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【閑話×昔から知り合いのと或る女〜】其の二。“紺チャン、ーーテンパる。”

 据わった瞳の青褪めた表情の“女”が、自分の“瞳”の中にーー映し出された光景が、素晴らしく心地好かった。




 ××××××××××××



 「えっと?」


 「ふ〜む。」


 「嫌?“和希”っち、“あれ”さ?」


 橋本 和希は“感心”して“光景”を“観ていた”が、連れの男に、訊ねられた。『アレ大丈夫?』と。『さあ?』と返した。多分“本気”にみえた。




 目の前で自分“達”の“ボス”が馬乗り状態の女に首を絞められる光景は中々“滑稽”だったので、橋本 和希は連れに答えた。“レア”ではあるよね?と。




 茫然としてから青褪めた“連れ”は、急に慌てて“止め”に入った。ーーが、和希はふと“あれ?”と感じた。女を良く“みて”みたのだった。あれってーーーー




 「あれーーーーもしや“友美・・”さん〜? あ〜やっぱり。ど〜も。お久し振りです。」




  状況を理解していない位の“仕草”で、平坦な青年は言ったのだった。“彼女”へとーーーー





 “彼女”は漸く“陽藍”から、降りた。正確に言うと、“陽藍が座って居た椅子の上”からだ。



 店にはまばらだが“其れなり”な数の“人”が“在た”と言うのにーー誰も“止めない”とは。





 “流石”ーーーー“月影 陽藍”のだよーーーーと、橋本 和希は思ったのだった。




 ×××××××××××××××




 「ーーーーもしかしてーーーー『和希』?」


 と、“彼女”が言って、陽藍が面白くなさそうな顔をしたのを、和希は“みた”のだった。“愉しんでたなーー”そう思ったのは、恐らく和希だけだった。止めなかった連中は只、陽藍達が巫山戯ている“だけ”だと思ったのだ。陽藍が平気そうだったからだ。平然として“在た”が、当の陽藍は、“抵抗しなかった”だけだ。例え『死んで』も。




 昔『妻』に殺された『事』が『在る』男には、何でも無い『事』だった。心地好かった位だ。そして気付いた。『自分はやっぱり(・・・・)』ーーーー





 妻の友美に、ーーーー惚れて『る』ーーーーのだと。愛しい“彼女”が“証明・・”してくれて、嬉しかった。自分で“思う”よりも、ーーーーずっと。




 脱線したが、ふと気付くと“一番新しい息子”が、言葉を失う“程”に“硬直”して“在”たのだった。まあーー『紺は“剥製”だから仕方無・・・いーーか。』と、陽藍は思ったが、和希はそうは思わなかった。




 恐らく紺の“想像以上”に、父が“狂って”いるのだ。和希はちょっと、紺に“同情”してしまったのであった。




 ×××××××××××××



 「はあ。帰ろ。」



 彼女は“言った”。勿論陽藍は、引き止めた。



 ×××××××××××××



 「帰るわよ。“変なの”来たし。あんたの“知り合い”なら、“まとも”じゃ無いでしょ?はあ。道理でね。じゃ〜ね、香月『君』。もう『会わない』かもだけど。さて。」



 「嫌嫌ちょっと。何言って。爆弾発言。ちょっと“誰”か。」



 香月 晃嗣の台詞に、“聴こえた”とばかりに、彼女の“ファン”達は、行く手を阻んだ。



 「ちょいストップ“アネさん”。久々来て“其れはちょっと”ね。“踏んで”から“帰って”。」


 取り敢えず“手近”な“ひとり”が、そう言った。彼女は増々青褪めた。“は?”と言いながら。



 突っ込み処が多過ぎて“キャパオーバー”したが、此の日一番の“キャパオーバー(テンパった子)”は、“紺”ーーだった。



 父はただ、“あれ?”とだけ思った。“何か”、“可怪しい”か?ーーと。




 可怪しい“処”しか無いがな? 華月 陽藍ーーーーーー気付けよ。





 “友美”は思った。自分はもしかして“ホームセンター”の仕事パートタイマーよりも、





 なんとか“クラブ”の“女王様”なのでは?と。







 勿論絶対“やりはしない”が、照れた良い歳の“男達”が、“踏んで”だの“なじられたい”だの“さっきの陽藍君の奴を俺にも”だの“嫌!ーー居るだけで好いーー”だの。





 訳の理解らん事ばかり言うので、“蹴ったらーー悦ばれるーー”と、歯を食いしばって“耐えた”のだった。よりによって今日は“変態”ばかりが“多かった”様だ。ーーーー迂闊だった。嫌待て。



 自分が迂闊な“せい”なのか?違く無いか?ーーーーと。やはり理不尽だった。




 若干“鬱”加減が酷くなり、やや死にたく為ったのだった。“後、何年でも無い”ーーだろうから、今日は耐えようーーーー彼女は“そう”思った。可哀想に。病んでも仕方無いのではーー無いだろうか。何の因果なのか、ーーーー未だ“謎”だった。“前世か?”と。





 和希と共に入って来たのは、勿論“滝”だった。それから。




 “敦之”と、隼人・・ーーだった。



 ×××××××××××××××




 事情・・を聞いた晃嗣が笑った。『凄えな』と。



 「度胸あるな、『坊や』達。俺達・・の“女王様”に、手を『出す』とか。」




 悪人顔だった。




 ×××××××××××××××




 “彼女”が“女王様”と言われるには、勿論理由が存在するのだが、“坊や”達は教えて貰えなかった。代わりに“陽藍”から“警告”された。




 “命要らないのか”と。



 「隼人。敦之。自分が“可愛い”なら、“彼女”は口説くな。理解ったな? 理解らなくも“無い”だろ? そうだな。“俺”に勝てそうだと“思った”ら、挑戦してみろよ?けどなーー、なあ?和希?」



 橋本 和希は“あ〜”と言った。気不味そうにだ。“彼女”は溜息を又吐いた。



 「敦、隼、おまえ等、“友”ーー“恐い”? なら止めといた方が“良い”ぞ?」と。




 “言っとくが俺は救けないから”。橋本 和希は巫山戯もせずに、そう言った。



 「あんまり“追い詰めて”も可哀想だが、“卓”と“龍”が昔“良く”遊んで貰ったから、“懐いて”るぞ?」



 陽藍はさらりと“補足”した。紺は“ずっと”フリーズしたままだった。滝は“何か紺ちゃん可哀想だなーー”と、意外と暢気に眺めていたのだった。



 「で?何で御前迄居るんだ? 蓮?」

 

 陽藍から急に振られて、滝 蓮はやや慌てた。「え?此方?」と。



 和希が連れて来たのだが、“友美(女王様)”ファンの男達は思った。“ちっ余計な事をーー”と。






 彼等は“生粋”の“ドM”ではーー無い。“彼女”が“本気で嫌がる”姿が、“萌える”のだ。




 陽藍もだが。







 “変態”には変わりないので、“彼女”へ“訂正”される事はーー今後も“予定”にはーーーー無い。







 “華月 陽藍”には、“画家”にも“イラストレーター”にも成りそびれた“何処に”でも在る、




 “良く在るタイプの一般人”の“と或る”ーーの知り合いが、“在”るーーのだった。



 とても“タイミング”の悪い“女”だった。其処が“愛らしい”のだが。誰も教えなかった。




 知れれば“失われて”しまうからだ。“ドS”の“彼等”は誰も“言わなかった”。ーーーーそんな話だ。






 “目聡い”敦之と隼人は、互いに別々に“彼女”に“出会って”口説いたらしいが、呆れた“彼女”に言われた“実年齢”は、“ナンパをかわす手段”だと解釈して、信じていなかった。




 “今更(ユウ)が恐くてナンパが出来るかっ”と言った敦之・・が、再度“彼女”にアプローチを仕掛けて、呆れた“和希”にその場で“投げ飛ばされた”そんな(茶番)だ。





 勿論。“紺”が“母”に、ーー言える訳はーーないのだった。




 和希に紺は言った。“敦之って意外と馬鹿?”と。器用に投げ飛ばした和希は答えた。“意外じゃ無いよ”と。








 滝は正直、“美咲を譲らなくて良かったーー”と安堵したのだった。





 大丈夫だ。滝。美咲は“知って”いただ。“私の初恋は、”








 “幻覚”だったーーーーと。毎日、擦れ違った“彼”は、自分に“気付いて”もいなかったのだ。





 中一だった“彼女”は、一度“敦”に、助け(丶丶)られた。高校生に“絡まれ”たのだ。中一に成ったばかりだった。



 助けてくれた“敦之(別の中学制服の男の子)”は、毎日“会釈”した自分を、憶えて(・・・)くれなかった。“御礼”の“クッキー”すら、受け取って貰えなかった。素っ気無く“いい(要らない)”ーーと。





 折角。当時『近所』に住んでいた、『おねえさん』に、教わったのに、無駄に為った。『おねえさん』に報告に行くと、『そっか』と励ましてくれた。




 “美咲ちゃんの『運命の相手』は、きっと他に『存在』するから、上手く行かないんじゃ無いかな?美咲ちゃん可愛いんだから。きっとちゃんと『幸せ』に成れると思うな?”





 その後“引っ越し”してしまった“そのお姉さん”は、“のの”に成った“美咲”を、メディアで観て気が付いた。“美咲ちゃんだよね?”と。その後会う事は無かったが、つい先日、又“メディア”で“彼女”を観る“事”と為った。



 “元鞘”らしいが、“バンドのヴォーカル”と入籍したと。“おめでとう”と“彼女”は心の中で思ったのだった。“良かった”と。





 “美咲”が“そのおねえさん”と“再会”する切っ掛けは、どうやら、滝が“作った”様だが。ーー今は未だ“此の場の誰も”ーーーーその事は知らない。





 恐い程の“偶然”は“縁”と呼ぶらしいが。





 敦之と隼人を睨んだ“もうひとりの友美”は、和希に“大丈夫後で俺が送りますから”と言われて、温かい紅茶をもう一杯だけ飲んだのだった。



 ほんのり薫る“オレンジ”に、出された“菓子”をパクつきながら。旧友と久し振りの再会を、少しだけ省みて在た。“下手な才能で陽藍の画家の筆を折った罪悪感”ーーを、心の中で反すうしながら。






 “自分なんか(・丶丶)の為にーー本当に馬鹿な男だ”ーーと。此の男の才能は、“本物だった”のにーーと。

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