エド達に声を掛け様としたら、女性達に睨まれて弾き出された。
まあ、元々お母さんとのデートだし。とお母さんの方へ行こうとしたら、また、人集りが出来ていて、お母さんが男性達に囲まれて、それを避けているアレクサンダーの周りにも女性がやって来てお母さんの腕を持っていたアレクサンダーの手は引き離されていた。
そして、気が付いた。
私、ぼっちだわ。
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