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私の王子さま

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。


友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨している。


そして俺は現在、国の最高戦力の1人であるアルトに土下座して”聖女を助けてほしい”とお願いされている。


その後聖女であるアグラを助け出すため、俺は城へと忍び込んだ。


 昔は人に頼っていた、簡単に助けを求めていた。

 いつからだろう、僕が人に頼らなくなったのは。


 結婚の約束をした、同じ村ムドー君が僕を守るために魔獣に殺されたとき?。

 いつも頼っていた兄が僕を庇って馬車に引かれて死んだとき?

 修道女として教会に尽くしていたときに出会った、赤髪が特徴の冒険者のサデスポ君が僕を守るようにして暗殺者に殺された時?。

 僕を助けると言ってくれた金髪の男に、暗殺者を仕向けたという報告をバランドから受けたときか?。


 僕が頼れば、助けを求めば、寄りかかろうとすればその者に不幸がかかる。

 けれど聖女になれば体を鍛えてはいけないし、アルトのような技術も無いし教えてはもらえないだろう。


 だから僕は人に頼るしかない。けれど頼ればその人が不幸になる。


 けれど信託によって行動全て正しい行動を教えられた僕は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 神託にゆだねるのが僕の最適解であり、信託によって選ばれた人間は僕を守り死ぬ。


 僕には物語のように助けてくれる王子様は存在しない。

 月夜すら入らない窓一つない真っ暗なこの部屋で、今日も僕は(から)を見る。


 もしそんな呪いを破ってくれるような人間が無いのだろうか……。



「侵入者だ!侵入者がいるぞ!」

 するとビー!と言う大きな音がなり、バランドと共に亡命しようとしている騎士が叫ぶ。



「あんの糞騎士が!何デマ掴ませてんだよ!」

 そんな聞きなれない言葉を叫びながら、私の王子さまは扉を蹴とばし侵入してきた。





「ふっざけんな!言ってた騎士の配置と全然違うじゃねぇか!」

 無駄と思いつつもそう愚痴る。

 だってアルトに言われた敵の配置と違うんだもん。


 何が『裏切りの騎士は少数だから最低限の見張りで他は休憩している。アグラがいる部屋の見張りぐらいしか別館にはいないだろう』だ!普通にその辺歩いてて見つかったわ!。


 そんな愚痴をしつつ、俺は今城に忍び込んでいて見つかった。

 ここはシュトロハイドの中心にある城……に後付けで作られた、4つある別館の内の1つ。


 聖女であるアグラが閉じ込められているという東別館に来ている。

 アルト曰く、アグラが閉じ込められている部屋は窓の無い場所な上に下手な攻撃では壊せないので内から入るしかないそうだ。

 外からだと大魔術を何回も当てないといけなく、調整をミスればアルトが死ぬし音でバレるわで一番楽な方法が消えた。


(バレット)!」

 左指から魔力の弾を放出し、裏切りの騎士へ狙いを定め攻撃する。


「なに!?」

 反応はあまりよくない、速度と威力を抑えても避けることはできていない。

 

 (バレット)によってこちらの視線は外れた瞬間、全力で裏切りの騎士の懐に入りこむ。



兔脚一撃(ラビットストライク)!」

 その速度を活かしたまま、体重を乗せた一撃を腹に叩き込む。

 兔脚一撃(ラビットストライク)は思ったより効果があり、裏切りの騎士はそのまま吹っ飛び壁に衝突する。



「動いてないが死んでないよな……?」

 意味の無い殺生はしたくないのもあって刀で攻撃しなかったが、ちょっとやりすぎた感じはある。



「侵入者を発見したぞ!」


「ああくそ!まだ来るのかよ!」

 早くアグラのいる部屋にたどり着かないと、もしかしたら移動させられてしまうかもしれない。

 そんな焦りを感じつつ、裏切りの騎士を倒しアグラの部屋へと向かう。



「貴様!何をやってるか分かっているのか!」

 また裏切りの騎士かよ。地味に不殺を心がけるとめんどくさいだよ!。

 ただ、ここで殺すよりは後で国に裁いてもらう方がこの国のためにもなる。故に動けなくして永続型の拘束魔術で捕まえている。



「確かこの部屋だったな。」

 アルトから聞いた部屋を開ける。

 直後爆発した。



「あんの糞騎士が!何デマ掴ませてんだよ!」

 そんな怒り交じりで近くの扉を蹴ると、そこにはアグラがいた。




 やばいやらかした。

 違うんです。ちょっと苛ついて扉に当たったら偶然アグラの部屋だったんです。


 いや違う。今気にすべきはそこじゃない。



「助けに来たぜ!アグラ!」

 ちょっとさっきので台無しもするけど気にしない。



「え……。」

 引いてる。そりゃいきなりあんなこと口走って扉開けたらそうなるわ。


「んじゃ逃げるか!捕まれるか?」


「助け……に来たってほんと?」


「わざわざここまで問題にして冗談を言う利点が見当たらないな!」


「でも……。」


「でも?」


「私が助けを求めた人間は今まで全員死んだの……。」


「そうか。今の所俺は死ぬ予定はないから問題は無いな!」


「でも……。」


「でもじゃねぇよ!そもそも俺はここに来た時点でもう戻れないから安心しろ!」

「お前を助けて全て円満解決か、このまま殺されてバッドエンド。どっちかの未来しかないなら全力で今の状況を解決する。」


「でも……でも……。」

 

 俺には分からないトラウマがあるのかは知らないが動けないのか。

 理由は分からないが話になっていない、時間が無い状態でこれはとても困る。


 つっても状況が分からない以上は、下手なことを言われて逆効果になってもこまるなぁ。


「じゃあこうするしかないな!」

 そういってアグラを抱きかかえる。


「えぇ!?」


「今から俺はお前を攫う!大悪党リーシェ様の誕生だ!」

「大悪党に狙われた可哀相な姫君はそこで大人しく物語が終わるのを待っていな!!」

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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