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幕間 呪い

 魔力の輝きが消えた後、部屋の中央には一人の美女が佇んでいた。

 静寂がその場を支配し全員が固唾を呑み込む中、最初に沈黙を破り口火を切ったのは、部屋の中央に立つ彼女だった。


「やった~! 戻った~! 呪いとはもうおさらばだ~!」


 その時、その女性の正体が分かった。


「校長先生……ですか?」


 なぜ若々しい美女になったかは知らないが、着ている服が同じなので、恐らくそうだろう。老人の体の時は似合ってもいなかった青を基調とする魔法使いの格好が妙に似合っている。頭の良い校長先生のことだから美女になることを想定して、縮尺が自在に変わりどんな人にも服がちょうどいいサイズになる魔法を服にかけていたのだろう。

 しかしなぜ、校長先生は美女になったのだろうか。いや、校長先生本人が呪いかどうとかって言っていたから、恐らくは呪いで老婆の姿にされてしまっていて、美女の姿が校長先生本来の自分なんだろう。

 一体何がどういう目的で老婆の姿にされていて、美女の姿を封印されてしまったのだろうか。これは本人に聞かないと分からないな。そう思い校長先生に質問しようとしたところ、


「あの……」

「おいお前、キュアフローラだよな。人類の英雄ともあろうものが………(笑)あんな歳を取って弱体化する呪いにかかっていたんだ?」


 僕の考えを読んだのか、レイが先に質問してくれた。

……でも皮肉を込めたような物言い、やめた方がいいと思う。

 僕がレイのことを心の中で咎めていると、校長先生が決心したように口を開いた。


「先に言っておきますけど、聞いたらもう後戻りできないからね」

「前置きはいいから、さっさと言ってください」


 僕は気になりだしたら止まらない。先生たちには知的好奇心の怪物と言われている。


「本当にいいのですか? 人生が変わってしまうほどの重大な秘密なのですよ?」

「大丈夫です。さあ早く言ってください!」

「いやっ……でも……その前にこの場にいる全員に承諾を確認しないと……」

「あっ、私は大丈夫です。そもそも……いや、何でもないです」


 何だろう。リリアさんが何か言いかけた気がするけど……。いや本人が何でもないというのなら何でもないのだろう。


「最後は大聖霊。スピリット・ポテンス様です。よろしいですか?」

「もちろん。リオが承諾したらおいらも承諾したってことになる。それと、おいらのことはレイで構わないぜ」

「ありがとうございます。それでは、語ろうとしましょう。今から四三〇年前の話を…」


 そして、語られたのは楽しくも悲しいそんな物話だった。


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