(3)
ゲームクリアを讃えるメッセージとネームインを求めるプロンプトが現れる。
[CONGRATULATION! HIGH SCORE;
[INPUT YOUR NAME;
]SEARCHER;
(オッケーっと)
[INPUT MESSAGE FOR THE GAME MASTER;
]LOOKING FOR A KILLER;
トルクが入力する。そしてしばらく時間が過ぎた。
[WHO WAS KILLED?;
(きたきた!)
画面がブラウン管の薄明かりから急に輝きを増す。
「なにこれ、どうしたの。なんか聞いてきたわよ」
「通信コンソールが開いた」
「まさかこれがコンソールだったの?」
余りにも当たり前にトルクがテーブルゲームに取り組み始めたのでサルナはまさかこれがコンソールだとは気づきもしなかった。
ただトラディショナルゲームに興味があるだけかと思っていた。
「まあ、まあ見てなって」
サルナから見てトルクは十分に冷静さを欠いていた。
スティックを握る腕に強く力が入っているように見えた。輝きを増したテーブルゲームに下から照らされたトルクの顔は歓喜を宿している。
髪の毛が逆立っているかのように見え始める。
トルクは集中しながらかなり早いスピードで文字を入力し始めた。
]Rainman・Z、John・R、Mad scientist・K、Pusan・B、Fish・bonus・α、Shooter・N、Sao・Paulo・N、Saranobitchi・M、T・Kansuke、Foreigner・Q;
「わかった、ハンドルネームね・・・」
サルナが囁く。
そしてもう一つサルナには気付いたことがある。だが口をつぐんだ。それは全員がかなり名の売れたアバターキャラクターだということ。
「そうさ、ケリー長官に聞いた奴に殺された人の名前からコミュニティコードを逆引きした。彼らの多くはコミュニティのメンバーでね、知ったハンドルネームばかりだったよ」
「そんなの普通わかるわけないでしょ。個人情報の悪用はかなりの重罪なのよ」
「まさにね。こう云う個人情報は普通には手に入らない。皆名前と完全に使い分けられるものだからね。でもリンクリストはドナウがあっという間に見つけてくる」
サルナの頭の中にはクエスチョンマークが幾つも飛び交っている。
(ドナウってあの猫?でしょ???)
でも今それに突っ込んでいる場合ではない。
[LACK OF Ganges;
(ビンゴ!こいつだ!)
]INFORMATION THAT Ganges IS NOT DEAD;
[Ganges KILLD. GANGES DIED OF THE VIRUS;
(自分の殺しを誇ってやがる。くそったれー)
「トルク・・・もう殺されちゃってる・わ・・・よ」
「生きてるだろ!」
]Ganges IS NOT DEAD;
[Ganges KILLD;
]Ganges IS STILL ALIVE. Ⅰ G a n g e s;
画面の向こうで何かの電流が走った。画面の向こうで奴は考えている。そして答えを出した。
[YOU WANT TO DO?;
(ふざけやがって)
トルクの中で何かが音を発てて切れた。
]KILL YOU!;
・・・・・・
・・・・・・
数秒の沈黙ののち突然の発散。




