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スライム君のダンジョン戦記?  作者: 初心猫田
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勇者解説と指輪

滅茶苦茶遅れました。すいません

「それじゃあ改めて勇者について説明するわ。勇者っていうのは……」


レインいわく、勇者召喚と勇者そのものについてまとめるとこんな感じらしい。


・異世界で死んで間もない者の魂を呼び寄せ勇者として召喚する。

・勇者として召喚された者は、体や魂をしっかり修復&強化された状態で現れる。

・勇者として召喚された者は、固有スキルやその者にしか使用できない特別な武器などが与えられている。

・ステータス初期値がすでにCランク冒険者並みであり、どんなに才能のない勇者でも、鍛えるとAランクは確実に届くとのこと。(実際SSランク冒険者の一人に勇者がいるらしい)

・召喚陣は相当の魔力を必要とするため、俺達魔王のような例外でない限り中々発動させられない。

・一度の召喚で呼び出せるのは5人まで。

・召喚されるのはまだ生きる意志をもつ者のみ。

・召喚後のクールタイムは大体50年。

・召喚陣は、代々研究を趣味としている強欲之王(マモン)によって偶然発明され、それを人間が模して作りあげたと言われている。(グリード帝国の王に成り代わる以前のマモンの元住居に置き忘れられてたそれを、大国の宮廷魔術師・研究者達が固有スキルや知識を持ち寄り、何年もかけてなんとか解き明かし超劣化版を作り上げたらしい。マモンが作り上げたオリジナルは、クールタイムは一緒だが少しの魔力で発動でき、一度に30人近くを呼び出すことができるそうで……もう正直、自重しろって言いたい)



他にも細かい説明はいくつかあったが、大まかな説明は以上だ。


てか想像以上にやばいもん作ってやがった……。

そんなもん使ってもし勇者が反乱を起こしたりしたらどうなるんだろうか……?


「それはもちろん、ぎりぎりまで説得してそれでもだめなら、その国の兵達が全力で鎮圧するのよ。召喚したてなら勝てなくもないしね。まあグリード帝国なんかは召喚してすぐに隷属の首輪か腕輪で、逆らわないよう縛るらしいけど」


さすが帝国だわ……安定の汚さだよ、まったく。

そしてレインさんも安定の読心術だよ、まったく……

ねぇ、俺のプライベートはどこなの?


「まあ気にしたら負けと思いなさい? 貴方の心がたまに読める時があるのよねー……なんでかしら?」

「こっわっ!! お前なんか変な称号でもついてんじゃねえ……うん、ついてたわ……」


突っ込みながら、なんとなくレインの称号みたら 『世話焼き王女(にょうぼう)』 とかいう謎の称号が目にはいりました、はい。

王女と書いて女房と読む……

うん、理解不能!!

一体どんな効果持ってんだよ……けんとうもつかないぞ?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『世話焼き王女(にょうぼう)』……世話のかかる者が身近にいるとごく稀に発動する。王女版の他にも種類は様々であり、世話のかかる者の心を軽くだが読み取ることができ、相手が寡黙であっても労せず意図を読み取れる。

そう、それはまるで熟年夫婦の会話のように……!


「おい、あれをくれ……」

「はいはい、ビールなら今持ってきましたよ?」

「うむ……ゴクッ!」

「あとあれを」

「枝豆もまもなく茹で上がりますよ」

「それなら、あ」 「新聞は今日休刊ですよ?」

「…………」

「うふふふっ……」


*なお、実力差に関係なく発動する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



とりあえず一言言わせていただきたい……!

最後のやついる!?

熟年夫婦の会話がどうとか知ったこっちゃないわ!!!!

強いていうならお父さんもうちょい頑張って! 奥さんに黙らせられないで!!


ていうかそもそも、誰が世話のかかる者だよ!

俺そんなにレインに迷惑かけてなんか! ……ない……はず。

ないよね……?

俺の脳裏に何度もため息をつくここ最近のレインの姿が……

ちょっと自信なくなってきたし話を戻すか……ごほんっ!


「とりあえずレイン、心を読むのはできるだけ避けてくれると助かる……」

「? 良くわかんないけど頑張ってみるわ」

「ああ頼む。あとじいさんに勇者召喚の話については了解だって伝えといてくれ」


それを聞いたレインは少し驚いたような顔をした。

そんなに意外だったのか?


「いいの? さっき勇者召喚は誘拐とあんまり変わらないとかなんとか言ってなかった?」


ああ、そういうことか。


「いいの、いいの。生きてる人を連れてくるんならともかく、死んじゃったやつを召喚するなら忌避感はないよ。だって死んじゃうくらいなら誰だって生き返りたいはずじゃん? 例え異世界だとしてもさ。そりゃ一部例外だっているけどそういう人は召喚されない仕組みなんだろ? なら問題なし!」

「それはそうなんだけど……。それに、仮にも魔王にそんな気軽に頼み事をしちゃっていいのかしら……」


かっ、仮にもか……あはは……

レインの何気ない一言が心をえぐる。

まあでも、


「ダンジョン出てから結構長いことお世話になったし、何よりレインやノエル達の故郷でもあるからな。それくらいのことはやらせてもらうさ」

「私達の故郷だから、か……。クスクス……ありがと! 貴方のそういうとこ私結構好きよ?」


なんか誉められた……いやからかわれたのかな。

ストレートに言われるとちょっと恥ずかしい。

今、少し顔が赤くなってるかもしれねぇ……スライムなのに。

けどこのままペースを持っていかれるのはちょっと癪だし、この話はここまでにしとくか。


「まっ、まあ召喚の件はそういうことだから! それでこれから何する? まだ10分以上時間空いてるけど……」

「う~ん、何しましょうか? 思いつかないわね……」


レインも良い案が思いつかないようだ。

さて、どうしたもんか……

しばし考える俺達。


「……あっ! レイン、どうせなら誘拐対策のマジックアイテム作り見る? 10分かからずにできるだろうし」

「そんなにすぐにできるの?! 出来るならそれを見たいわ! そうしましょ」

「アイアイサー」




はい、そういうわけでやって参りましたのはまたも中庭!! ……の隅っこです。

Sクラスの生徒以外は全員授業を受けているので人が全然いない。

これならここで作ってても問題ないだろう。

一応、魔神眼の気配察知も使って、っと!

一通り確認してみたが周囲に人の気配は感じない。

そんじゃマジックアイテム作りといきますか。


「レイン、指輪型かチョーカー型かイヤリング型、どれが良い?」

「そうねぇ……ベルゼのおすすめはなに?」


おすすめかぁ~……そういえばノエルに指輪渡した時にやけに羨ましそうだったな。


「指輪はどうだ? ノエルとお揃いだしちょうどいいだろ? レインなら絶対似合うだろうし」


レインは一瞬複雑そうな顔をしたが、すぐに笑顔になって首を縦に振る。


「(絶対似合う……。そういう事をさらっと言えちゃうから恋敵(ライバル)が増えるのよねぇ……)お気遣いどうも。それでお願いするわ」


よし決まりっ!!

俺はアイテムボックスからミスリルとルビーを取り出す。

なぜこの二つの素材を使用するのか?

それはミスリルが魔法伝達性に優れ、ルビーが火魔法の威力を少し上昇させる効果を有しているからだ。


この世界ではなんと宝石もマジックアイテムの素材であるらしく、対応する属性はその宝石の色で判断できる。

効果としては宝石には威力を上昇させたり、魔力の消費量を減らしたり……と少しながら魔法を補助することができるのだ! (……と、レインから入試の前に常識として教えてもらった。常識知らずでごめんなさい……)


「まずこれを指輪の形に加工してっと! ……出来た!」


先ずは指輪の形を、ユニークスキルの錬金術で作り上げた。

次は分裂で3人に増えよう。


「分裂!」


よし、成功だ。

ちゃんと3人に分裂できた。

……ちなみに分裂スキルを使うのにスキル名を言う必要はない。

単なる趣味です。……なんかかっこいいじゃん?


そんでもって指輪に3人がかりで、


「「「スキル付与!!!!」」」


3つほどスキルを付与した。

付与したスキルは、どれもユニーク以上であり、俺であっても分裂して一人一つ、合計3つを付与するのが精一杯だ。

だからこそ、どれも強力なものを選んだのだが……


「3つともスキルレベルが下がったり、劣化したりした状態で付与されてんな……。まあスキルとしての格は高いし問題ないか!」

「? どんなスキルなの? どうせベルゼのことだからやばめなスキルなんでしょうけど」


よくぞ聞いてくれました!!

今この指輪には、【リスク耐性 :Lv5】・【神出鬼没 :Lv1】・【金剛仁王化(弱)】 の3つがかけられている。

先ずは痺れ薬や毒なんかを盛られると困るので、そういったもの全般に対応できるリスク耐性を。

万が一捕まっても逃げられるよう神出鬼没を。

そしてもし戦闘になった時に防御を気にせず大魔法が撃てるよう金剛仁王化(弱)を。

どれもそこいらの人間には絶対使用不可能なレベルのスキルばかりだ。

本当はオリジナルスキルのリスク無効や金剛仁王化を付与したんだが流石に厳しかったみたいでユニークスキルレベルまで性能が落ちてしまっている。


「……いやいやいや、充分でしょ?! ていうかやり過ぎよ!」


あ、やっぱり?

俺としては不満なんだが、確かにレインの言う通りだとも思う。

毒とかばらまいてテロをしてもリスク耐性で自分だけ効かないし、神出鬼没でお手軽に領主を暗殺できちゃうし、金剛仁王化(弱)で爆破テロしてもこれまた自分だけは効かないし……


ぶっちゃけこの指輪があればDランク冒険者でも町一つ潰せるからな……。


「まっ、まあそれだけレインが大切ってことだよ、うん!」

「ふ~ん~……」


おうふっ、ジト目が容赦なく飛んできやがる……

こいつまたやらかしたなって顔してるし。

ごめんなさい!


「はぁ……。まあいいわ、指輪ありがと。大切に使うわ……それじゃそろそろ戻りましょうか」

「そだな。そうしよ」


こうして俺たちは、教室へ向かって歩き始めた。







受験生になるので更新が不定期です。(今までも相当不定期でしたが……)

皆さんインフルエンザにお気をつけを。

次は閑話で主人公の過去の話か初代大罪達の話かを書きたいと思っています。(急な変更がなければですが……)

不定期ですがこれからも読んでいただければ幸いです。

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