『露見』。
「えーージャンスモーーーー? え? 滝ーーーーレン?」
音楽好きの嘉木幡が真っ先に気付いた。『漸く』だったが。
和希は諦めた。
「嘉木幡、嫌、眞角、端田も。『黙ってて』くれ。それから『此処』や『此の辺』には二度と来るな。危ないんだ此の辺は。死にたく無いだろ?」
和希は勿論真顔だった。「問題は『起こして』からじゃ、遅いんだ。」ーーと。
「紹もだ。お前はもっとだ。何で『女の子』達を、連れて来る? 未だ『ホテル』のがよっぽど『健全』だぞ?」と、
和希は真顔でそう言った。
『まじか』………と言ったのは内心紹だけではなかった。
滝は茫然とした。『………………橋本君て……………正直……、《セックス》した事無いのかと思ってた……………』な………………と。
それなら『昨夜してました』とは、和希は言わないで在ろうが。勿論。
『隠そう』とする程、『露見』するモノだ。物事なんて。和希はそう思った。ベニバナは取り敢えず海が『連れて』帰ったので、此れから和希は彼女を『迎え』に行かなければ為らなかった。
寝不足が手伝って倒れそうだった。『何処で滝と話をしようーー』和希は思考を巡らせていた。
『ウチの事務所使います?』と、ひとりが言った。溜息と共に和希が、
「駄目に決まってんでしょ。阿呆なの? 雪谷君ーー」
そう言った。雪谷 智紀は名を呼ばれーー何故だか“悦”んだ。
結局『誰』か分からないままで、滝は紹をーー見たのだった。
✝ ✝ ✝
『瀬野尾』紹はーー『瀬野尾』太一の弟だ。 『社長』の息子だという事だ。
✝ ✝ ✝
「なんだ『音』、居たの。珍しい〜な。」
帰宅した紹はそう言った。
✝ × ✝
「はあ? 馬鹿紹。て、あれ?」
「こんにちは。『音』ちゃんだったよね?」
和希が一緒だった。しかし音は、
「こんにちは…………和希さん。久しぶり。えっと、何でーー『滝』さん?」
そう言ったのだった。
紹が連れて来たのだ。
× × ×
音は美少女だった。滝は固まった。『絋』さんのーー『妹』って事だよなーー似てはいないけどーーと。
セミロングの真っ直ぐな黒髪が、艶めかしく揺れて輝いた。ーー音は『美少女』だった。
『中身』と違って。余り知られていないーー事実だったが。未だ露見させるつもりはなかった。
『秘密』とは時に『便利』なのだ。『駒』としては。
× ✝ ×
「はい、此の部屋『使って』良いよ〜。俺『下』行ってるし。じゃね。」
紹はあっさりと姿を消した。部屋に二人を残して。
× − ×
『紹』って案外『御人好し』なのねーーと妹がーー言った。紹は答えた。
『訳あり』なんだよーーと。
妹は『やっぱりね』ーーと言ったのだった。『で、何やらかしたの?』と問われて、
「ーーちょっと、な。ーー」と。こいつも『阿呆』だなーーと妹はーー思った。
言わないでおいた。言っても『直らない』しと。
音は『仕事』しかしない、賢い女の子だった。
小遣い『次第』なのだ。
夏休みに『女の子』部屋に連れ込んだのが露見して『目玉』喰らってタダ働きしたーー癖に『直って』ないよーーと。
紹は『阿呆』と言うより、軽かった。誰に似たのかーー陽藍が自虐で『俺』に似てんのーー?と音の父にーー聞いていたのを、音は『みた』が、気付かぬ振りをしたのだったーー
否定しきれずに。
余談であるが紹はその件で、その子に振られた。元彼女達と、未だに『遊び友達』の紹は彼女から信用して貰えずに、『本命は私じゃないの?!』 『家に行きたい!』とーー迫られたらしいーー揉め事の嫌いな『紹』はーー親との約束を破って彼女を部屋にあげたのだ。
『覚悟』もーー無い癖に。音はそうーー思った。紹は自分が『何者』かーー知っていた。
中学にあがった年に、両親と太一が『話した』のだ。音は既に、『知って』いたが。
紹の『女遊び』が始まったのは、その頃からだ。其れ成りに『衝撃』だったのだろうーーと、音も思った。
半分はーーショックで。半分はーー『元からの性格』のようだーーとは、後から気付いた。
『好きな子』がーー出来た時に。好きな子と『つき合い』始めたーー時に。大切な『相手』を『危険』に巻き込まない『様』に、自分達が『何』なのかーー
『知る』必要がーー「在る」ーーのだと。
『エネルギーコントロール』が『未熟』な紹は、伝えるしかなかった。『危険』だからと。『危険』を『巻き起こさない』様、『訓練』されたーー事は、音も知っていた。『見ていた』からだ。
音はゆっくりと『成長』させて『もらえた』が、“兄”は違ったのだ。
一度だけだが、あの『紹』がーー泣いているのをーー音はーーみた。誰にも言えずに言わなかった。仲良し『海』にすらーー
海と音は同い年の『いとこ』なのだ。偶に双子扱いだった。
音は今、女子高へ通っている。理由は制服だった。
本当は海と一緒でも良かった。が、三年に『紹』がーーいた。躊躇ったのは、その為も在ったろうとーー認めていた。
× × ×
リビングで無言の紹は、正直何を考えているのかーー分かりづらかった。
✝ ✝ ✝
「社長宅って正直『何年振り』だろ。」
滝が言った。和希は、
「俺は初めてだね。」と応えた。
✝ ✝ ✝
「あ〜だよね〜…………」
「滝君。『話』をーーしよう。いい?」
促したのは和希だった。
✝ × ✝
「ベニバナさんーー『姫』の『両親』とは、前から『知り合い』なんだーー」
「ーーーーーー。なんで?」
「『迷子』だよ。」 「は?」
「『異世界』迷子。『俺』も『昔』、やらかしたんだよ。ーーーー」
その日和希は、珍しくも『友』と喧嘩したのだ。ガチ切れだった。
子供の喧嘩の様に、掴み合い殴り合った。馬鹿みたいに。
ーー馬鹿だった。友を『殴り付けた』和希は、気付くと『知らない場所』にーーいたのだった。
『ハナ』王国の『ど真ん中』ーーだった。
広大な『畑』の中でーー立ち尽くしたのだ。
× × ×
「ーーえ? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、っ、で?」
「ん? そ〜ね。『森』に迷い込んで。」 「は?!」 「『獣』にーーーー」
「っ、ーーーーー」
「うん、勝ちました。」
どちゃっ。……………………………………………………………………………………………………………………、、、、、、、……………
「大丈夫?」
身を乗り出して心配した滝は、思わずな答えにその場に倒れた。
ーーーーーー、何とかーーーー起きた。
「あっつーーーーー、つうかさ。『友』と『本気喧嘩』って。」
「ははは」
「はははじゃあーーーーないだろうよーーーーなにしてんの。…………………」
「や、〜だね〜。友手加減知らんから、殺されるかと。はは。あ〜愉しかった。」
「!!っ、はあ?!?」
橋本 和希は、『可怪し』かった。
因みに和希の『その後』の説明にーー依ると。
ブラックベリー王、当時は未だ『王』では無く『武人』だった。或る部隊の隊長だったブラックベリーは、街道にて『獣』に遭遇したーー『部下』を逃そうと対峙し、『森』へと走り出すしか無い失態をおかしてしまった。
その『森』で和希に救けられたのだ。ブラックベリーは言おうとした。『和希』は『私』のーー
あの言葉の先は『恩人』だった。
滝は『ん?』とーー感じた。変だと。
「計算『合わない』よな?」と。和希は事も無げに『ああ』と言った。
「『浦島太郎』だよ。」ーーと。は?と滝は返した。
《時》の《流れ》がーー《異なる》のだ。『星』の『大きさ』すら、違うのだからーー全て『同じ』訳はーー無いのだ。本来『星転移動』等ーー「有り得ない」ーー現象なのだから。
滝はぽかんとした。
「えーーーーーだってさ。俺達『行き来』したーーよね?」
「したね。」
「いや、ーーだったらーー」
「あれ本当は『難しい』んだよ。俺も『無難ルート』通るもん。バラけたくないし。」
「神様『連中』だって『失敗』すれば『例外』じゃ無いんだ。ルート使わないで『往復』出来る『紺』が『異常』だと思って。」
『紺』は『自力』で『此の星』迄ーー来た。『嗅覚』を頼りに。紺は未だ『若い』だけで、とんでもない『力量』なのだ。
『紺』は『友』に匹敵するかもーー和希は不意に、そう思っていた。ぽつりと言った。「友の奴ーー《元気》かなーー」と。
滝には《聴こえ》なかったーー『友』が『何ーー?』聞き返そうとした滝が、口を開き掛けた時にーー
『♪♬♫♪♫』 「うわあっ、」 「あ、ごめん『音』出てたーーって『タイムリー』。『視え』てんのか? 彼奴………………………“トンッ”『はいは〜い』」
『おう、マイ・ハニー。元気〜?』
「ふざけんな馬鹿友。御前とは『添い遂げ』無え。」 「!??」
「やだ『ダーリン』てば。」 「は?」
「は〜い『和希』君。愛してるよハニー。マイスイートラブ。うふ。」
「ーー殺すぞ友。何で居るんだ? 真性ブラコンめ。此の『ど変態』。元気そうだな。」
友は『紹』の部屋の中に、いたのだ。『いつの間にーー』滝には解らなかった。
「おい変態。間違った『友』。おまえさー『ひとの携帯』イジるなよ。」
和希はそう言った。「ダーリン、間違った『和希』君ーーさ、ひどくね?」
「何がだ?」
「着信音が、『龍兄』。」
「は?」
「悠太『ちゃん』にして?」
「つか『友』、『不法侵入』じゃね?君はさ。」
「大丈夫よ、あたし。此処は『叔父』さんの『家』なの。『我が家』よ、我が家。」
「友、そろそろ『馬鹿』っぽい。」
「あ、うん。俺も思った。」
「正直、流石に『ドア』位『開けて』入って来ると、思ったわ。」
「はははは」
「相変わらず友は『阿呆』だな〜おじさんに叱られ無ーの?」
「大丈夫だよ、和希君。ところで『手伝って』くれな?」
「………………………………………………」
「………………………………………………返事しろよハニー。」
「それ引っ張んのか………………ダーリンよ。」
『おう』と言った友に、『…………眠い』と返した和希。友が『昨夜何かしてたのか?』と言って来たので、ヤケクソで『……………………セックス。』と言ってから欠伸をした。『成る程』ーーと言った友が、
「昨夜のダーリン、凄かったの『忘れて』たわ。ごめんねハニー」と言ったので、
『……………どっち?』と滝が苦そうに聞いたのだった。友は応えなかった。『ん?』と。




