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おお勇者よ、死んでしまうとは情けない

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。


友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨している。


そして俺は現在、国の最高戦力の1人であるアルトに土下座して”聖女を助けてほしい”とお願いされている。


その後聖女であるアグラを助け出すため俺は城へと忍び込みアグラを攫った。


友人に敵の足止めをお願いして逃走し、後一歩のところで逃げられる……というところで近衛騎士・バランドとエンカウントし殺されてしまう。


そして目が覚めると、そこは知らない空間だった。




 目が覚めたら知らない空間だった。

 周りは青いが何もない。


 見える限り地面以外何も存在しない。

 そんな歪な場所。



「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない。」

 すると後ろから声が聞こえてきた。


 男性と言えば男性のような。

 女性と言えば女性のような。

 とても中性的な声だ。


 振り向くと、先ほどまで何もなかった場所に人型の何かがいた。

 長いロングの金髪にジト目をしてこちらを見ている女性。


 しかし顔が女性で、胸もそこそこ出ている点から女性と思ったが……こいつはそもそも人間ではない。



「中々俗に染まった神様だな。」

 そうだ。こいつは神様だ。

 

「あれ?前にあなたが言わなかった?」「死んでまたここに来たらこういってほしいって。」


「俺は死んだのは今回が初めて……ではないか。」

 そうだ。そもそも前世で俺死んでる……え?俺死んだ?。


「嘘だろ!?俺死んだのか!?」


「なんて鈍いんだ……。」

 そうだ、確か俺はバランドに殺されたんだった。


「ってああ、あなた二番なのね。」


「二番?」


「番号さ。私は人なんてちっぽけな存在の個人名なんて覚えてないからね。」


「ってことは誰かと間違えたのかよ!」


「うん。三番と間違えちゃった。」


「適当だなぁ……。」


「あなたは蟻を見て完璧な個体認識ができるんですか?」「私からすればそんなものなんだよね!」

 そうだ。今俺の目の前にいるよくわからない存在のものは神様。

 正確には星の声だ。


 星の代表と言うべき存在であり、分かりやすく言えば星の擬人化と言ったところだろう。


「まあいいや。俺はこの後また転生するんですか?」


「うーん……年齢的にちょっと厳しいかなぁ。」


「年齢制なのかよ!?」

 ってなると前世の俺って15歳より年下なのか!?。

 いや、もしかしたら逆に若すぎるとだめなのかもしれないから分からないか。


「ちょっと違うって言うか……三番をまた転生させたときは何とかなったけど、今君を転生させても間に合わないんだよね。」


「3番さんは俺より前に亡くなったんですか?」


「そうそう。赤ちゃんのころに狂気に染まった科学者・・・・・・エイゴ風に言うとまっどさいえんてぃすと?に殺されたんだよね。」


「その人はまた転生したんですか?」


「そうそう。ぎりぎり転生しても間に合う時期だったから何とかなったんだよな。」


「と言うより間に合うって何がですか?」


「この星の危機にだよ?」





「この星の危機って……何というか大雑把な。」


「う~ん。でもそうとしか言いようが無いというかねー。」

 となると俺達は星の危機を救うために送り込まれた存在ということか・・・・・・。

 色々謎があるが、1つづつ聞いて行くか。


「と言うより、知り合いの転生者はそんなこと知らないって言っていましたが。」

 カノンは転生させられた理由を知らなかった。

 嘘をついている可能性も無くはないが、ここは信じておこう。


「ええそうね。最初の人にだけ伝えてたんだけど……そしたら怒られたからそれ以降は説明無しなんですよね。」

 誰に怒られたかは分からないが、次の質問に行く。


「わざわざ俺達を送り込むってことは、もしかして神様ってあんまり力が無いのですか?」


「なんていうかねー。難しい話なんだよねー」「力で言えば、やろうと思えば星を壊すこともできるし凄いとは思うぞ。」


「まあ自害するようなものですからね。」


「台風を起こしたり、津波を起こしたりで攻撃することも可能ですしね。」

 何故口調が安定しないのか。

 凄い違和感があるがそこを聞く意味は特にないしスルーしておこう。


「ただ、それによる二次災害のせいで私は力を思う存分発揮するという機会が無いんです。」


「というと?」


「例えば台風を起こすじゃないですか。すると攻撃したい対象以外にも被害がありますよね?」


「まあそうですね。」


「私が自然の物理法則を無視するほどの力を振るうためには、その周辺の命から拒否をされてはいけないんですよ」「ですが、台風のような大規模な攻撃となると他の小さな命に拒否をされるために力を振るえなくなるんです。」

 中々にめんどくさい制約だ。

 実質的に力を使えないも同然だろう。



「一応、少しだけ手をくわえる程度のことはできるので自分はそれでアナタチの補助をしている感じですね。」


「ちなみにどれぐらいのことができるんですか?」


「台風を即生成はできませんが少しだけ台風が生まれやすい環境にする程度のことのような、”発生しやすくする”程度の力は振るえます」「更にいえば聖女とか言われている人に対して言葉を伝えているのも私」「更に言うと、あなたたちの転生に対しても私が力を使っているよ。」


「ちなみに他の転生者って何人いるんですか?」


「貴方を除いて四人だわ。」

 となると合計で5人か。

 俺とカノンを除いて後3人か。

 

 と言うか、転生の時に関われるならもうちょっと分かりやすいチート能力とかよこせよ。



「もしかして転生の時って……俺達は特典とか無かったんですか?」


「流石に常軌を逸した力は与えれないから、良い家系に生まれさせてあげるってぐらいだね。」


「一番くんは近衛騎士の子供に」「二番は特級冒険者夫婦の子供に」「三番ちゃんは優秀って言われている下級貴族の子供に」「四番は二番が驚くほど才能無く生まれたのと、三番ちゃんが殺されたことも含めて上級貴族に」「そして五番は深淵の底……貴方に分かりやすく言えば蟲毒のような状態となっているわ。」「最後の六番は趣向を変えて、ちょっと遠い国の貴族の子供に。」

 なるほど。生まれもっての才能とかは保証できない分、良い血筋から生まれてくるように工作していたのか。


 しかし全部で5人と思っていたが6番まであるぞ?これは計算合わなくないか?。

 ・・・・・・いや違うか、確か3番は殺されてたからその後蘇生されて6番へと変わったってところだろうか。


 というより馬鹿正直に聞いていたが、俺は死んだんだ。

 もうあの時代に戻ることは無いだろう。


 となると俺の記憶が無いことの理由を聞いてすっきりして、そのままフェードアウトするべきだろうな。



「ということでそろそろ準備ができてそうですよ?」


「何のですか?」


「蘇生のだよ?」


「……マジか!」


「マジです、だってあなたの近くには聖女と言われる存在がいたでしょ?」


「そういえばそうだった!」

 そうだ、確か凄い聖女って蘇生もできるらしい。


「よーし!じゃあまた死んだらくるわ!」


「いえ、あなたはもうここに来れないでしょう。」


「あれ?もしかして回数制だったりします?」


「あなたが蘇生可能な人分かって、その上で聖の力を持つ人間に対して語りかけ蘇生するように誘導しました」「そして貴方が死亡直後、私が少し介入してあなたの意識をここに持ってきたの。」


「何故に?」


「本来の死亡後はそのまま魂は宙を舞い、少しして消え去ります」「もしも何かがあったら困るので僕があなたの魂を保護してたって感じなのよ。」


「そりゃどうも。」


「ということで言ってらっしゃい。小さな優者さん。」


「ってよく考えたら俺がきお───

 肝心な問題。

 俺の記憶が無いことを質問できずに、俺は謎の空間から追い出された。


 いや、正確には戻らされたと言ったところだろう。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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