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15話 奴隷

「かりゅ・・・」

言いかけたところですごい驚いた顔をされた。

はっとして口をつぐんだが店主には不審な目で見られてしまった。


たぶん変身というスキルで見た目をごまかしてるんだろう。

それと買われたくないのでスキルで印象を操作していたようだ。

それで不自然な嫌悪感を抱いたらしい。


能力の方だが才能がとてもすばらしい。自分以外でSランクは始めてみた。

他もほぼAだし将来はかなり強くなるだろう。

魔法の適正も一部アレだがかなり高い。竜眼というスキルも気になる。

これはお買い得ですな。っていうかゲーム脳がレアだ!ゲットだ!と叫んでいる。

いろいろな謎やら不明点なんかは本人に聞けばいいだろう。


「この娘にします」


「え、本当に買っていただけるんですか?」


「ええ、お願いします。服はローブかなんかないですか?」


うすい服を着ているだけだからこのまま外に出るといろいろ見えてしまいそうだ。


「ございます。少々お待ちください」


ローブに着替えてでてきた。ひとまずこれでいいだろう。


買われることがショックなのかすっごい涙目になっている。

ちょっと可愛いとか思ってしまった。


銀貨50枚を払い契約をする。

首輪が強力な拘束具なのでそこの中心に主人の血をたらすそうだ。


店主のおじさんに言われたとおり血を首輪につける。自分の指を切るのにしばし時間を要した。

傷はすぐに魔法で治す。痛いのはいやだからね!


店主がその部分にふれながら何らかの詠唱をする。


「・・・ ・・・・・・ 契約」

鑑定した結果、闇魔法のようだ。小声過ぎて詠唱は分からないけどすることが分かればまねできるかな?


「はい、これで完了です」


「ありがとうございます」


「あの、大事にしてやってください。よろしくお願いします。」


驚いた。見た目で悪徳商人だと思ってたから以外だ。

最初ぼったくりの値段を出してきたし・・・。


「はい、もちろん」


ちなみにこの娘の鑑定価格は白金貨3枚だ。

ぼったくろうとしたんだから知らん知らん。






「それで、アイラ・・・ちゃん?さん?変身解いてもらえる?」


自分の部屋に入り鍵を閉めてからの俺の第一声だ。

涙目でにらんでいたが、やがて諦めたのか犬獣人の姿がぶれていき角の生えた美人さんに変わった。



あ、いろいろ隠したい話をする都合上結界を張っている。

この結果いはいつものと違って中の音を外に漏らさなくする奴だ。

遮音結界と言えばいいかな?思いつきでやったらできた物だ。

この結界便利なのだが大きすぎる音は通してしまう。

怒鳴り声なんかは隠せない。たぶん結界の干渉力が足らないんだろう。




現れた女性?少女?はまあ一言で言えば美人だった。

エメラルド色の長い髪、先端がほんのり赤く他は黒く輝く角。

エルフ耳に、赤のような黄色のような不思議な輝きを放っている瞳。

単語にしてみるとまるっきりリアリティのない感じだが、それが違和感なく存在している。


「奴隷何だから呼び捨てでいいわ。なぜ、わかったの?」


「そうか?俺にはアイラの種族とかもってるスキルが見えてる。だから変身してたことも、印象操作してたのも、火竜人族だというのも見えてた。」


「そう、すべてばれてると言うわけね。それで私をどうするの?

高値で売る?それとも殺して売る?」


「え、なんで?」


あれ?なんか敵意がすごい。キッとにらまれている。


「だって自分で言うのも何だけど私たちの種族は貴重よ?あなた達人間に滅ぼされたせいでほとんど残ってないからね!好事家や軍人なら高値で買ってくれるんじゃないかしら」


ふむ。なんせ白金貨3枚だしね。


「とりあえずアイラにも秘密があるように俺にもあるんだ。それを聞いてからこちらに敵意を向けるか決めてくれないか?」


「?」


「まず俺はこの世界の人間じゃない。あ、竜眼で審議判定してね。」


あ、竜眼は嘘や隠し事を見破ると言う能力だ。この子の前で虚偽は通用しない。


「!? わ、わかったわ」


「だからこの世界の歴史はほとんど知らないんだ。ついでにこの世界に来てから一週間とちょっとだ」


手で口を隠して驚いている。驚き方にも品があるね。


「だからアイラを買った理由はこの世界の常識ことが知りたかったのと、

珍しそうだったからだね」


あ、言ってて本来の料理と言う目的を忘れてたのを思い出した。まあいいか


「あとはそうだな、できれば一緒に戦ってくれるとうれしいけど、無理なら大丈夫だよ。

もし料理ができたらベスト!」


「えっと・・・それだけ?」


「? うん」


「うそよ!そんなはずないわ!竜人族であることを抜いたとしてもモンスター相手の囮に使ったり、重労働させられたり、昼夜問わずえろいことさせられるって奴隷仲間みんなが言ってたもの!!!」


なんていうかテンプレだな。


「あー俺の世界にはもう奴隷はいないんだ。だからこの世界の奴隷に対する接し方とは違うかな。俺には女の子にひどいことして喜ぶ趣味はないしね」


「ふぐっ・・・うぐ・・・うわーん」


え!?


・・・泣き始めてしまった。

竜眼で見てたから嘘をついてないのが分かったんだろう。

俺のことを信じて安心してくれたのはいいのだが・・・ど、どうしよう。


俺は・・・軽く抱きしめてあげ、胸を貸してあげる。





うそだ。そんなイケメン行動取れるわけない。そんなことできたら苦労しないわ!

向こうから突っ込んできて、勝手に俺の胸で泣いているだけだ。

俺?俺はあわあわしてる。突き放すこともできないし抱きかかえることもできない。

と、とりあえず早く泣き止んでくれないかな!?



結局彼女はしばらく泣いていた。


「ぐすっ。ごめんなさい」


「い、いや、いいよ。緊張してたんだろうしね」


「奴隷を、特に女の子の奴隷を買う奴は皆くず野郎に違いないって奴隷仲間で話してたの。中には家族がそういうのに買われた子もいて・・・。怖くてしょうがなかったの」


「まーこの世界の奴隷になった獣人は、あんまりいい目にはあってなさそうだもんね」


「うん・・・。今まではその印象操作?よくわからないけど、私のこと嫌いになれって思ってたら皆買わないで去っていったから大丈夫だと思ってたのに・・・」


「ごめんね」


「ううん、いいわ。どうせいつかは買われる運命だったもの。助けも期待できなかったし・・・。あなたは嘘はついてなかった。それで十分よ」


「そういってくれると助かるよ」


味方にするつもりで買ったと敵対とか勘弁して欲しいからね。


「それで君の事情を聞いてもいいかな?」


「いいけど、よくある話よ。竜人は竜の因子と子どもが生まれにくい関係で貴重なの。それを狙った人間に村を襲撃されたってわけ」


やっぱそういう感じかぁ。

ううむ、物語でもいらっとするのに現実に見たら切れて皆殺しにしてしまいそうだ・・・。


「私はお母さんが何とか逃がしてくれたけど逃げた先で行き倒れしそうになって、そこをさっきの奴隷商に捕まったの。竜人だとばれてはいけないと教わってたから姿は犬獣人に変えていたわ」


「竜人は皆奴隷になるのか?それならいずれ見つけられるかもしれないけど・・・」


「いえ、おんなどもはそうかもしれないけど、男は殺されるわ。竜の因子を取り出して武器にするそうよ」


「あ?人間を武器の素材にしているのか?」


「ひっ」


あ、やばい。


「すまない。思わずスキルが・・・」


しまったな。この子にあたるなんて筋違いもいい所だ。真っ青になっちゃったよ・・・。


「い、今のはあなたのスキルなの?」


「うん、恐怖ってスキルなんだ。威嚇用だね」


「殺されると思ったわ・・・」


「ごめん」


「いいわ、人族の行いに怒りを覚えてくれる人でよかった」


地球にいた時と違ってカチンと来るとスキルが暴発しかねない。

関係ない人にばら撒かないように注意せねば。

意図していれば相手を大体選べるのだが、暴発した場合は無差別だ。

万が一街中でかました日には大惨事だな。そんなことしたらまた隊長に怒られちゃうよ。


「もし、君に近しい人が売りに出てたら引き取れるように努力するよ」


「ありがとう。その言葉だけでもうれしいわ。でもよっぽどの資金がないと無理よ?」


「だよねぇ。それは今後の努力と言うことで・・・」


「わかったわ。それに見合う分ぐらい私も頑張る!」


お金・・・たくさん稼がないとなぁ。

俺の事情も説明しておいたが、そのすべてに驚いているようだった。

俺が逆の立場だったら絶対信じないようなことばかりだもんな。

それとやっぱり鑑定は聞いたことがないらしい。貰っておいてよかった。

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