バズっ太郎、鬼ヶ島を目指す ~鬼ヶ島に入らずんば…~
お供3匹を仲間にしたパートも終わり、いよいよ鬼ヶ島編です。
旅を続けるバズっ太郎一行。新たに猿も仲間になり、旅も佳境なので、この旅の目的を共有しています。
猿「はぇー、鬼ヶ島を目指してるんですか。」
バズっ太郎「うん、でも動画や配信ではそれは言わないでね。鬼達も僕らのチャンネル見てるかもしれない。なら、僕らが鬼ヶ島を目指してることは知られたくない。証拠隠滅の準備をされるかもだからね。」
犬「鬼ヶ島かー…配信者の間でも恐れられてますよね。開示請求したらだいたい鬼ヶ島の住人だったり、乗り込んだ動画活動者が鬼ヶ島から戻ってこなかったり…」
雉「まぁ恐ろしい。」
バズっ太郎「うん、鬼ヶ島の内部の情報は全然出てこないんだよ。でも、だからといってこのままには絶対しておけない。」
猿「そうですよ!おじいさんやおばあさん達の不安を取り除きましょう!」
犬「そうですね!根も葉もないデマや悪質な加害予告、こっちには記録も証拠もあるんです!」
雉「正義は我らにあり!ですわね!」
バズっ太郎達も、恐れも不安もあるのでしょう。しかし、強い思いと言葉で己を奮い立たせて、勇気で迷いを振り払い進んでいきます。
そして、鬼ヶ島に通じる船の出る港へとたどり着きました。
バズっ太郎「もしもし、鬼ヶ島へ行きたいのだが、この船でよろしいか。」
船頭「あぁ…うん?お前ら鬼ヶ島は初めてだな?」
バズっ太郎「あぁ。だがチケットはちゃんと買えたぞ。間違いないはずだ。」
船頭「そんな心配してねぇよ。この港から出る船は鬼ヶ島行きだけだからな。子供でも間違えねぇ。ま、マトモな子供はあんなとこいかねぇがな。」
バズっ太郎を一瞥してヒヒ、と笑う船頭。
犬「いちいち含みがあるな、何が言いたいんですか!」
不気味にこちらを値踏みするような態度の船頭に、犬も苛立ちをあらわにします。
船頭「簡単な話さぁ。鬼ヶ島は鬼の棲む島。鬼しか入れねぇ。お前らどう見ても鬼じゃねぇだろ。それじゃあ鬼ヶ島へは行けねぇ。」
雉「はぁ!?じゃあなんで船のチケットなんて売ってるのよ!詐欺じゃない!」
船頭「落ち着きなよぉ。だから、わしら船頭がいるのさぁ。ルールを知らない奴に、ルールを教えてやるためになぁ。」
猿「ルール?」
船頭「これさぁ。鬼ヶ島にいきたいけど、鬼じゃない。ならば、鬼のふりをしなきゃなんねぇ。」
そういって、老人は鬼を模した被り物を取り出しました。色々な獣の頭の皮に角を取り付け、毛の装飾を施しています。
様々な大きさの被り物があるので、バズっ太郎、犬、猿、雉はそれぞれに合った被り物を見繕いました。
犬「うぇぇ…皮の匂いがきついですねぇこれ。」
雉「視界も悪いわ…」
猿「呼吸しづらくて、しゃべりづらいっす…」
試着しながら文句を言う3匹。
船頭「ヒヒ、文句をいいなさんな。それがなきゃ鬼ヶ島には入れないんだからなあぁ。ちゃんとつけなきゃ、舟にはのせらんねぇ。」
バズっ太郎「わかった。…では頼みます。」
船頭「はいよ、一万円ね。」
犬「は?チケットは渡したろ?」
船頭「船代はな。被り物代は別だぁ。夢の国だって、そこにいくまでの電車代と入場料は別だろぉ。」
夢の国ほど、楽しくないくせにおこがましい例えを出してくるなと思いつつ、バズっ太郎は黙って一万円を渡しました。
汚い臭い被り物が1つ2500円、まぁまぁ高い買い物でした。
船頭「全部で一万円じゃねぇよ。1つ一万円だ。」
被り物がさっそく役に立ったなと、被り物のしたで苦虫を噛み潰した顔をしながら、バズっ太郎は船頭にお金を渡しました。
こうして、一行をのせた舟は鬼ヶ島へと向かいます。
そうして船頭に連れてきてもらった鬼ヶ島。船頭は、船着き場につけると、
船頭「気をつけていってきなぁ、被り物、もし被り物をなくしたら、またここに来たら予備があるから買えるぞぉ。安心しなぁ。」
と、声をかけてきました。
万が一にも落とさないようにと、それぞれしっかり被り物を被り直します。
船着場から道なりに少し進むと、巨大な門がそびえ立っていました。
門の両側には、これまた巨大な阿吽像がそびえ立っています。ただし、その顔は鬼の顔をしています。
門扉の高さだけで20mはあろうかという大きく巨大な門です。
閂はバズっ太郎の遥か頭上にあり、力自慢のバズっ太郎でも、手が届かなければどうしようもありません。
これはどうしたものかと一行が立ち止まると、阿吽像が、突然動きだし、こちらに語りかけてきました。
阿像「ここは鬼ヶ島の門だ。ここに用があるのか。」
その問いかけにうなずきます。力強く言葉で肯定したかったけど、被り物がじゃまでフガフガと声がこもってしまうので、とにかく強くうなずきます。
吽像「ここは鬼ヶ島だ。鬼しか入れぬ。貴様らは鬼か。」
その問いかけに、またもや首肯して、阿吽像に被り物を見せつけます。内心ヒヤヒヤでした。
阿吽像「よろしい」
そういって、阿吽像は閂を外し、門を開けてくれました。
なるほど、こんな仕掛けなのかと納得しながらバズっ太郎は門をくぐり、中に入っていきました。
そして、門をくぐり道を進むと、驚きの光景が。なんと巨大な、城のようなネットカフェにつながっていたのです。
受付鬼「ネットカフェ鬼ヶ島へようこそ。ご利用は初めてですか?」
入り口に入ると、まさしく受付ロビーのようなホールがあり、受付鬼がバズっ太郎達に語りかけてきました。
バズっ太郎「フガ(はい)」
あまりの異様さに、困惑しながら受付の問いかけに首肯します。
受付鬼「では、会員証をつくりますので、こちらの名簿に記入をお願いします。」
そういって受付鬼はたくさんの鬼の名前が書かれた名簿を渡してきました。
他の鬼の記入欄に倣ってバズっ太郎達は自分の名前を記入します。
受付鬼「お客様、名簿はフルネームでお願いします。」
そう注意されたバズっ太郎はどういうのとかと名簿を見直してピント来ました。
・井上たかし鬼
・炎鬼
・氷鬼
・秘境探索チャンネル鬼
・影鬼
どうやら、ここの住人は全て最後に鬼がついています。
一行は名前に鬼をつけ足します。
・バズっ太郎鬼
・犬鬼
・雉鬼
・猿鬼
受付「では、お部屋へご案内します。鬼ヶ島の住民は、鬼ヶ島の回線を使い、この鬼ヶ島サーバー内で各住人とSNSでコミュニケーションをとっています。コミュニケーションとりたい相手を検索すれば、その相手がいるコミュニティにいくこともできますよ。あ、もちろんオープンコミュニティにいる場合ですが。」
そうつらつらと説明していきます。
鬼ヶ島の情報があまり外に出てこないのも納得です。ネットのコミュニケーションが閉じていて、鬼と交渉しようとしたら、鬼ヶ島に潜り込まないと難航する環境だったのです。
各々の部屋に案内されるバズっ太郎一行。
部屋に案内されるまでの廊下はとても広く、ドリンクバーや飲食コーナーも充実してて、ドリンクバーや飲食コーナーというよりも、もはや食品街、市場といったほうが適切な規模でした。
案内板の見取り図を見ると浴場すらも、かなり大きくスペースがとってあり、温泉のような設備と広さがあることがわかります。
案内される道中で見かけた各部屋も、ネットカフェの個室ではなく、それぞれが長屋のような形になっており、暮らすことすらできそうです。このネットカフェ鬼ヶ島が、もはや1つの街として機能しているようでした。
そうして、とうとうたどり着いた各々の部屋。中はパソコン、椅子、テーブルと、そこは一般的なネットカフェと設備は変わりませんでした。しかし、やはり部屋の広さがあるのでかなり圧迫感がなく快適さがありました。
バズっ太郎は、あまりの鬼ヶ島の様子に呆気にとられながらもパソコンのスイッチをいれました。
おそらく、犬達も別の部屋でそうしているでしょう。
そうして、パソコンをつけると、なるのど確かに
「ONI-community」というSNSサービスがありました。受付がいってたのはこれでしょう。
バズっ太郎はそのサービスをクリックすると、まずは犬、猿、雉の名前を検索して呼び掛けました。
3匹はすぐに呼び掛けに答えてくれました。
犬「いやぁー、なんか、なんていうか、すごいところですね。」
雉「温泉もあるのは驚きましたわ。」
猿「うまそうなご飯もあったよ。部屋の中で食べていいのかな。」
思い思いに盛り上がっています。
バズっ太郎も気持ちはわかりますが、そこで気を締め直します。
バズっ太郎「気持ちはわかるが、今はそんな場合じゃない。件の鬼は、開示請求したからある程度の情報はわかってるんだ。検索して、けりをつけに行こう。」
そういって、バズっ太郎は検索リストに目的の鬼の名前を打ち込みました。
鬼ケ島=快活クラブのレベル100という頭の悪いイメージで描写してます。




