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スライム君のダンジョン戦記?  作者: 初心猫田
30/52

レインとデート

家を出た俺とレインは、今オクタグラムの中心地へと来ていた。


「着いたわ! さてと……ベルゼ、どこからまわりたい?」

「う~む……とりあえずお前の服を買わないか? そんなきれいな白いドレスなんて着てたら十中八九貴族と思われて危険かもしれない」

「あー、たしかにそうね。面倒事はごめんだわ、あそこのお店によっていい?」


そこは小さいがきれいな造りのブティックだった。

レインは臆することなく店のなかに入っていく。

そして鼻歌混じりに服を見比べ始めた。

しかし服ってのは専門外だな。

どれがいいのか全然わからん……


俺は余計なことは言わずに楽しそうに服を選ぶレインを見守っていた。


そうするうちに2着ほど気に入ったものを見つけたようだ。


「ねえベルゼ、どっちが似合うかしら?」


レインが笑顔で尋ねてくる。

青のワンピースか、赤のブラウスか……

う~む、どちらも捨てがたいが正直……


「着る本人がかわいいから、どっちでも着こなせるんじゃないか?」


途端にレインの顔が、りんごのように赤く染まる。


「バババ、バッカじゃないの?! わたわた、わたしがかわいいからとかそんな急に反則であのっその……」


プシュー!


あっ、固まった……

レインさ~ん! 聞こえてますか~! ……だめだ動かない。

しかたない、待つとするか。


結局5分後なんとか正常に戻ったレインに、他の女の子には気安く同じようなことをしてはいけないだのなんだのありがた~いお説教をいただき俺達は店を出た。

ちなみにレインは結局2着とも買い、青いワンピースを着ることにしたようだ。


「レイン、似合ってるぞ」

「なっ……もうっ! そういうフェイントはいいからっ! つっ、次はどこに行く?」

「ああ、それなら小腹すいてないか?」

「? まあそれなりにはね? どうして?」

「さっき魔神眼の練習ついでに色々この街の名所やらなんやらを隅々まで調べてたんだが」

「……しれっと言ってるけど、それ魔王の力の無駄遣いじゃないかしら?」


うぐっ! 痛いとこを突いてきやがる……


「あくまでも練習のためだ! 決して美味しい食べ物があるカフェを探していたわけでは断じてない!!」

「怪しすぎる反応どうも……もういいわ、続けて?」


冷たい……


「まっ、まあそれでだな! ここの近くに、普通に並んだら二時間はかかるという美味しいパンケーキ屋があるみたいなんだが行かないか?」

「へー! あっ、でも二時間も並びたくないし……」


まあそう言うだろうなー


「そうだろうな。だが安心しろ、分身に並ばせてあるから!」

「あっ、そっか! なるほど! やる~! さっすが魔王様~!」


こうして俺達はパンケーキを食べるべく、その店へと向かった。



「へー。小洒落たいい店ね! ……めちゃくちゃ並んでるけど」


確かにいい店のようだ。

そんじゃ分身と交代してっと!


「いらっしゃいませ!」


「さて、何を食べようかしら!」


レイン、よだれがでかかってるぞ……王女の威厳なしだな。


「う~ん。パンケーキは美味しそうだけどこちらのパフェも捨てがたい。ベルゼっ、どっちがいいと思う?」


どうやら食べたいものが二つあって決められないようだ。


「それなら俺と半分ずつわけるか? それならどっちも食べられるぞ?」

「えっ、いいの?! じゃあそうするわ! 店員さ~ん!」


ははっ! はしゃいじゃってまあ……


しばらくして料理がきたので食べようと思ったのだが……


「あの、店員さん……このドリンクは?」

「はいっ! カップル限定ドリンクでございます。ただ今期間限定でカップルの方に無料で提供させていただいてます! ニコッ」


ああ、そういうあれか。


「でも俺達は「超ラブラブのカップルで~す!」へっ?」


レインさんや? ……どないした?

店員さんが去っていったので理由を聞くと、


「だって、無料よ! 無料なら仕方なくあなたとカップルと間違えられてもいいわ! 仕方なくよ!」


……だそうです。


気を取り直して、お互いに出てきた料理を食べる。


「! 口のなかでとろけるアイス、生クリームのふんわりとした甘さに新鮮な味わいの果物! ほんと美味しいわね、今度セバスに作ってもらいましょ?」

「ああ、こっちのパンケーキも最高だ!」


お互いある程度食べ進んだあと料理を一口ずつ交換する。


「ほいレイン、口開けて」


レインは恥ずかしそうに顔を赤らめるが、俺の差し出したフォークにおずおずと口を近づける。パクッ!


「美味しいっ! ほのかに……(以下略)」

「あはは……怒濤の勢いすぎてよくわからんがうまかったんならよかったよかった。パフェのほうはっと「はいっ! あ~ん」パクッ。上手いな! ここにはこれからもお世話になりそうだな」

「そうね!」


そんで、だ……


「この明らかカップル用のメロンソーダのような飲み物をほんとに飲むのか? ストローがハート型だし、なにより同時に吸い上げないと飲めないという鬼畜仕様なんだが……」


さすがにこれは俺も恥ずかしいぞ……


「やっ、やるわ!! こんなことに臆しているようじゃ王女の名が泣くもの! それじゃあ殺るわよ! 早くストローくわえなさい!」


王女の名をそんなしょうもないことでだすなとか、やるわよ が明らかに別の字だったような気がするとか、色々言いたいことはあるが、ひとまず俺もストローをくわえレインと共にカップル用ジュースを飲んだ。

南無三……



カランカラン!


「ありがとうございましたー! またお越しください」


店員の元気な声を背に、俺達は顔を真っ赤にして家路を急いだ。


「はあっ……ひどい目にあったわね」

「ああ、まさかあのジュースを飲むやつは相当のバカップルくらいしかいないなんてな……騙された」

「店側も書いておきなさいよね、全く!!」


レインさんも相当ご立腹のようだ。そりゃあんな人前で恥じかかされたらな……


「まっ、まあでも周りの人からバカップルに見えてたみたいだし、そこに関しては評価してあげてもいいかな……」

「んっ? なにか言ったかレイン?」

「なっ、なんでもないですわよ」

「ですわよ? クスッ、レインがですわよ……似合わね~、ハハハ!」

「うっ、うっさい! 皆待ってるんだから早く帰るわよ! あと……楽しかったわ、ありがと」

「! ……どういたしまして! また行こうな!」

「ええ!」


嬉しそうに頬笑むレインは、まるで薔薇のように美しく可憐だった。











以上レインのデート回でした。

最近ダンジョン戦記といいながらダンジョンを潜ってないという悩みができました。

次回は入学試験回です。

15日更新予定です。

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