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姫さま、『恋』をーーする。  作者: ※Rasp※Berry※
✝と或る名も無き星にて〜しがない教師と“恋”等の〜話✝
59/75

“手作りジャム・入り。”

 「ただいま、紺、海ーーーー。お父さんただいま。」



 「お帰り、“りく”君。」



 「“敦”、居たのか。ん?基さん?何?ごはん作ってくれたの?」


 「陸、おかえりー。」



 「…………ただいま。」




 そう言ってばたばたと数人の男女がリビングへと入って来たのを、客人“仲村 叶”は見た。そして思った。“陸”と呼ばれた青年が、ーーーーーーーー。“美形”過ぎた。××××××××××












 「陸兄ちゃん〜“お客様”だよ。“仲村 叶”さんて分かる?“ショコラティエ”のひとだよ。」



 華月 海は言った。言われた兄、陸は答えた。“ああ”と。




 「海の“お気に入り”な人な。初めまして。“仲村”さん?“華月 陸”と申します。“海”の兄です。今日は?」



 「えっ、あっ、えっと………………………っ、」



 言われた叶は、戸惑っていた。××××



 「偶然“見掛けた”僕が、無理言って“来て貰い”ました。」



 海は答えた。



 ××××××××××




 「ふ〜ん。そうなの?ところで“良い薫り”が、するな。」



 「“チョコ”?」



 「と、ーーーー“紅茶フレーバーティーだな”。」



 “うん”と弟は頷いたのだった。“流石兄だ”と。




 ××××××××××××




 「“和希”さんが、作った奴の、“お裾分け”だよ。“僕”の自信作(丶丶丶)。お父さんも美味しい(丶丶丶丶)って。“紅茶”はまだまだだけど。陸兄ちゃん“味”みて?」



 そう言った海に、“兄”は微笑んだ。「手洗いしてくるよ。」ーーーーーーと。






 「ーーーーーーーー。え?」




 “仲村 叶”は、当然戸惑った。“海”の“言葉”で、だ。ーーーーーー“今なんと言ったのか??”と。











 「“海”?今お前ーーーー“僕”の『自信作』って言ったか?言ったなーーーーん?でもーーーー。ああ、そうかーーーーーー。“そういう”事か。んで“庭の薔薇(丶丶)”なのか?“今年”も?」



 “美津原 敦之”の、その言葉に、海は“どや顔”だった。“今年は『エリナ』だよ”と。「美味しいでしょ?」と。





 其処で兄“陸”が、戻って来た。そして弟に言った。“海ーーーーーー”と。



 「“お兄ちゃん”に、“あ〜ん”してくれる?“海”の、自信作。ん。」



 「!!」   「えっ、ちょ」   「……………………陸………、」   「陸は“海”に何させてんだ?」




 言われた“弟”は、素直に“兄”に応えた。兄は微笑んだ。「“美味しいな”」と。



 「陸兄ちゃんっ、美味しい?“紅茶”も“淹れて来る”ねっ」


 「あ〜ごめん、海。“理桜”達“待ってる”から、お兄ちゃんは“帰る”な。ごめんね?海ーーーー」



 「……………………………、寂しい。」




 言われて“兄”は、可愛い弟の頭を撫でた。いつの間にか“紺”も来たので、“ダブル(両手使い)”で。“わしわし”と。××××××××××××××××××××満面の笑みだった。互いに(丶丶丶)だ。××××××××××××××××









 つまり“こう云う事”だ。







 目を見開いていたのは、“隼人”だったが、横の“仲村 叶”も、大分酷かった。溺愛(丶丶)に、当てられ(丶丶丶丶)て。




 敦之は言った。“和希”へ。



 「ん?」


 高校教師は彼にそう相槌を返した。




 「てっきりお前が作ったのかと」と。



 和希は言った。「ジャム(丶丶丶)はね」と。




 “薔薇”からは、“ジャム”が、作れる。庭には美しい“薔薇”園。“陽藍”お気に入りの、彼の“手製”の、自慢の庭だった。其処に“住む”は、彼を慕う“妖精”ーーーーそして此の世には珍しくも“精霊”達ーーーー彼の“庭”は、かの者達の“力”でーーーー、“無農薬”だった。だから庭の“薔薇”の“加工”を始めたーーーーーー“少量”故の“貴重品”と、為った。ーーーーーー




 “フェアリー・エディブル”と名付けられた“其れ等”が、“其れ(貴重品)”だった。ジャムの他に“フレーバーティー”としても、販売されていた。勿論普及はしていない。“知る人ぞ知る”レベルの(代物)だった。




 さておき。“和希”が、どう“関わって”在るのか?ーーーーーーならば。ジャムも“フレーバーティー”も、作り手が“橋本 和希”だった。“時期”に成ると陽藍(師匠)に呼び出される(弟子)は、こつこつ、コトコトと、ジャムを煮る。又は“食用ドライローズ”を、作成するーーーーーー何故か?其れは。




 華月 陽藍は甘い“薫り”が、苦手だからだ。一度作って、懲りたのだ。然し、味をしめた妻と息子に、強請られた。親馬鹿・妻馬鹿な彼は、“頼りの橋本君”に、仕事をぶん投げたのであった。




 “良く在る光景”で、ある。ーーーーーーーー多分恐らく。嫌きっと。




 “甘酸っぱい”それに、海は“オレンジ”の苦味を連想して、和希へと話した。興味を持った負けずと“凝り性の(師匠の事は言えない)(所詮同じ穴の貉の弟子)は、調合に(結構呆れる程)拘って(滅茶滅茶本気出して)作り上げた(やり過ぎちゃったよ)のだ。そして出来た。“素人作品(最高の一品)”が。





 “ローズオレンジ”の、“ショコラ”だった。薔薇の甘みと酸味と薫りが、厳選された邪魔に成らない(丶丶丶丶丶丶丶)オレンジの香りと、相俟って、溶けた。それに合わせる“ティー”は、勿論和希特製(丶丶)ドライローズフレーバーティーだった。此方こそ“其れの為に”作った、作り上げた、“一品”だった。





 やり過ぎて“ちょっとだけ本業(教職)おざなり(軽く手抜き)”だったのは、内緒(謂わば此処だけの話)だ。勿論。





 海は“如何したかった”のか?





 此の感動の“素晴らしい一品”を、尊敬する“仲村(ショコラ) (ティエ)”に、“理解って”欲しかったのだ。ーーーーーー“失敗”だったが。××××××××





 “瀬野尾 太一”は、言った。気を取り直して。“従兄弟”の海へ。




 「海〜“(太一君)”へも頂戴よ。ほい、“あ〜ん”」と。口を開けた彼は言われた。














 「は?」と。














 可愛い“従兄弟”に、“白い目”で。「気持ち悪い。」と。瀬野尾 太一は、泣いて在た。ーーーーーーーー






 掛ける言葉見付からない周囲。海は残りの“チョコレート”を、配った。



 「はい、和希さん。敦兄ちゃんは?んと、後は」



 「海君っ、私未だだよ〜」



 「あ、はい、友理奈さん。」



 「あ〜ん。」



 「ちょっ!友理っ、海っ!おまえっ」



 「はい、直兄ちゃんは、自分で食べて。んと後ーーーー」



 「海、“あ〜ん”」   「あ、おかあさーーーーーー、ん、はい、“憂莓”さん。」




 「……………………憂莓さんまで………………。」




 「理一兄ちゃん達は〜?食べるのお〜?もうあんまり“無い”よ。あ、後“三”粒。」



 「海、頂戴。」  「あ、俺も味見たい。」   「海君〜ラスイチは俺に下さい〜。」



 「はい、大和兄ちゃん、理一兄ちゃん。“滝”さんは自分で食べて。はいあげるから。」



 「“あざ〜す”。海“さん(丶丶)”……………………………うっま。流石…………………Bossの子……………」





 「っ、海っ!“俺の分”は?!取って“ある”よね?!愛しい“太一君”だよ?!」



 涙引っ込めた瀬野尾 太一は叫んだが、“無い”と返された。そしてーーーーーー





 「あれは?!」




 と、ひとつの“箱”を、指した。飾り気の無い“箱”だった。××××××









 ✕   ✕   ✕




 「あれ駄目だよ。太一兄ちゃん。」



 「何でだよ?!」



 「あれ僕のじゃ無い。」




 「誰のよ?!」



 「え、和希さんのだよ。だから駄目。」



 海にそう言われた太一は、和希へと希望を掛けた。けれど敗れた。







 「駄目なものは駄目。太一兄ちゃん、あれは和希さんから“絵理撫”さんへだよ。食べたら“怒る”よ。絶対駄目。」



 「!! っ、?!?」




 三度目を白黒させた従兄弟に、海は呆れた。そんな海に和希が言った。軽い“頭痛”を、起こしながらも。




 「海、ーーーーそれな。ばらしちゃ“駄目”な“奴”な。」と。
















 華月 海は、小さく「あ……………」と、言ったのだった。彼はちょっと“どじ”だった。






 勿論だが、いわずとも“客人”仲村ならば、放心状態だった。“あれがーーーー素人作品?”と。








 “悔し”かった。口の中に“何か”が、拡がった。“何か”が。

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