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第一章 魔術学校の塔の上で その2 ネーミングセンス

「君は……誰?」


 僕は子供にそう問いかけた。すると、無邪気で可愛らしい子供の容姿とは裏腹に冷徹な声で淡々とした返事が返ってきた。


「おいらは、光の上位精霊だ。おいらを召喚したのは、お前か? 本来、精霊の最上位種である光と闇の精霊を召喚できるのは、賢者以上のものしか召喚できないはずだが、しかも、上位精霊であるおいらを召喚するとは、大賢者や大魔導士、守護者にしかできないはずなのに……今おいらを召喚したやつは、貧相な体で、しかも人間の子供じゃないか。まったく、どういうことだ? とてつもない魔力と強大な意志の力を感じたのに……お前、そこの姉ちゃんの力借りてねぇよな?」

「「………………」」

 

 子供には似合わぬほどの毒舌で僕とリリアさん反応に困った。


「ハッ! 違いますよ。リリアさん証明してやってください!」

「当然です」


 僕たちは怒り気味に即答した。リリアさんは何か疲れているのか、棒読みだった。


「まぁいい。それで召喚主のお前は、おいらに何をしてほしいんだ?」

「そうですね……特には……」

「……」


 光の精霊は、帰っていい? とでもいうように沈黙した。そして溜息をついて少し考えたような素振りを見せた後、口を開いた。


「なぁ、なんで俺がお前の召喚に応じたと思う?」

「えっ! それは……………わかりません」

「だろうな。いいか、一度しか言わねぇからよく聞けよ。精霊界からはな下界、つまりこの世界の様子を覗き見ることができる。毎日暇で、いつものように下界を除いていた時、俺は、お前に興味を持った。子供のくせに強大な魔力を持っていて、だけど魔力の制御は奴隷以下。少し気になって、俺はお前のことをこの世のすべてを見通す精霊、英知なる大精霊に調べてもらった。本来、あらゆる精霊の中で上位の存在である大精霊に物を頼むことはあり得ないが、俺は最上位の光の上位精霊ということで許してもらえた。そして、お前を調べてもらっているうちに少し興味深いことがわかった。そこのリリアと魔力の回廊でつながっているということだ。魔力の回廊っていうのはな、万人の魔力が貯蔵されている亜空間のことでその亜空間でつながっている魔力っていうのは、共鳴することができるんだ。共鳴っていうのは、二人の魔力が完全に合わさることでより強大な力が生まれるというやつだ。魔力の回廊で魔力がつながる確率は一〇〇〇万人に一組だと言われている。そして俺が調べてもらった当時は、つながりかけていたというぐらいだったが、今は完全につながっているようだ。おそらく、リリアがお前の手を握って光球を安定させたときだろうな。そのとき、お前らの運命は決まった。完全に魔力の回廊で魔力がつながり共鳴し合う二人は、どんなことがあろうとも、引き寄せられるという運命なんだ。だから、少しでもお前らが不自由しないように俺が助けに来てやったということだ。わかったか?」

「まぁ、大体は……」正直、もっとゆっくり喋って欲しかった。

「それはつまり私とリオは離れたくても離れられない運命ってこと?」

「大体は合っているな。よし。それでお前は俺と契約したいのか? それともしたくないのか? だが、これだけは言っておく。これでお前らが死んだら後味が悪いからな。お前らにはおそらく、これからたくさんの試練が待っている。そんな試練に今の二人のままで挑んだら間違いなく死ぬ。さぁ、契約するかしないか選べ」

「……」


 僕は考えた。この選択次第で、今後が大きく変わると思われる重大な選択について。

 そして決断した。

「契約する」

 その瞬間、僕と光の精霊の体から魔力が溢れ出た。そしてそれは混じり合い、僕と光の精霊の足元に再度幾何学模様が浮かび上がった。そして頭の中に声が響いた。


《上位精霊 属性:光と個体名:リオ・ホープネスの契約を確認しました。個体名:リオ・ホープネスは上位精霊 属性:光に名付けを行いなさい。名付けを人間単位で一分以内で行わないとこの契約は無効になります。尚、一度無効になった契約は今後一切行うことができません》

「…えっ。一分で名付け…これ今後めちゃくちゃ重要になるやつ……それを一分で……」

「早くしろ。あと四十秒だ。」


 光の精霊が慌てる声が聞こえるが無視だ。う~ん、名付けか。難しいな。名付けなんて、昔飼ってた犬に付けた以来だな。え~、悩むなぁ。〝光〟だから……ヒカリ、駄目だな、シンプルすぎる。ヒカリを並べ替えて……駄目だ、変な名前になっちゃう。光といえば、明かり……そうだ、アカリって名前はどうだ。いや、それだと精霊の神聖な感じがなくなっちゃう。う~ん。


「おい早く!あと十秒だ。九、八、七、六、五」


 光の精霊がカウントダウンを開始した。さすがの僕も急いで名前を考えた。〝光〟に関係する名前で神聖な感じがする名前……あっ! 思いついた。


「〝レイ〟お前の名前は〝レイ〟だ!」

《名付けを確認しました。個体名:リオ・ホープネスの魔力量が上位精霊、属性:〝光〟の魔力量を上回っているため、上位精霊 属性:光の進化が行われます。上位精霊 属性:〝光〟は、大聖霊(スピリット・ポテンス):レイへと進化しました。大聖霊(スピリット・ポテンス)との契約の影響で、個体名:リオ・ホープネスは上位精霊魔法、属性:〝光〟が使用できるようにな魔力許容量(キャパ)が増加しました。及び大聖霊(スピリット・ポテンス):レイは、魔力量が増加し神位精霊魔法、属性:〝光〟を扱えるようになりました。

これにて、名付けによる進化の影響の報告を終わります。次に、契約による能力の変化をお知らせします。個体名:リオ・ホープネスは全属性攻撃耐性を獲得しました。全ての属性での攻撃が可能になりました。また大聖霊(スピリット・ポテンス):レイの能力の一部を行使できるようになりました。及び大聖霊(スピリット・ポテンス):レイは、全ての属性での攻撃が可能になりました。運命共同体の情報子をその身に宿しました。また魔力許容量(キャパ)が増加しました。これにて、名付けによる進化の影響及び契約による能力の変化の報告を終わります》

「……えっ⁉」

 

何かめっちゃ早口ですごいこと言われた気がする。


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