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黒ローブの男

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にし、友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨してた。


時期は夏。

後輩のクリームの誘いでダンジョンへ行くこととなった。


そこで地下深くにいるはずである、サイクロプスが何故か浅い階にて出現。

サイクロプスを倒すべく俺達は休憩所へと避難要請をしに行ったのであった。




「サイクロプス!?」

 ギリシャ神話に登場する巨人の名前だ。

 

 鍛冶屋としての武器生成。

 そして巨人として怪力の解釈の2パターンの解釈が可能であり、知名度も地味にあるために土魔術使いでは彼の伝承を基本としたスタイルがそこそこ人気があった。



「狭いと事故の可能性あり!休憩所で戦闘を行うため先に行き伝言頼む!」

「主君とカノン殿、頼む!」


「了解!」

 休憩所で戦うから後ろに下がり休憩している人へ報告をしろってことだろう。



「アリシャ殿はアグラの護衛。アグラは私の補助兼周りの確認を頼む!」


「「了解!」」






 アルトが時間を稼いでくれている間、俺とカノンは休憩所へ全力疾走をしている。

 そして休憩所まで後少しと言ったところで1人の男が前に見えた。



 身長170後半で黒色のローブを羽織って全身を隠している見るからに怪しい男。

 しかし見るからに怪しいと言ってもそう言うファッションだろうし、ここは警告して休憩所まで行くべきだろう。



「敵だ。攻撃するぞ。」

 そうカノンに言われる。

 



「良く分からんが了解!加速魔術(アクセル)!」

 俺の足元、次に足を置く場所に術式を展開する。


 過剰に魔力を入れた上で回路を不安定な形で作成し、魔術を暴走させる紋章術の裏技。術式暴発(オーバーフロー)

 俺は風弾という魔術を使用し、自らの脚にダメージを与えながらも超加速をするという戦法を使っていた。


 その戦法をより安全に、ノーリスクで作りだした改良魔術。

 ただし単純な加速力は落ちてしまった。


 術式から生み出される突風が前かがみとなった俺を加速させ黒ローブの男へと一気に接近する。


 

兔脚一撃(ラビットストライク)!」

 元はただの強化された蹴りだったが、こちらはアルトの武具一体化魔術を見たときに閃いた改良版。

 足の表面に風属性の術式を作り、風により一撃を寄り強化する飛び蹴りだ。

 

 一撃入れたら術式が破壊されるため、連撃には向かないのがやや難点。




「九道。」

 黒ローブの男が呟くように言葉を放つ。

 直後兔脚一撃(ラビットストライク)が腹に直撃する。



「なッ!」

 何かを呟いたが避ける様子も無くそのまま後ろに吹っ飛ばされ、何故か上がる土煙と共に視界から消える。



「手応えは!?」


「手応えあり・・・・・・だが動きが妙だ。」

「術式展開無しな上、回避すら行動しようとすらしなかった。」

 内臓を潰し致命傷を与え・・・・・・与えたら駄目じゃないか!。

 少し気分が悪くなる。自分の軽率な行いに対する戒めか?。



「殺っちまったかも。」


「そうか。できれば捕まえたかったんだがな。」


「てかアイツ誰なんだ?」


「知らん。」


「知らんってオマッ!!!」

 知らんやつを殺させたのかよこいつは。

 

「お前が敵と分かる相手=それ並みに実力がある相手と判断したからこちとら殺す気ぐらいで攻撃したんだぞ!!!」


「悪かったって。説明不足なのは癖だから気を付けるよ。」


「自覚してるなら最初から気を付けろ!」


「緊急時だから許せ」

「ちなみに俺の能力は俺に対する悪意、敵意を感じることができる。」


「くそチート便利能力じゃないか。」


「ああ楽だぜ。その分人を信用できなくなるがな」

「だから」

 そういうとカノンは晴れかけている土煙に向けて左腕を向ける。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 直後カノンの後ろに5×5メートルの通路を埋め尽くすような複数の中魔術程度の術式が大量に展開される。



「エンタープライズン」

 直後術式から黄緑色のビームが大量に放出される。

 大量のビームが黒ローブの男らしきシルエットに向けて放たれる。


 本来は魔力というのは自分自身のみしか感知できなく、特殊な術式を使うなり特殊な魔具を使わないと分からない。

 しかし放たれた超濃度の魔力は肌で感じられるほどに、規格外の強大な一撃であった。


 

 放たれたビームは空気を焦がし、人を殺すには過剰過ぎる火力で黒ローブの男を包み込む。





「どう考えてもオーバーキルだろ!」


「ちょっとやりすぎた感はあるけどな」

「実際問題()()()()()()()()()これが。」

 

「突風」

 土煙を晴らすために殺傷能力の無い風魔術を使用する。


 カノンの放ったエンタープライズンの先を見る。

 破壊困難と思われたダンジョンの壁がえぐれているが、再生途中なのかどんどんと戻ってゆく。


 そしてその奥、破壊されていない床の上に黒ローブの男は立っていた。



 一切殺気も出さず、強者特有のオーラすら感じない謎の男が。

 俺とカノンの一撃を喰らってすら何事も無かったように立っていた。



ここまで読んでくださりありがとうございます。

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