35話 お風呂
投稿したつもりで出来ていませんでした。遅くなり失礼しました。
依頼用の掲示板を覗くとなかなか多くの依頼が乗っていた。
この時間でも全部がはけたりしないようだ。
ただ依頼をよく見てみると遠くの村まで行くものだったり、森の奥のほうへ行く必要のある依頼だったりと簡単ではないものが残っているようだ。楽して金になる依頼は朝の争奪戦で持っていかれるのだろう。
他の人がやらないような強い魔物を相手にしてさくっと大金が稼げるのが理想だな。
以前倒したことのあるBランクのブラッディタイガーを倒す依頼があった。ただし森の奥なので難易度が高いと想定されているみたいだ。また目的は皮なのできれいなまま倒すようにというアホみたいな条件がついていた。Bランク6人で倒す魔物をなるべく傷つけずにとは・・・。代わりといっては何だが金貨10枚出すらしい。前の奴よりかなり高いぞ。
相手が分かってるほうがやりやすいしこれにしようかな?とりあえず依頼を受けて、明日出発することにした。
家に戻るとリディたちは仕事を始めていた。もう買出しも済ませたようだ。洋服も奴隷用のローブみたいなのから安そうな仕事着に変わっている。むう、けちったな!色気がないじゃないか!・・・えろい店じゃないんだから当たり前ですね、はい。
「おかえりなさいませ」
「ご苦労様。買出しは問題なかった?」
「はい、問題ございませんでした」
ちらっとアイラを見ると困ったような顔をしている。こりゃなんかあったな。
「アイラ?」
「奴隷しかいなかったせいだと思うのですが、大分下に見られましたね。なのでかなりぼったくりの値段を提示してくるお店もありました」
あちゃーそれは失敗したな。
「アイラ様!」
まあまあと手で示しながらアイラは続ける。
「お手数ですが買出し担当の子といっしょに一度買い物に言っていただけますか?そうすれば向こうも変なことを考えないでしょうし」
「リディ?」
「お、お許しください!他意はないのです!ご主人様にご面倒をおかけしたくなかっただけなのです!」
リディはがたがたと震え、必死に頭を下げてくる。
やばいぞこれは!優しいご主人様を目指してたのに入り口からつまずいてる!?
ザウルの時に脅かしすぎたようだ。失敗失敗。
「あーリディ。怒らないから落ち着いてくれ。その、えっと・・・ど、どうしようアイラ!?」
「リディさん大丈夫ですから落ち着いてください。ご主人様は面倒事ぐらいじゃ怒りませんから安心してください。どちらかと言えば自分から頭を突っ込んでいく方ですし」
それってフォローなのかな!?
「ザウルさんはご主人様のためといいながらも、自分の都合でご主人様の主義に喧嘩を売ったから怒られたのです。ご主人様を買出しに連れて行くぐらいじゃ怒りませんよ」
「えっと、本当に・・・その?」
「あ、うんうん。怒らない怒らない。気にしないでどんどん頼ってくれていいよ!そもそも君たちを買ったのは、俺たちに出来ないことをやって欲しかったからであって威張りたいとかそういうわけじゃないからね。だから、その・・・なるべく普通に接してくれると嬉しいんだけど・・・」
身振り手振りを交えてなんとか怯えられない様にと話をする。
「わかりました。なるべく、頑張りますね」
俺の気持ちが伝わったのかくすっと笑ってそう言ってくれた。よかったよかった。
いつのまにか戻ってきていたオリヴィアも後ろでくすくす笑っていた。なんとか窮地を脱したようだ。恐怖スキルに頼るのも良し悪しだな。気をつけよう・・・。
夜ご飯はあらかじめ伝えて皆で食べた。もしかしたら気が休まらなくて迷惑かも知れないけど大きな食堂で二人とか三人で食べるのも寂しいものがある。主人と一緒に食べるなんて!と固持する人はアイラが説得してくれた。
ザウルはその時に謝罪に来たが、目に浮かんでいるのは反省ではなく俺への恐怖だけだった。やはり迂闊な行動だったようだ。溝が深くなりすぎないうちに一度話し合う必要があるだろう。
夕食が終われば念願のお風呂の時間だ。元貴族の屋敷だけあってなかなか広いお風呂場だ。個人宅の風呂というより銭湯を思い浮かべて貰えるといいだろう。一般庶民では風呂に入ることすらないというのに贅沢の限りだ。
一人で地道に水魔法で生み出してもいいのだが、時間がかかりそうなのでアイラとオリヴィアにも頼んで水を出してもらった。一番でかい湯船は3人がかりで出して15分ほどかかった。もっと大量の水を出せるようになれば時間の短縮になるだろう。あんがいいいレベル上げかも知れないな。
「なかなか時間がかかりますけど、毎日この作業をするんですか?」
「いや、この湯船を使うのはたまにだな。めんどくさいし」
「ご主人様を働かせてしまって申し訳ございません。奴隷たちで準備できればいいのですが、ご主人様たちみたいに大量の水を生み出すのは無理です・・・。と言いますか貴重な魔法をお湯張るのなんかに使ってよろしかったのですか?」
「リディ」
「は、はい!」
「君はお風呂に入った経験は?」
「え、その、あ、ありません!」
「そうか、入れば分かるよ。この素晴らしさがね」
「え?」
さてさて、ボディーソープがないとか、シャンプーがないとか不満点がないわけではないけど早速お風呂にしよう。というわけで風呂場に全員集合させた。
「はい、ではこれからお風呂の入り方を説明します」
「???」
「あの、ご主人様たちがお入りになるのでは?」
「え、俺たちも入るけど君たちも全員入ってもらうよ?」
「お風呂に入らせてもらえるんですか!?それは月に、いえ、年に何回ですか!?」
おおう、女性陣の食いつきがすげえ。
「えっと、毎日の予定です」
「ほ、本当ですか!?お風呂は貴族様や大金持ち専用の娯楽なのに?」
「はい。具合の悪い人以外は毎日入ってください」
「お、俺も入れてもらえるんですか?」
「獣人の私たちも?」
「うん、皆だよ」
ザウルや、獣人の男女も大喜びだ。喜びすぎて、おお、神よとか言って祈りを捧げ始めた気がするけど無視しよう。
「とりあえずここにたくさんお湯を汲んで置くから、ここから頭とか体にかけて一通りの汚れを落としてくれ。もったいないとか言って惜しむと湯船のほうが汚れるからケチらずに使ってね」
皆真剣な顔で聞いてる。そんな対したことはしゃべらないので恥ずかしい。
「一通り流してから今日はこっちの小さい湯船に一度入って汚れを完璧に落とす。そのあと大きい湯船に入っていいよ。小さいほうは魔法の使える人が順次入れ替えてね」
大きい湯船が汚れると後が大変そうなのでこれでいいだろう。
「とりあえず女性は長そうだから男が先に入るね。盛り上がってるところ申し訳ないけどちょっとだけ待ってて」
「はい!お待ちしています!」
なんか予想以上に嬉しそうだ。あこがれの娯楽とかだったのかな・・・。
という訳でザウルとセルブロ(獣人の男)と一緒に風呂に入った。
二人は奴隷が主人と~っていう定型文を言っていたけど、あの状態の女の子を待たせると後で苦労するぞ?と脅したら諦めて素直に入った。
お湯を体にかけただけで暖かい!とか言って大騒ぎだった。二人とも奴隷になる前はせいぜい温かいお湯で濡らしたタオルで体を拭くのが限界だったようだ。
いよいよお風呂に入るとやはり小さい湯船のほうは油や汚れですごかった。
二人は申し訳なさそうにしていたが、これが当たり前だから気にするなといってお湯を替えてやった。
最初ということで俺も手間取ったが、なんとか大きい湯船のほうにも浸かれた。二人ともすごく喜んでくれてよかった。
裸の付き合いということでザウルの考え方も少しはましになってくれると嬉しいな。
女の子達も無事にお風呂に浸かれた様だ。至福でしたと大喜びだった。ただ全員がでてきたのが2時間後だったので、なんというか・・・女の子のお風呂は長いね!




