(2)
「200年前のイメージは何とかならない?一枚でいいから」モニターに詰め寄ったトルクはモニターを見ながら言った。
「無理無理。アーカイブが奥深くに有る筈なんだけど、150年以上前になると革命当時のイメージとして極秘扱いでね。マスターのライブ認証が必要とされるんだよ。こんなのそうそう無いぜ。こうなると事実上見れないからストレージの粗大ごみだよね」
「どうしてなの。どうしてそこまで厳重に」
コーヒーを飲みながらサルナが当然の疑問を簡単に発する。
「どうして・・・なんだろうね・・・」
ジエフはなんでこんなことに回答できないのだろうと素直に悩んでいた。
「それはマスター達が創造活動を行っているからよ。それにしても二人ともこっぴどくやられたものね。綺麗な足に無慈悲に巻かれた包帯がなかなかセクシーね、ミス・東郷」
「それはどうも・・・」
データオペ室の入り口にケリー長官が立っていた。
「ソーリー、長官。もっ、もしかして気づいちゃいけなかった?これって、そっ、そうなんですね。そっ、そく、即、さっそく忘れます。いっ、いま忘れました。はいっ、忘れました」
ジエフが直立不動にその場に立ち尽くした。
「相変わらず可愛いわねジエフ。この前そのうちって約束した食事はいつ行くのよ」
ジエフは身震いをした。最近よくお尻をなでられる。
「何もかも忘れたので無理です~」
「写真自体は別にタブーでもないわ。」
「では・・・なにが・・・そうだ、わかりました。セン・・センシティブな画像が・・・そうなんですね」
「何を想像してるのよ。都市伝説に毒されすぎよ。タブーなのはマスター達の情報が漏れることよ。だからマスター達は自らのイメージを封印したのよ。地位とか命を守るために」
「なっ・・・、なるほど」
「もっとも自分で命を守れないようなマスターは一人としていないけれど。昔のイメージにはいわば神の手が写っているのよ。そして大統領でも見ることができないわ」
「でも万が一見られたら何かがばれてしまう。例えば居場所が・・・」 トルクは何かの確証が得られたようだった。
「そうとも限らないけど・・・。私もそう思うわねぇ・・・。ねえ、ジエフ、私の専属の秘書にならない」
ジエフは歩み寄るケリー長官のお尻へのセクハラ攻撃を間一髪かわすとそそくさとサルナの影に隠れた。
「触るならサルナさんをおすすめしますよ」
「だめよ。ミス・東郷のヒップは好みじゃないの」
(何が違うんだろう・・・)
トルクはついサルナとジエフのお尻をこっそり見比べていた。
「冗談はやめてください」
サルナはトルクの視線を感じ、ムッとしながら赤くなった。
「相変わらず色々と硬いわね。ミス・東郷」
ケリー長官は両手を広げ諦めた仕草をするとデータオペ室からいなくなった。




