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魔術師リーシェ&聖騎士アルトVS近衛騎士バランド/4

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。


友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨している。


そして俺は現在、国の最高戦力の1人であるアルトに土下座して”聖女を助けてほしい”とお願いされている。


その後聖女であるアグラを助け出すため俺は城へと忍び込んだ。

そこでアグラを攫い逃げ出そうとするも、すぐに見つかり交戦状態へとなってしまう。


必死に戦うも防御不可の攻撃を喰らってしまう。

そのまま死を覚悟したが、友人であるカノンが敵の攻撃を防ぎ助けにきてくれた。


友人に敵の足止めをお願いして逃走し、後一歩のところで逃げられる……というところで近衛騎士・バランドとエンカウントしてしまった。


お互いにかなりのダメージを受けた状態となった直後、見覚えのある少女の増援が到着した。



そして何度か斬り合い隙を見つけたと突撃したがそれは罠で、俺はバランドの大技を受けて吹っ飛ばされてしまう。


動けなくなるほどの傷を負いながらも、俺は新たなる技を作りだしバランドと戦おうとする。


 無理やり立ち上がった。

 バランドに残っている騎士としてのプライドなのか、何故か今の俺に攻撃を仕掛けてこない。


 もしかしたら様子見をしているのかもしれないな。俺が自爆系の技を使ったらバランドを道連れにできるわけだし。



 ・・・・・・さて。立ったは良いが是はどうしたものか。

 少しだけ目を動かして上の方を見る。何か良いひっかけれるものは無いだろうか。


 すると目に入るのは街頭……いや、城の入り口にあるから街頭ではないのだろうか?。

 そんなどうでも良いことは置いておく。


 よくある光源を横に伸ばしたタイプなので、糸をひっかけるように全力で射出する。

 そのままスルリと上を通り糸は落ちる。


 ある程度糸の操作は可能なので、そのままゆっくりと俺の腕と肩に糸をくっつける。

 文字通り命をかけた戦いが始まる。

 


 と意気揚々に思ったものの、糸で動かしてるわけで細かい動きは出来ない。

 そしてこのまま突っ込めばその後の復帰は厳しいだろう。


 糸を準備している間に殺されるしな。


「あ──か───!」

 アルトの声が聞こえる。

 耳鳴りが多少ましになったとはいえ上手く聞こえない。


 しかしアルトとの交流はそこそこあるわけで、さっきまでは共闘していた仲だ。

 ほんの少しの情報からもアルトの言いたいことは分かる。


 聞き取れたのは[あ]と[か]だけ。

 つまり頭から突っ込め、ということだろう。


 このまま死ぬであろう俺に特攻させ、その隙をアルトが刺す。

 なんて合理的な考えなんだ。


 この世界の魔術師もやはりそういう思考なんだなと、周りの魔術師との微妙な認識のずれを感じていただけに少し嬉しくなった。



「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」

 叫べてはいないが、気持ちを昂らせるために叫ぼうとする。

 そして糸を操作し体ごとバランドの方向へ突っ込ませる。


 バランドはとても驚いたような顔をしてこっちを見ている。

 俺は今剣を持っていないから、そのまま右腕を糸で操作し突っ込ませる。


 これ以上は糸は邪魔になるために外して飛ぶようにして突撃だ!。





 直後首を斬られ、リーシェ・シャーレイの人生は幕を閉じた。






~少し前・アルト視点~

 

 一体なんだあれは。もはや人の所業ではないだろう。

 目の前の人間を辞めかけている存在にたいして恐怖を感じている。


 しかし術式展開をしていないという点からも死霊魔術ではないと思う。

 リーシェは術式展開を使わない奇妙な魔術を使うが、指令魔術以外の絡め手は存在しなかったしな。


 つまり、リーシェは生きているということだ。

 そのまま無事に帰れるほどの傷かと言われたら……希望は薄い。


 しかしこちらには聖魔術使いが二人いる上、片方は聖女なのだ。

 多分あの状態からでも死ななければ何とかなるだろう……。


 しかりゆっくりと前に進もうとしている。

 これは不味い、早急に止めなければ取り返しのつかないことになる。



「リーシェ!危ないから下がっていろ!」

 リーシェに呼びかける。

 下がれるかは不明だが呼びかける。


 直後、リーシェは前に突撃した。

 

「はぁ!?」

 聞こえなかったのか、はたまた聞き間違えたなりで突撃してほしいととらえてしまったのか。

 

 違う。あれだけの傷を負っているんだ、もう自分の死を覚悟して突撃したのか。

 リーシェ……君の死は無駄にはしない!。


 父に対して止めを刺そうと足を前に出そうとして異変に気がつく。

 足が動かない。


 直後手が震えて止まらなくなる。

 


「なっ……!」

 そう。リーシェの立ち姿を見て騎士の精神状態から、バランドを父に持つアルト・プリュスタンの精神状態へと戻ってしまったのだ。



 不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い。


 直後思考が固まる。

 何をすればよいかが分からない。理解ができない。考えられない。現実を直視でき無い。


 今の最適解は彼女の決死の覚悟を汲んで攻撃に参加することだろう。

 けれど今それは本当に最適解なのか?最適解なのか?最適解なのか?分からない分からない分からない分からない


 そもそも何故私はここにいるんだ?そもそも私は何者だ?

 そもそも父は何をしているんだ?そもそも何だ?なんだ?


 吐き気かする頭が痛い全身が痛い気持ち悪い視界が曲がる立てない歩けない動けない進めない止まれない思考が止まらない理解ができない


 やらなければいけない……あの父をこの手で殺さななかえれればいけない。

 視界が青くなる。時間が止まって見える。何をすればよいか分からなくなる。

 

 リーシェは右手で持っている剣を父に向け、槍のように突撃し父へ攻撃を行おうとしているが遅い。遅すぎる

 あんなの子どもでも避けられる。



 

「やはりだめだったのか……。」

 そう父が呟く。

 

 失望された?嫌われた?

 私はまた父に置いて行かれるの?

 嫌だ。嫌だ。嫌だいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ

 すてないでほしい。わたしをすてないでほしい



「既に死に体の癖に……愚かな。」 

 そう言って父はリーシェの首を跳ねた。

 近づく前に安全に殺したのだ。



 終わった。

また私のせいだ。

また私のせいで死んだ。

また私のせいだ。


聖女は異性しか蘇生できない。

アグラと同性のリーシェを蘇生することは不可能だ。


ならばその意思を汲んで少し剣を動かせばよい。父を殺せばよい。

私が原因で始めてしまったことだ。せめて父を殺さなければ。

それだけなのにそれすらできない。



「動きなさい」

 直後そんな声が聞こえた気がした。

 どこから聞こえたのか分からない不思議な声。


 しかしその声を聞いた瞬間、混乱し何をすればよいか分からない状態から解放された。


 今の私がやるべきことはたった一つだ。

 私のせいで死んだ……いや、私が殺したも同然の少女のために父を殺す。


 リーシェの死体はまだ宙に浮いている。

 まるで()()()()()()()()のように感じるほどの長い自問自答の末にたどり着いた答え。




桜剣(おうけん)・螺旋突き」

 先ほど術式展開し、力を溜めていた剣を全力で前につく。

 同時に回転をかけた上で前に剣の形を得た魔術を飛ばす。


 放たれた魔術は一直線に父の元へと向かう。


 放たれた突きはリーシェごとバランドの胸を貫きく。

 首が無くなり、そのまま慣性でバランドへ突撃していた死体ごと。


 リーシェの決死の突撃に驚いたのか、はたまた他に理由があったのかは不明だが反応がとても遅かった。



「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 恐らくは心臓は貫けていない。

 そのまま突撃して剣による攻撃を行おうとする。

 

 右上から斬り下ろすような一撃。

 体を一つの剣として、女ながらにして大男が放つような一撃を出す戦法。



 剛剣。

 私が騎士団長になる際に父に直伝してもらった秘伝の技。


 桜剣(おうけん)・螺旋突きの攻撃によって判断が遅くなったのか、そのまま左肩から剣が入り一刀両断が決まる。

 それにより体が真っ二つとなり、そのままバランドは絶命した。


 驚くほどあっさりとして最後だった。

 まるで何者かから背中を後押しされているような、それほどまでに綺麗に決まった最後だった。




「別に私は後押しはしていませんよ~」

 直後先ほど聞こえた不思議な声がまた聞こえた。


「怪しい者ではないので安心してください」


「安心できるわけなかろう!貴様は何者だ!」


「私が何者かなんて些細なことですよ」

「そこに転がっている死体の人を生き返らせたくありませんか?」



ここまで読んでくださりありがとうございます。

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