二十一話
「フッ、どーよ。私の活躍は。いくらでも褒めていいのよ?」
血まみれのメイスを肩に乗せ、胸を張って偉ぶるブラウスをキンコ・ムーニャの二人が盛んに賞賛する。一人突出して敵陣に切り込んだ事をのぞいてもブラウスの健闘は明らかであった。もしブラウスが機先を制しなければもっと混戦となっていたろう。
まもる は息を切らせて膝をついた。戦い自体は短かったがひどく疲労している。満身創痍だ。初陣をからくも生き残ったのは良いが戦闘によるストレスがきている。隣を見るととしあき も壁に手をついて休んでいる。青ざめた顔色で血のついた切っ先を睨んでいる。あっちも一杯一杯らしい。
ブラウスを見ると返り血がべったりとついた手でムーニャのおでこをガシガシこすって笑っている。大したやつだ。背中を預けて戦うのが大いに不安だったか認識を改めたほうがよさそうだ。ブラウスは血にまったく恐れがない。頼りになる。
HDクラッシャーズのような即席で素人、少人数のパーティーでは統率力あるリーダーよりドシドシ前に出てみなを引っ張る彼女のような存在が貴重なのかもしれない。
――リーダーなんて俺には無理そうだ。少なくとも今は。
まもる はジェラートに頼んでリーダーを代わってもらった。後衛にいるジェラートの方が全体を見渡せると思ったからだ。彼女はすぐに了承してくれた。
「わかった。引き受けよう。ではみんな、たっぷりと休んだろうしそろそろ活動を再開しよう」
ジェラートは召喚陣があった空間の真下にパラパラと落ちている小石を拾うように指示を出した。これはマナメタルといって召喚陣の副産物だ。拾って商店で売ると金になる。
宝箱は放置した。手を出せる人員がいないからだ。
さて六人は改めて戦場となったドアを開けた先を見渡した。そこは小さな小部屋――玄室で目を引くようなものは何もなかった。
玄室を出る。元の通路に戻るともう一つのドアが目に入る。ジェラートは五人に問うた。ドアを開き戦闘をするか、この戦果に満足して一旦街に帰還するか。
まだ一度しか戦っていないし探索も殆ど進んでいない。ジェラートはまもる ととしあき の疲労を配慮してくれたのだろう。そういったことに頓着ないブラウスはぶうたれてさらなる闘争を主張している。
キンコとムーニャは特に意見はなく他のメンバーの判断に従うと言った。後衛で疲労はないしまだ呪文は残っているので戦闘は継続できる。
まもる ととしあき は冒険続行に同意した。疲れているとはいえ無傷だし、なにより男の子には意地があるのだ。ここで怖気づいたらブラウスに指差されてせせら笑われてしまうのは絶対に間違いない。
ジェラートはこくりと頷いて微笑み言った。
「前に進むとしよう」
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戦闘に勝利して経験値とJPを手に入れた。
経験値は一定まで貯めるとレベルが上がる。最大HPや特性値が上昇する。ほぼ全てのRPGに採用されているシステムだ。誰でも知っている。
JPはジョブポイントという。一定まで貯めるとジョブレベルが上がり、様々な特殊能力、スキルを覚える。一部のスキルは一定までジョブレベルを上げると転職後も引き継がれる。
レベルとジョブレベルは別個のもので、この二つは転職システムに大変関係ある要素だ。
初代シリーズでは転職するとレベルが1になるというかなり大味な仕様だった。Ⅰのような比較的短めのシナリオならそれでもよかったが、シリーズを重ねてシナリオと要するゲームが増大するとまったくもってゲームバランスとゲームデザインをぶっ壊す仕様となった。
そこでドラクーエドリィではジョブレベルが導入されている。転職するとレベルは下がらずそのままで、ジョブレベルは1になりまた最初からレベルを上げる必要がある。
これはすごい。未だかつて誰も見たことがない。超斬新でオリジナルあふれるシステムだな(棒)




