選ばれた者
異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。
友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨してた。
時期は夏。
夏休みによって大変便利であった魔術学校の図書室が使えなくなり、魔術の研究をどうするかと考えてた結果、共同で屋敷を買うことにした。
売買人に屋敷を案内された。
「ここが今一番お勧めの屋敷となります。」
と言って屋敷の中を紹介された。
「思ったより保存状態が良いな。」
というより普通に保存状態が良い。
新築と言っても割とばれないぐらいには問題ないだろう。
「基本的には状態保存の永続魔術が仕掛けられていますからね。戦闘が無い限りは掃除すれば新築に近い状態となります。」
「ちなみに値段は?」
「はい!お安くしてお値段金貨二百万枚の袋となります!」
「やっす!」
この世界の家の値段は分からんにしろ、日本円で言えば約2億円だろ?。
どう考えても安すぎる。
「そうだぞ。いくら安くしてくれるとはいえ、流石に安すぎないか?」
「いえアルトお嬢様。安くはしておりますが、赤字になるほどに安くはしておりません故安心してください。」
「逆にそれだけ安いってのは安心できないが。」
「ああ。もしかしてここは事故物件か。」
「流石ご察しのよい・・・・・・。昔に殺人鬼によって殺された屋敷で、今だに買い取りてのいないという曰く付きの屋敷となっております。」
「まあいいや。皆は大丈夫か?」
「俺は大丈夫だ。」
内心幽霊とか死ぬほど怖いけど、格安物件を逃すわけにはいけない。
聖魔術とか言う幽霊に対して効果のありそうな魔術の使い手が2人もいるんだ。大丈夫だろう。
「私はそういうの気にしない・・・・・・。」
「僕も大丈夫ですよ!」
「まあそうだな。強いて言うなら認識阻害の結界が雑かな。」
「リーシェ様。私は魔術に詳しくありませんが、それは見て分かるようなものなのでしょうか?」
「他の魔術分からないですけどね。結界はかなり綿密に組まないといけなく、少しのズレるだけでも効果が落ちるんですよ」
「だから結界は作成者の影響を最も受ける魔術と言われているんですよね。」
そう言って塀を登り、結界に右手で触れる。
「魔術分析」
前世で使っていたルーティーンを開始、魔術を使わないで魔術の分析をする。
「うん。この程度なら触れれば結界解除できるな。」
「な・・・・・・!」
するとアルトとアリシャが驚いている。
「あれ?俺何かやっちゃいました?」
「どう考えてもおかしい・・・・・・!結界を力押し以外で壊すなんて!」
「そうだぞ!専門家が数時間に及ぶ解析によってようやく解除できる。それが結界だ!」
「いやほら。この結界の魔具を作って奴は多分下手だよ」
「流石に一流の魔術師が作った結界は一瞬では壊せないよ。」
「えーっとですね。名前は書かれていませんが、ここの屋敷の魔具を作った方はかなり有名な魔具職人らしいですよ。」
カイバから補足が入る。
「誰が作ったかじゃなくて、どんな出来なのかってのが大事だからなぁ。」
実際この世界の魔術は・・・・・・特に結界は全体的に雑だ。
というのも、地球は魔素が薄いために正確でちゃんとした魔術以外は不発なり、弱くなって発動するために”正確に発動する”ということを最初に死ぬほど鍛えられるらしい。
逆にこっちの世界だと、ある程度雑に作っても威力が変わらずに発動してしまう。
なので雑だし、結界なんかはこの結界のように穴があっても発動できるから簡単にやぶれそうだ。
「流石に古代級だったり、城級のは無理だろうが・・・・・・主君は中々に凄いことをさらっとやってのけるな。」
「後でその解除方法教えて・・・・・・!」
「凄い凄い!主殿すごーい!」
地球の知識をそのまま使っただけだから褒められるようなことはしてないんだけどな。
まあ美少女に褒められるのは悪い気もしないし別にいいや。
「流石です。それでこそアルトお嬢様が主として認めた人間です。」
男に褒められても嬉しくないが、流石にそれを言うほど馬鹿ではないのでぐっと心にしまっておく。
「男に褒められても嬉しくないけどな。」
しまっておきたかった。
嘘!?なんで出たの!?。
「おい、カイバ。やめておけ。」
「失礼失礼。リーシェ殿は何も悪くありませんよ。」
「いやこちらの失言でした。申し訳ない。」
「主君は謝らなくて良い、その発言をさせたのはカイバだからな。」
「何故に?」
「主君は割と思ったことを口にする人間ではあるが、それにしても変だとは思わなかったか?」
「うん・・・・・・初対面の人に対してああいうことは言わないと思う。」
「それもそのはず、カイバは独特の会話術によって隠し事がしにくくというか・・・・・・考えたことがぽろっと出てしまうような人間なんだ。」
「そんな独特な感じしたか?」
「悪い人じゃないとは思ったけど・・・・・・。」
「まあそんなわけでこいつには気を付けておけ。私もうっかり性的趣向のことを言ってしまって大変なことになった。」
「私は女性同士も良いと思いますよ。」
「俺も男なんていらないと思うぞ。」
「なるほど・・・・・・やはりそういうことでしたか!」
「アルトお嬢様をよろしくお願いします。」
ああ。多分部下としてよろしくってことだろうな。
「そういえば・・・・・・私って主君たちに自分の性的趣向の話はしたかな?」
「したよ。記憶にないだけで。」
カノンに聞いたんだが、なんか陰口みたいになるから隠しておく。
「とりあえず魔具の書き換えをしたいんだが・・・・・・許可取らないとなんでしたっけ?」
「そうですね。研究員立ち合いの元での書き換えならば問題ないでしょう」
「今から通信の魔具で連絡しますね。」
そう言ってカイバは屋敷の外へと行った。
「ああ。頼む。」
そういえば通信の魔具って個別への連絡しかできないはずだが、許可を取るところへ繋がっている通信の魔具がどこかにあるとかだろうか?。
「少々時間がかかるようですので、皆さまくつろいでいてください。」
「弄らない程度に術式見ても大丈夫ですか?」
「何もしないとは思いますが、念の為私が監視させていただきます」
「それでも良ければ。」
「大丈夫です。ではお願いします」
「アリシャは来る?」
「暑いから・・・・・・ここで休憩しておく。」
「申し訳ございません。冷却の魔具は取り外しておりまして。」
「大丈夫・・・・・・です。」
「んじゃ悪いが行ってくる。何か収穫あったら教えるわ。」
「よろしく・・・・・・。」
そうしてカイバに地下へと案内された。
地面に刺さる形で、直径2メートルはある巨大な魔石・・・・・・いや、魔具がそこにはあった。
「おお!でかい!」
「屋敷の結界を常時展開しているわけですからね。これぐらいの大きさは必要となります」
「技術が発展したために今はここまでの大きさは必要ありませんが・・・・・・十六年前。この屋敷が建てられた当時はこの魔具が最先端の技術でした。」
「ほーん。じゃあみますね。」
魔具に手を触れて術式を確認する。
量自体はかなり膨大だが、色々と作りが甘い。
地球の技術を合わせることで、魔石の大きさも込みでこれは中々に面白いことができるのではなかろうか。
「中々に良いですね・・・・・・!」
「とりあえず中身の確認は大まかに終わったので、後は研究員の方が来てからやろうと思います。」
「おお!とても早く素晴らしい。」
「ありがとうございます。」
「流石・・・・・・選ばれた者ですね。」
「・・・・・・は?」
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