↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/179

一人目の聖騎士

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。


友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨している。


そして俺は国の最高戦力の1人であるアルトに土下座して”聖女を助けてほしい”とお願いされ助け出した。


その数日後。話があると聞きアリシャと共にアルトの家へと赴いたのであった。




「それでリーシェ殿。私は露出していればそれだけでエロいと思う・・・・・・じゃなかった、ジェミニに対しての質問についてだな。」

 確実に聞いてたなこいつ。


 てか、ぼける余裕があるぐらいだしアリシャの言う通り精神面では安定しているのかもしれない。


 アリシャは自殺した人間のメンタルが壊れていく様を間近で見てきた人間だ。

 俺が偉そうにうんちくを語れる立場ではない。



「私の質問に答えてくれたが・・・・・・残念ながら、彼は転生者じゃなかった。」


「てか今更だがここで話して大丈夫なのか?」

 使用人とかに聞かれないか心配しかない。


「こっちは防音部屋だ。問題ない」

「盗聴の魔具が無いことも確認している。」


「なら安心させてもらって話すとする」

「しかし怪しいジェミニ?ってやつが転生者じゃないとなると振りだしに戻るか。」


「あくまで良い家に生まれる傾向にあるだけらしいからな。才能無く生まれる場合もあるだろう。」

 

「確かにな。そもそもバウントにいるかすら分からないわけだし、1番の特定に関しては放置で問題ないか。」


「ああ。それと赤子の時に殺された三番についても分かった。」


「分かったのか・・・・・・。」


「名はサラブレッド・ザンシ。十四年前にバレルド・グドウにて両親と共に殺された下級貴族だな。」


「そんなことあったんだ・・・・・・。」

 魔術に関しては詳しいアリシャが知らないようだ。


「まあ時期的にはアリシャも赤子だし仕方ないだろう。」

 

「いや、これに関しては知らないのも仕方ない」

「シャーベッド家の殺人事件同様、基本的に魔術師が殺害されたというのは隠蔽され親しい貴族以外は知らないようなものだ。」

 シャーベッド家って、どこかで聞いたことある気がする。


 まあ忘れるってことは対して重要な貴族じゃないのだろう。


「・・・・・・って!シャーベッド家で何か事件があったの!?」


「それ以降は秘密だ。気になるならもっと強い権力を持つべきだな。」


「てかそういうのって隠蔽できるものなのか?」

 

「下級貴族が一族皆殺しにされた場合はそのことは貴族内で伝わる・・・・・・が、領主や一般市民には伝わらないしそれ以降理由が無ければ話さないから当時を知る人間以外には情報は伝わりにくい。それこそザンシ家なんかはそうだな。」


「上級貴族が一族皆殺しになったら流石に話題になるけど・・・・・・なってないってことは、そこまで被害が大きくなっていないってこと?」


「ああ。アイス殿とマルガリータ殿が殺されただけだ。」


「・・・・・・大問題じゃない!」

 話についていけない。

 知らない名前がたくさん出るだけで理解が追いつかない。


 てかなんか普通に事件の内容を喋ってるけど大丈夫なのか?。 

 なんか思ったよりこいつポンコツだな。


「理解してないようだから説明すると・・・・・・当代の氷結の親・・・・・・要するに、元”氷結の魔術師”とその妻が殺されたって話。」


「凄い大問題じゃないか!」

「てか、それって隠蔽できるものなのか?」


「実際にしてたから・・・・・・。」


「他国で言うお茶会のようなものは稀だからな。貴族同士は家での繋がりか、魔術学校で知り合ったぐらいでしかつながりが無い」

「特にシャーベッド家はシュトロハイドではなくカースに引っ越した。他の上級貴族ならば隠蔽は無理だが、シャーベット家ならば可能だったんだ。」


「なるほどなぁ。」

 カースってのは、確かバウントで6番目ぐらいに大きい町だったかな。


「ってかいつ起きたの・・・・・・?誰に?」


「一年ほど前で犯人はまだ見つかってない」

「リーン殿はその事件もあって、当代の氷結の名を受け継いだ後に傷心旅行に出かけているそうだ。」

 大丈夫なのかそれ。


「そう・・・・・・ていうか、二つ名持ちが殺されるってのはただ事じゃないよね。」


「当時は小規模ダンジョンの巨大モンスター討伐をしていたらしく、その隙を狙われたのではないかと言われている。」

 

「この前の聖女の件といい・・・・・・国を潰そうとしている人達がいるみたいだね・・・・・・。」

 やばい話に全くついていけてない。


 要するにあれか。

 凄い人が小規模ダンジョンの巨大モンスター狩りをしていた時に不意打ちされて殺されたってことだな。



「リーシェがついていけてないから・・・・・・この話は今度カノンを入れてやっておくよ。」


「いやいや、そこそこついて行けたという自負はありますぞ?」


「確実についていけてないな。とりあえず私からの報告は以上だ。そちらは何かあるか?」


「私は無い・・・・・・けどリーシェはあるみたいだよ。」


「え!?」

 何かあったっけ?。


「ほら、体調のこと。」


「ああ。そうだな・・・・・アルトさんや?」


「どうした?」


「いや・・・・・・そのですね?」

 とても話題を切り出しにくい。



「アルトがどう見ても精神的にやられてるから・・・・・・そこは大丈夫かって気にしてたよ。」


「アリシャの言う通りだ。大丈夫なのか?」


「安心してくれ、大丈夫だ」

「なんて言えるような人間なら良かったんだがな。まともに睡眠もとれなく疲弊している。」


「やはりバランドが密偵だと判明したことか?」


「まあな・・・・・・今まで信頼し尊敬していた父の姿がいきなり変わったわけだからな」

「情けない話だがとても不安だ。今は騎士の仕事は休ませてもらっているが、復帰できるかすら怪しい。」


「情けなくないさ。人間そんなものだ。」


「父を目標にしていままで進んできたからな。今は自分が何をすればよいか、どこに進めばよいか分からない」

「未来がどうなるか分からなく、倦怠(けんたい)感に包まれているよ。」


「ああ・・・・・・その気持ち分かるよ・・・・・・。」

 すまん一切分からない。

 

 いやな?中学生の時とかの、将来に向けたふわっとした不安とかは分かるけどもさ。

 それ以降は復讐に必死だったからそういう気持ち一切分からないんだよなぁ。


 転生してからもちゃんとした目標があるし、アルトが悪いってわけじゃないけどその気持ちは分からない。



「じゃあさ。信頼できる心の拠り所があれば少しは良くなるのか?」

 そう提案する。


「あ・・・・・・ああ、だがそんな心の拠り所が無いんだ」

「長く仕えている使用人は信頼しているが拠り所にするような人間じゃないし、正直国王すら今は信じられない。」

 それなら、と俺はアルトに向けて提案をする。



「じゃああれだ。俺の部下になれ。」


「・・・・・・はぁ!?」


「俺は世界を救うなんて言うバカげた目標があるんだ。なら戦力は多いに越したことはない」

「そしてアルト、お前は俺と一緒に目標に走れる。とても良い提案じゃないか?」


「それって仲間とかじゃダメなの?」

 アリシャが小声で質問する。


「今のアルトは前に引っ張ってくれる人が一番なんだ。それなら仲間より部下の方が分かりやすいと思う。」

 小声でアリシャへと返す。



「ああ・・・・・・でも私なんかじゃ・・・・・・。」

 アルトってこんなにネガティブだったかな。



「じゃああれだ!俺がアグラを救うときに”何でもする”って言ったよな?」

「じゃあそれの権利を行使する!」


「なっ・・・・・・!」


「アルト!・・・・・・いや、聖騎士アルト・ブリュスタン!お前の力が俺には必要だ!」

「俺の部下になって共に世界を救ってくれ!」


「・・・・・・・・・・・・ああ分かった。」 

 するとアルトの表情が変わる。

 覚悟を決めたような、まさに騎士と言わんばかりの凛々しい顔。


 

「我が剣を主に捧げる。命と共にリーシェ殿・・・・・・私は貴方に一生ついて行く。」

 俺の前でアルトが(こうべ)を垂れ、俺の手の甲に口づけをする。



「お前が一番最初の部下だ。これからよろしく頼むぜ。」






▼黄金の騎士が部下になった!

ここまで読んでくださりありがとうございます。

感想、レビュー、ブクマ、評価等を頂けるとモチベーションが上昇するためにしていただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。