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31話 新たな目的

あれから俺たちはワープを使ってダンジョンを脱出した。オリヴィアがコアを持って。

つまり俺たちが出たあとはダンジョンの機能が停止するってことだ。ワープも新たな魔物のポップもないので、すぐに廃れる事だろう。まあ迷惑だとは思わないでもないが人間族に対する思いがすでにないので、正直・・・どうでもいい。個々人には申し訳なさがあるけど。


さっさとこの町を出たいところではあるけれど、まだオークションで出るはずの差額を全部受け取っていない。放棄して出発するのも怪しまれそうだし、どうしたものかなあ。

ギルマスに相談だな。




「他の町でも受け取れる?」


「ああ、帝都からこちらに送金するのを場所を変えるだけだから別に問題ないよ。ただあんまり辺鄙なところだと困るけど・・・」


うーん。特に行く先考えてなかったんだよね。帝都は無しだし、どこか行きたい所があるわけでもない。


「(魔族ってどっちに逃げる予定だったんだ?)」


「(ええと、一応ドラゴンがいる領域のほうへ逃げる予定でした)」


「ドラゴンの出現場所に近い町とかってあります?直近じゃなくていいんですけど」


「ドラゴンかい?ついに君も目指せドラゴンスレイヤーか」


「ええ、そんなもんです」


「そうだなぁ、君が前にいたって言うペルラの町を通り過ぎて半月ほどかな?進むとユシュンという町がある。そこは冒険者のレベルも高くAランクが何人もいるんだ。もちろんその分近隣の魔物にも強いものが多くてね。そこからしばらく進むとドラゴンがまだ生息しているとされる竜の山さ」


「ほーそんなところが。そこのドラゴンは強いから生き残っているんですか?」


「ドラゴンが住んでるのは確実らしいんだ。目撃証言もあるしね。ただ場所が悪くてね、断崖絶壁がほとんどを占めていて、空を飛べない人間じゃまともに戦うこと自体が難しいそうだ」


「じゃあそっちのほうへ行ってみます。お金をユシュンの町に届けてもらえますか?」


「手配しておくよ。ユシュンはここより帝都に近いぐらいだからね。ここにいるより早く受け取れるはずさ」


「ありがとうございます。お世話になりました」


「いやいや、こちらこそ君のおかげでこの町のギルドもまだまだやっていけそうだよ。ありがとうね」


ははは。もうつぶれてるんだけどな・・・。すごい罪悪感。


俺たちは宿に一泊してから町を出ることにした。予定より早く移動を開始できるとはいえ、さすがに夜に町を出るのは怪しすぎる。


オリヴィアと旅路について話していると問題が一つ発覚した。俺たちのスピードにとてもじゃないけどついてこれないことだ。身体能力的には一般的な大人の兵士程度はある(それもそれで変なことだが)が、俺たちとはとてもじゃないが比べ物にならない。オリヴィアの足にあわせて移動するとなると一月程度かかってしまうだろう。移動用の馬でも買うべきだろうか・・・。馬車は正直勘弁してもらいたい。お尻が痛いと聞くし、余計な箱をつければ足が遅くなるだけだ。


「ありあまるMPで身体強化をかけ続けるというのはいかがです?」


「えっと・・・教えていただいたMPが本当なのでしたらできないことはないとは思いますが」


「とりあえず馬を見てみてからかな?馬乗れるよね?」


「ええ、一応乗れますけど。あんまり早くは走らせられません」


「まあ、お姫様だもんね。その辺は慣れればいけるよね?」


オリヴィアがこっちを見たまま汗をかいている。変なの!




翌日、宿屋のおじさんに馬を扱っているところを聞き、そこに向かった。

ただ、あんまり大きくはやってないから売ってくれないかも知れんぞ、という嬉しくないアドバイスつきだった。


向かったところは馬を売るところというよりは馬具屋だった。

そして今は馬の取り扱いはないとのこと。需要があったら仕入れる程度で常駐はしてないらしい。なんてことだ。


「しょうがないね。頑張って走って!」


「ええと、その・・・はい」


というわけで走っていくことになった。町からでるため門に移動しているとギルドのほうが騒がしかった。ワープできないことが広まったんだろう。追求されない内に脱出しよう。



門番にとめられることもなく町を出れた。ギルドマスターなんかには怪しまれただろうなぁ。一応言い訳は考えてある。なんせ双龍のパーティーがもぐったままなのだ。あいつらに責任を押し付ければいいだろう。そんな時にCランクに責任求められても知らないよね!



俺たちは3割ぐらいの力で走ってるが、オリヴィアはかなり本気だ。もちろん魔力で身体強化をしている。脚力的にはそれでいいが、スタミナが追いつかないようだ。スタミナはどこを参照しているんだろう。HPかな?走り続けること30分ほど、オリヴィアは限界のようだ。


「休憩しようか」


大きな木のそばでずざざざーと足を止める。


「はーはーはー、ぜーはー、ぜーぜー」


粘りすぎたようだ。返事をする元気もないらしい。


「オリヴィア、苦しいだろうけど立ち止まらないほうがいいよ。軽く動いて」


「む、む、む、ぜーはー」


「あー苦しいのは分かるけど、完全に止まっちゃうと次が動けなくなるよ。歩いて歩いて」


泣きそうな目で恨めしそうに見られたけど、しょうがないじゃないか・・・。


15分ほど休憩に使って、やっとオリヴィアも回復したようだ。


「これを後何回繰り返すんですか?」


「さあ・・・?俺たち二人のときはさっきの3倍ぐらいの速度で10時間ぐらい走ってたからな」


「うっ、うそですよね?」


「残念ながら本当です。ご主人様はあまり観光などもされないので町は全部スルーですし」


オリヴィアが死にそうな顔をしている。やっぱり乗り物がないとだめかな。


「ふむ。どっかで魔物でも捕獲して騎乗用にできないかね」


「そんなこと可能なんですか?」


「さあ?ただそれらしいのは町にもいたからできるんじゃないかと」


「それらしいって宿屋にいた鹿ですか?あれ魔物なんですか?」


「そうそう、あいつは一応魔物だよ」


「知りませんでした・・・。荷馬の代わりにしては鹿なんて変だなとは思いましたが・・・」


「一応魔物だからね、下手な馬よりは力も強いし戦闘力もあると思うぞ」


「人間は我々だけじゃなくて魔物すら支配下においているんですね・・・」


そう考えると魔物をテイムするのって新しいのかな?前からできてたなら戦争とかでも使ってそうだもんな。


その後はさっきよりペースを落として移動を開始した。その日は村を二つ越え、三つ目の村で宿泊することになった。

獣人がいるということで一度は泊まるのに難色を示されたが、町の困りごとを解決するからというと、大喜びでとめてくれることになった。現金だな。


村長の話によると近くにお決まりのボアがでてきて困っているとのこと。以前は近くの森から出てくることはなかったのだけど、最近になって出てくるようになったそうだ。畑の野菜の味でも占めたのかね。税金の関係上畑を荒らされるのは死に直結するので本気で困っていたと。ただ町に依頼を出そうにもその金がないらしい。


翌朝、討伐のために荒らされた畑から森のほうに移動すると探すまでもなく向こうからやってきた。朝ご飯を食べに畑に移動中だったかな?アイラがさくっと首を落として終わったが、こいつが森から出てくるようになった原因を探すことにした。でかい奴だと(乗り物的な意味で)いいな。


しばらく気配を探って移動してみるとボアがたくさん引っかかった。3家族ぐらいいたよ。

単純に数が増えただけか?


そいつらを無視して移動していくと、奥のほうにいた。でっかいオーク(・・・)が。

お呼びじゃねー。こいつのせいで群れごと移動したのか?


人間が使っていたと思われる鉄のハンマーと盾を持ち、人間の防具を身に着けていた。ただサイズが合ってないのでほとんど意味がないが。無理やりくっつけているだけだ。どこかで人間と戦い装備を奪うも、追い立てられてこちらに来た、とかかな。名前はオークファイターで普通のオークよりは強いようだ。弱い冒険者なら普通に食われそうだな。


こちらを見るなりぐうぉおおおおおおおおと雄たけびを上げて突っ込んできたが、アイラに首をはねられて終わる。アイラに首狩りの称号でもつかないかなーって言ったら殴られた。主人を殴るなんてひどい!



村長にボアとオークの死体を渡して、こいつが原因っぽいのでこの先は大丈夫だろうということを話した。死体はなんかの足しにしてくれというと神様かというぐらい大仰に拝まれる。倒したのは俺じゃなくてアイラだと告げると昨日の無礼を詫びてくれた。一時的なことだとしてもちょっとすっきり。


さて、今日も移動を頑張りますか。


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