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新次元紀行  作者: 木戸攘夷
第27章 黒サイだって5ccで拘束可能なんだからっ!
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(2)

 銃声と共に窓ガラスと天窓が勢い良く砕け散った。

 電気が消えて焦げ臭いにおいが広がる。


 床に伏せたトルクとサルナとアルは顔を付き合わせた。

 「ここは危険です。坑道に避難しましょう。裏口から出ましょう」


 銃声が止んでから正確に5秒後、ドアを蹴破って一人、天窓から二人、ガラスのない3方の窓から三人の黒服が大きな銃を携えて飛び込んできた。

 「みんな逃げて、私に任せて坑道に避難して。それにしても攻撃に迷いと隙がないわねっ。でもねっ、命取りよっ」


 サルナの発砲は天窓を破った侵入者を撃ちぬいた。

 二人の黒服がその場に崩れ落ちる。


 振りながら伸張したトルクの特殊警防は窓から転がり入った黒服の起き上がりざまを捉えた。

 暗い室内に火花が飛び散り、仰向けに倒れる。

 トルクは乱射される銃から転がって逃げるとその先にアルと黒服が銃を摑んでもみ合っていた。


 前転から起き上がりながらアルの上になっていた黒服の腹を特殊警棒ですくい上げた。

 強烈なアッパースイング。

 そして返す警棒が後頭部を襲う。

 黒服はその場で動かなくなってアルに覆いかぶさった。


 「ちょっと不利だったけど、これで同点よねっ」

 サルナはショルダーバックから丸い玉を取り出した。

 勢い良く床に叩きつける。

 閃光と共に室内は煙だらけとなった。暗い室内が一層暗くなる。


 (頼むから、使う前にいってくれ!)

 トルクの声にならない叫びはサルナには届かない。

 煙幕でトルクには判らないが多分サルナの目はキラキラとしている筈だ。

 黒服が銃を乱射し始める。


 「無駄よ。そっちにはいないわ。DAS4000沈黙と闇、煙玉の新製品よっ。赤外線までほとんど通さないわ。声もぜんぜん違うところから聞こえてくるでしょっ。相打ちになるから銃はやめたほうがいいわよ。そしてこれで逆転よっ!」


 サルナはショルダーバックから更に丸い玉を2個取り出した。黒服の居た方向をめがけ勢い良く床に叩きつける。

 (こらー、へんなもの使うなー!)


 何かが倒れる音がして短い呻き声の後、銃声が止み静かになった。

 「トルク、アル、動かないで。環境保護庁が使ってる対危険動物用の超強力鳥モチよっ。黒サイだって5ccで拘束可能なんだからっ」


 (おいぃーぃ、説明が・・ヤバすぎる・だろ~使う前に・言・え--~)


 トルクもアルも暗闇で何がどうなったか判らない。壁を背にしたトルクとアルの処にサルナが煙幕から突然顔を出した。


 「急ぎましょう。真打がいるはずです」

 アルが銃を抱えながら言った。


 「その真打に借りがあるのさ」

 トルクはやる気満々だ。


 「だめよ。先に行って、後から追いかけるわ」

 サルナには前回の悪夢が甦っていた。二人とも死なせるわけにいかない。

 だが、遅かった。


 階段が軋む音がして一陣の風が吹いた。

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