“決意の日の、『リプレイ』を。”
「……………えっと。…………………、ごめんなさい。」
海は取り敢えず。謝って置いた。
† † †
橋本 和希は、こめかみを抑えた。勿論“叱れず”に。
† † †
“結原 基”は、こっそりと、友人に問い掛けた。“何?”と。華月 陽藍は苦笑してみせた。
† ✙ †
「?? ……………………和希さま?」
絵理撫が、そう言って、“隼人”は、はっとした。そして“和希”は、諦めた。† † †
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そして“彼”は、言った。
「こんな、沢山“ギャラリー”いる“前”で渡す様な“代物”じゃあ、無いんだよなあ。…………………。」と。
溜息と共に。× × ×
彼は小さく“妻の名”を呼んだ。妻はぴくりと反応した。和希の声が、緊張していたからだった。
「ま、仕方無いっか。放って置くと、太一君とかに、惚けて食べられそうだし。」
「………………?和希さま?」
絵理撫は小首を傾げて、その様子を見たのだった。不安そうに。
橋本 和希は、食卓に置いた其の箱を手に取った。そして言った。妻へと向かって。
「“ハロウィン・イベント”の、時に。渡せなかったから。“リベンジ”かな?」と。
箱を彼女へと、手渡したのだ。“受け取ってくれますか?姫様”と、彼は確かにそう言った。
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「………………和希さま。………………開けても“良い”ですか?」
姫様は、そう聞いた。頷いた和希を見て、其の蓋をゆっくりと開けてみた。そして歓喜した。
「わあ。素敵。“綺麗”です。此れ、和希様が?」
「“姫様”が、“黄橙”の実が“お好き”だと、伺っていたもので。“黄橙”の代わりに“オレンジ”で、自分“流”に、作りました。…………………“あの日”も、ね。…………………気に入った?」
「はいっ、とても。和希様、ひとつだけ、今“頂いて”も、良いですか?」
「うん。“1個だけ”なら。良いよ。」
「“あ〜ん”」
「嫌、自分で食べなさいよ……………」
「? そうやって“食べさせて”戴くのが、此方の“普通”なのかと。“駄目”ですか?」
「………………………、疲れる。」
「!!和希様っ、酷いっ! 私の事“御嫌い”でした?!」
「………………………、疲れた。…………………はあ。はい、もう“いい”よ。はい口開けて。はいーーーー」
「! っ。………………………………⸜❤︎⸝♥*.♥︎︎∗︎*゜(ᐡ⸝⸝- ̫ -⸝⸝ᐡ)♡美味しいです。ふふ」
「満足した?じゃあ、もう、帰ろう?ーーーーほら。“オジさん”が、何時までも“仕事の話”が出来ないだろ?
“俺達”が居たらさ。ーーーーーー“部外者”は、帰ろう。」
和希はそう言って、さっさと退散を図ったが、“待った”を掛けた者が在た。“蓮”だった。
「……………………滝、君。…………………君も“帰る”よ。オジさ……………、“陽藍さん”の“仕事”の邪魔しないの。ほら、“海”に“睨まれてる”よ。」
「わお。“リトル・キング”君……………………、じゃ、無くて!それ!それ、あれ?……………………。
だよね。………………………………。ごめん。“イベ”の日に“俺が食べちゃった”奴だ。すっげえ“美味かった”奴。………………………………。そうか。“そうゆう事”だったのか。………………………ごめん。
あ〜後“敦君”も。」
そう言った“滝 蓮”に、敦之は言った。“蒸し返さないでくれ”と。
× × ×
“絵理撫”が開けた“箱”の中を、仲村 叶はーーーー見た。宝石の様に美しい輝きの“チョコ”が、
ーーーーーーーー並んで在た。彼が“自信”を、失くす程の。
“出来栄え”だった。
仲村は叫んだ。思わずだった。“それを食べさせてくれ”と。
× × ×
「え?ーーーーーー、えっと。」
「え、“無理”ですが?」
面食らい戸惑う和希の横で、辛辣な姫の“妻”は、そう断言したのだった。
「え?あ、いやーーーーーー」
仲村は戸惑った。
「嫌ですわ。此れは御譲り致すことは、御断りを申し上げます。此れは“私”の和希“様”が私の為に“贈って”下さった、謂わば“和希様”の、私への“御気持ち”そのものです。
それを“仲村様”に御譲りすると云うことは。………………………私に、………………、
私に“和希様”を『諦めろ』と………………………っ」
「うわっ!ちょっ、分かった!分かったから!絵理撫落ち着いて!」
“橋本 和希”は、そうーーーー慌てて“妻”を、抱き締めた。
その腕の中、絵理撫は泣き崩れた。和希はあやした。そして言った。
「其処迄“重い話”じゃ、無いよ。ーーーーーー」と。“大丈夫だから”と。
「後“言葉使い”、元に“戻ってる”からねーーーーーー。“絵理撫”。」と。
×××××××××
×××××
×××
××
ー
「…………………………、落ち着いた?」
「…………………………。うっ、ふっ、うっく。ぐす………………っ」
「…………………“絵理撫ちゃん”さあ。………………ちょっとは“和希”を、信用したら?」
重い空気を破ったのは、敦之の其の言葉だった。“姫”は泣きながら、敦之を見た。敦之は彼女を見て、“甘やかされてる”と、そう思った。××××
顔をあげたので、当たり前の様に、和希が彼女の涙を拭って在た。××××
“泣き過ぎだからね?”と、呆れながら。どうやら。“異世界に嫁いで来た”緊張感で、いっぱいいっぱいだった様で。緊張の“糸”が、切れたのだろうーーーーと、泣かせて置いたのだ。
“頑張り過ぎは、良く無いから”と。勿論“基”も、同じだった。“心配”で様子を“見に”来たのだった。
「………………………っ、すん。」
「…………………、落ち着いた?」
和希に屈み込まれて、其の顔を覗かれた絵理撫は、彼に髪を撫でられながら、こくんと漸く頷いたのだ。未だ涙は、伝ってはいたが。××××××××××
「………………甘やかしてんなあ……………。別に俺に関係無いから良いけどさ。」
敦之は辛口だった。
「絵理撫ちゃん。何がそんなに“不安”が在る訳?和希は基本裏切らない奴だぜ?信用して無いの?」
「ちが、違います………………っ。」
敦之の言葉に、絵理撫は応えた。“そうでは無い”と。
「だって“和希様”は………………」
「ん?」
「……………………」
「何?」
絵理撫と敦之の“やりとり”に、和希は口を出さなかった。
「で、何?」
敦之はもう一度、そう言った。忘れ去られた“叶”は、置き去りにして。
「………………だってね、敦之様。………………和希様は“私”を“好き”ですか?」
「は?」
美津原 敦之は、そう応えたのだった。“何言ってんの此のひと?”と、思いながら。
「あ〜。成る程? “不安”とか“信用”とか以前の問題から、来たよ。流石和希ーーーー。相っ、変わらず俺の予想の斜めから、来んなあ、御前。ーーーーーーはあ。面倒くせ。」
「…………………、敦。」
そう言った和希に対して、
「…………………、え、…………………………え、えぇ?えぇえ?!めんどく…………………っ」
絵理撫は若干、困惑したのだった。“放置”を決めた敦之は和希に聞いて在た。
「……………御前さ、“口説き方”が、可笑しかったんじゃ、無えの?それとも絵理撫ちゃんが、凄え“鈍い”の?」
「………………………………、敦、君。」
「普段使ってる“口説き文句”並べれば“問題起きない”だろ?何だよ“好きですか?”って。御前好きでも何でも無え奴その気にさせんの、得意技だろ。どうした?“言葉の壁”か?其れこそ“らしく無え”な。和希。」
「……………………………、敦、君。やめて。“誤解”が生まれますから。“勘弁”して?」
“幸い”と云うならば、絵理撫は“混乱”して、敦之の言葉を“殆ど”は、聴いて、いなかった。
「あ〜はい、はい、分かりました。」
そう言った和希が、“覚悟”を、決めた。
「絵理撫」ーーーーーーと。
「っ!はいっ」
やや、正気を取り戻した“彼女”は、和希へとそう応えた。そして彼は言ったのだ。
「あの日、その“チョコ”と同じ物を、用意してた。それで気に入って貰えたなら、伝えようと思ったんだ。」と。
そしてこう言った。
「“姫君”は、“姫”を、辞めてしまっても、“俺の奥さんには成ってくれますか?”って、ね。」
“姫”は、別の意味で泣き出した。「う〜和希様〜」と。夫にしがみついて、泣き出したのだった。そして言った。“はいっ”と。
「はあ、疲れた。てか此れもう“見せ物”だよ。…………………何で“こう成った”んだよ。……………はあ。」
喜ぶ妻と違って夫は溜息と共に天を仰いで在た。
海が珍しく腕組みし、悩みながらこう言った。「う〜ん。原因…………………、“チョコレート”?」と。
“教師”は、返した。「違うと思うぞ…………………………。」と。
因みに敦之は、こう言った。“なあ和希ーーーー”と。
「ん?あ〜はい、よし、よし。何?敦ーーーー?」
「御前ーーーー、“結局”さ、」
「ん?」
“好きとは言わなかったな”と。
和希はけろりとして在た。“ふたりきりでも無いのに、使わないだろ?”と。
“相変わらずの和希”に、友人“隼人”は、既に“化石”と成りて動かなかった。




