四話 三日目
死者の足音が聞こえる。比喩ではなく、一定のリズムを刻み血肉なきむき出しの足骨が迷宮の石床を叩いているのだ。朽ちてなお歩みを止めない亡者の群れの行進が空間を圧迫する。闇の奥から六体のさまよう骸骨が現れた!
夜光石に照らされ、その特徴的な骨格から正体はすぐに判別された。これまで幾度も戦ったゴブリン達の成れの果てだ。その名をアンデッドゴブリン。
迷宮の瘴気か、はたまたゴブリンシャーマンの儀式に供されたのか死者でも生者でもない不死者に成り果てたゴブリンの哀れな姿だ。
錆びた剣と盾を構え、吠える声帯もなく無言でHDクラッシャーズに忍び寄る。
真守はその場で踏みとどまり敵を待ち構える。初見のアンデッドモンスターと遭遇し若干臆しているが、事前に決めた作戦通りにすれば何も問題はないはずだ。
隣合う戦友は利明のみ。ブラウスは前衛から一歩下がり、中衛に立つジェラートと戦列を同じくしている。
善神ゼガーリアに仕える二人の神官はメイスと杖を胸の前に掲げ、一心に祈っている。次第に武器が純白に輝き始めた。二人は目配せして機を合わせる。
「「 善なる光よ! 不浄なる者どもを払いたまえ。ファーラム! 」」
ピタリと唱和した掛け声と共に、神聖力を秘めた閃光がアンデッドゴブリンを包む。光の膜が晴れた時、脅威と思われた不死の存在は灰と消え、その数を一体にまで減らしていた。
後は殲滅あるのみ。前衛二人がかりで猿頭の頭蓋骨を叩き割り戦闘は終了した。
「いやーこりゃあ楽だ。だがこれじゃあ経験にならんな。徘徊モンスターだからマナメタルもないし」
「仕方ない。まともにやり合うには六体は多すぎる」
ひよっこパーティーに解呪持ちが複数いる事は珍しい。真守が口にしたある意味贅沢な悩みをジェラートはやんわりと否定した。
その後ろではブラウスが、メイスをクルクル振り回し己の浄化の術のすごさを自画自賛している。いいものを見せてもらったキンコ・ムーニャは素直に凄い凄いとパチパチ拍手して賞賛している。
あまりブラウスに良い印象を持っていない利明も今回ばかりは賞賛の拍手に加わっている。それだけあの光の神々しさは際立っていた。迷宮入り口付近でチマチマと鍛錬と金稼ぎのため殺戮に明け暮れている身の上でなければそのまま入信していただろう。
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僧侶と司教は解呪が使える。アンデッド系モンスターを一定確率で消滅させることが可能。ただし経験値とゴールドは一切貰えない。本作ではファーラムという名称が付けられている。オリジナル設定です(棒)
原作では無限に使用可能だったが、ファーラムには回数制限がある。ドラクーエドリィではスキルポイント制が導入されており、職業毎に覚えるアクティブスキルを使う度にスキルポイントを消費する。
最大SPは特性値の器用さに依存するのでファーラムを連発したいならあらかじめボーナスを器用さに割り振っておく必要があるだろう。




