情報整理/2
異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。
友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨している。
そして俺は国の最高戦力の1人であるアルトに土下座して”聖女を助けてほしい”とお願いされ助け出す。
その後宿に戻り今回の騒動の騒動についてアリシャへと話そうとするもの、アルトが”俺が殺された”と言うトップシークレットを暴露してしまった。
「へぇ?殺された?へぇ?」
「待ってくれ落ち着け。まずは落ち着こう。」
「アルト。それは確実に失言だ。」
「ああ。すまなかった。」
「いや…・・・恋人に対して隠し事はしたくないから大丈夫だ。」
さっき事実を隠そうとしたが、まあ気にしない。
「えーっとな。ようするにですね」
「俺はバランドに殺されたっぽくて、その後アグラに蘇生してもらったんだよな。」
「聖女って人を蘇生できるとは聞いたけど・・・・・・本当だったんだ。」
「正直俺も蘇生された時は驚いたよ・・・・・・完全に頭から抜けていた。」
「なッ・・・・・・。」
アルトが一瞬固まる。
「もしかして蘇生が頭に抜けていた状態で突っ込んだというのか!?」
「いやぁ。あのままでも死にそうだし、やれるなら最後に突撃しようかなと」
「だって頭から突っ込めって命令したよな?」
「そんなわけないだろ!大怪我をしている味方に対してそんなことを言う鬼畜な人間じゃない!」
「いやぁ、なんて合理的な判断だと感動したんだけどな。」
「合理的も過ぎれば非人道的なだけだぞ・・・・・・。」
カノンの突っ込みが入る。
「まあいいや。」
「いや良くはないぞ。」
「さて、まずは時系列順に話していくとするか。」
アグラを様子見するが、流石に被害者本人が話すのは無理だろう。
「というより、アグラは話を聞いていて大丈夫か?」
「話すのはちょっと厳しいけど・・・・・・大丈夫」
「間違っているところがあったら・・・・・・頑張って訂正する。」
「ああ頑張ってくれ。えーっと・・・・・・一番古いのは誰だ?」
「多分俺だな。」
そう言ってカノンが挙手をする。
「今回の騒動に関してはカノン殿の持っている資料の伏線を見ながら、各自補足をして行くのが良いだろう。」
「そんな露骨な証拠があるものなんだな。」
なんとなくスパイってそういうのは残さない印象があった。
「俺達からすれば不思議ではあるがな・・・・・・こういう活動日誌を残すのはこっちの密偵だと基本なんだろうな。」
「なるほど。チキュウとやらの密偵とこっちの密偵では色々と違うようだな。」
アルトがとても恐ろしい発言をする。
「・・・・・・うん?」
「安心してくれ。君がチキュウという場所から転生?したというのは神様から聞いている」
「そして先ほどの発言から、カノン殿も同じく転生者というのは分かった。」
「そうなのか。じゃあその辺は意識しなくて大丈夫だな。」
「ああ。あまり簡単に受け答えをしない方が良いと思う。今のは鎌かけだからな。」
「俺達仲間だよね!?」
「バランドとの戦いの時に思ったのだが・・・・・・リーシェ殿はどうもそう言う精神面での探り合いは苦手なようでな」
「もう少し危機感を持って欲しかったんだ。」
「ってか、これアリシャに対して秘密だったらどうするつもりだったんだ?」
「ふっ・・・・・・。」
そう言ってアルトが固まる。
「まあ恋仲に隠し事は良くないだろう。」
「そうだな。」
まあそうなんだけどさ、ここでばらすのはどうかと思うけどな!。
「ちなみに言っておくと、リーシェ殿が転生者?というのは神様から聞いた」
「気になったのはカノン殿の方だな。」
「もっと発言には気を付けろよ?」
「はい・・・・・・気を付けます・・・・・・。」
「とりあえずやっていくか」
「アグラは6歳の時に村を魔物に襲われた。それにより姉が死亡し、聖魔術の力に目覚めた。」
「魔物に襲われた!?」
ダンジョンから出てくるような魔物は基本的に弱く、村の警備で対処可能なレベルと聞いた。
「存在しないと思われていた飛行型のモンスターに加え、モンスターの数自体もとても多かった」
「飛行型のモンスターが入りこみ内側から門を破壊し、一斉にモンスターが入りこんだんだ。」
そうアルトが発言する。
「そこまで書いてあったか?どこか見落としたか・・・・・・。」
「いや、あれは私の当時の思い出だ。」
「もしかして・・・・・・アルトはイシュタル村の襲撃の当事者だったりするの?」
「イシュタル村の襲撃?」
「さっきのモンスターの襲撃のことだね」
「七人もの死者が出たって言う大事件。今まではモンスターによって人が殺されることなんて稀だったから・・・村を襲撃した上でこれだけ死者が出たから当時はかなり話題になった。」
なるほど。俺は完全に知らなかったんだがな。
「その顔は知らないって顔してる・・・・・・まあ不安になるって理由で、村の子供には情報を伝えてない可能性はある。」
「なるほど。そのイシュタル村の襲撃の当事者ということなんだな。」
「ああ。そして私はアグラの実の姉である。」
「死んだって言ってなかったっけ?」
「その飛行型のモンスターによって連れ去られた・・・・・・らしい。」
「らしいとは中々に含みのある言い方だな。」
「というのも、恐怖のせいか当時の記憶が曖昧でな」
「何せその頃は記憶喪失となっていたんだ。」
俺と同じ・・・・・・ではないか。
「そして記憶の無い状態で保護され、バランドの養子となったんだ。」
「ちなみに記憶喪失と言ったが、どれぐらいで記憶が戻ったんだ?」
「なんというか説明は難しいのだが・・・・・・ゆっくりと記憶が戻っていく感じだ」
「そして数日前、聖女となったアグラと対面した・・・・・・時にすべてを思い出した。」
しかし記憶が戻ってなお特に変化が無いようだ。
記憶が戻ったら少しは変化があるイメージなので、あまり変わっていないのは意外だ。
ってよりは、精神的に不安になっている状態のアルトか仕事モードのアルトぐらいしかみてないから断言は早いか。
「もしかしたら何者かに記憶操作の魔術をかけられていたのかもな。」
カノンが軽口を叩く。
「てか記憶操作系の魔術ってあるのか?」
今まで色々こっちの魔術を調べていたが、精神干渉系の魔術は殆ど無かった。
さっき使われた”通仙散”が初めての精神干渉計の魔術となる。
「禁術扱いとなっているからな・・・・・・そもそも存在したことを知っている人が少ないだろう。」
「ふーん。そんなにやばい魔術だったのか。」
「精神的に不安定な状態でしか使えなく、使われても解除が可能って言う欠陥魔術だけどな。」
「もしかしたら改良してやばいことになってるかもだから警戒はしておかないと。」
「人間の構造上、雑に使って操るなんてのは不可能だ。」
「まあそれなら良かった。精神干渉系は初見殺し多くて対策めんどくさいんだよな」
「・・・・・・ってか、一応は禁術扱いなのにそんなこと喋って大丈夫なのか?」
「・・・・・・・・・まあ黙っていれば問題ないだろう。」
どうやらこいつも疲れているようだ。
バランドのことわざに気がつかなかったのも含め、かなり注意力が落ちている。
「まあいいや。聖魔術に目覚めた後は国に保護されえ聖職者見習いとして教会で働いていた」
「しかし聖女になるためには生娘ということが大事ということもあり、仲良くなった男は裏で手回しされていたらしい。」
「暗殺とか?」
「暗殺は最終手段っぽい」
「基本的には関わらないように進め、それでも離れないなら事故に見せかけてって感じ。」
「その後12歳になったと同時にゲステラの勢力によって半監禁状態となり、足を切り落とされたらしい。」
「足を切り落とされた?」
「ああ。簡単に移動されないために膝から下を切り落として焼いたそうだ。」
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