14話 世界の常識
今日は昨日に比べて大分ゆっくりの目覚めとなった。
というのも結界の特訓をしていたのだ。まず酒場に結界を張り、部屋に戻る。
そして部屋から結界の中にいる人間の動きをしっかり把握する、というのをしていた。
うん。言っていて思ったが変態だな。つかまってもいいレベルだ。
やばい・・・特訓だとしか思ってなかったし、たくさんの情報を処理することに夢中だったからまったく気にしてなかったが今考えるとすごいまずいことしてた気がする。
まあいいや誰にもばれないだろうし、裸を覗き見たわけじゃないしな!
昨日の特訓では『高速思考Lv1』を得ている。これで10人ぐらいなら同時に動きが把握できる。戦闘にどの程度堪えるかは分からないが、ひとまず困らないだろう。
とりあえず今日はクエストはお休みにしてこの世界の常識が知りたいな。
おかみさんに図書館でもないか聞いてみよう。
「おかみさん、この街に図書館ってありませんか?」
「なに言ってるんだい。図書館なんて金のかかるもの帝都ぐらいだよ」
やっぱりそうだよね。うーん。困った入り口でつまずいてしまった。
情報収集といえば誰かに聞くか、本でも読むかしかないよなぁ。
街をぶらぶらしてみるか。
おかみさんに礼を言い宿を出る。
市場のほうへ歩きながらどんな店があるのか、どんな人が働いてるのかを一つ一つ確認してまわる。
図書館こそなかったものの必要なものは大体手に入るようだった。
大きな街だからか料理を出すお店も意外と多い。
旅用品ばかりを売っているお店もあった。野営する道具は欲しいから今度買おう。
ぶらぶらしている中で目に付いたのは首輪のついた奴隷達だった。
一度目に付いてしまうとやはり気になってしまう。
それと人間の奴隷は少なめで大半が獣人だった。
ローブのような頭を隠す服を着ているので鑑定するまで分からなかったが、
よくよく見てみるとその多くが犬やら猫の獣人のようだ。
獣人と人間で戦争でもしてるのかもしれない。もしくは迫害だろうか。
ファンタジー種族に合えた喜びも彼らの沈んだ顔を見てしまっては
台無しだった。
この辺の事情が知りたいな・・・。そういえば冒険者ギルドには人間しかいなかった。
人間の町だからってこともあるんだろうけど、仲良く共存している可能性は薄そうだ。
うーん、迫害の元といえば信仰関連かな?もしくは選民思想?
その辺の話が聞けそうなところというと・・・教会かな?
神父さんに話でも聞いてみよう。
神殿はかなりの大きさだからすぐに見つけられた。
神父さんのいない田舎の村に住んでおり神様のことをあまり知らない、神様のことが知りたいというと、神父さんは快く話をしてくれた。
「神はまず人間をおつくりになられました」
この一文から始まったお説教はなかなかながかった。まあ細かい内容はテンプレなのでカット。
要約するとこの世界には人間、獣人、エルフ、ドワーフ、魔族などの人族がいて世界の覇権を争っている。人間こそが優秀な上位者なのに、歯向かうおろかな他種族のせいで争いが終わらない。
地を穢す魔族、魔物に対抗するためにも人間による支配こそが必要なのだ!
ということらしい。
2時間ぐらいひたすら人間はすばらしい、他種族はおろかという話を聞かされたよ。
聞いといてなんだが話がくだらない上に長い!
この神父様の厄介なところは割りと本気でそう思ってるようだ。見ている世界の狭さに驚くばかりだ。
しかも人間が優秀でという割りにその根拠は適当だった。
いや、彼らの世界からすれば適当ではないのかもしれないが、外から来た人間からすると胡散臭いものに感じられた。
先に生まれたのが人間だからとか、人間が雛形だからとか、獣との混ざり物だから獣人はとか・・・。
まあ自分たちに都合の良い話だけって感じだった。
また長い話の中で奴隷の話も聞けた。人間は増えすぎた他種族に押されて、支配領域が300年ぐらい前にはかなり減ってしまったそうだ。しかし神の恩寵(笑)たる神秘の戒め(奴隷の首輪)が発見されたおかげで今では一番強い種族になったとのこと。
他種族を捕まえては労働、生産、戦争などなど使いつぶしているらしい。
人間に仕えられる彼らは幸せだね!ってことらしい。
うん。いろんな意味で頭が痛い。
とりあえず神父様に礼を言い、お布施をして教会を出た。
ちょうどお昼の時間だったため、屋台で串焼きみたいなものを買い、食べながら気持ちを落ち着ける。
もうちょっとやわらかい宗教の世界が良かったよ神様・・・。
イベントごと以外は宗教に関わってこなかった身としては重過ぎる。
俺が転移する時に会った神様がこんな宗教を作るとは思えないよな。
最後のセリフが悪の道に走らないで欲しいだったしな。
まあ地球と同じく人間の暴走かな?困ったものだ。
世界を救うなんて大それたことはできないし、困った人がいたら助けるぐらいかな。
情報収集という意味では人間以外の種族の奴隷を買うのもありかもしれない。
ただ情報が得られるかわりに人間が嫌いになりそうだ・・・。
また俺の事情とステータスをおいそれとは話せないことから考えてもパーティメンバーが一人ぐらいは欲しいな。あと料理のため・・・。
という訳でやってきました奴隷商館。
出迎えてくれたのは店主だというかなり太った男性。儲かってんのかな。
「いらっしゃいませ。本日はどんな御用でしょうか?」
「料理ができる奴隷を見せてもらいたいんですけど」
「かしこまりました。種族にこだわりはございますか?」
「いえ、ありません。高い奴隷だとおいくらぐらいですか?」
「うちの店で一番高い奴隷は金貨80枚ほどになります」
え!? たっか・・・。
「あのすいません、金貨3枚以下でお願いします・・・」
「ははは、かしこまりました。こちらでしばしお待ちください」
目に見えて焦ったのがおかしかったのか笑われてしまった。
案内されたソファー(ふかふかだった)でしばしまっていると女性が5人入ってくる。
全員を鑑定してみるが特に面白そうなスキルはなかった。
しかも値段を聞けば、
「こちらのものたちは金貨3枚です」
というが相場は銀貨30枚となってた。なめられすぎじゃなかろうか。
3回ぐらいチェンジを繰り返したが特に気になる娘がいない。
だんだん値段が下がってきて銀貨50枚を提示された奴隷の中にすごいのがいた。
最初は普通だった。特に何もない。しかしだんだん嫌悪感が生じてくる。
特に何かあるようには見えないのだが、嫌悪感が湧き上がってくる。
この不自然さは状態異常を受けている感じがする。
「この娘は?」
「ああ、お客様も感じられましたか?犬の獣人で見た目が悪いな点を除けば悪くないと私は思うのですが・・・。何かが気に障ってしまうらしく、いろんなお客様に嫌われてしまって・・・」
「そうなんですか」
「はい、私は特に感じないので不思議なのですが・・・」
それが分かっていて出してくるということは帰れってことなのかもしれない。
しかしそんなことより鑑定結果に夢中だった。
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アイラ ヴォルファーレン 13歳 女 火竜人族
レベル:3 経験値:7/25
HP :163/172 才能:S
MP :65/88 才能:A
力 :184 才能:S
知力 :68 才能:A
素早さ:63 才能:A
器用さ:42 才能:B
運 :31 才能:C
魔法
火魔法Lv2
魔法適正
火 :A
水 :D
風 :B
土 :B
光 :B
闇 :-
時 :-
空間:B
スキル 変身 魔力感知 竜眼
身体操作Lv1 魔力操作Lv2 身体強化Lv1
印象操作Lv3
称号
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なんだこれ!?




