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魔力放出・着火男

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にし、友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨してた。


時期は夏。

後輩のクリームの誘いでダンジョンへ行くこととなった。


そこで地下深くにいるはずであるサイクロプスが何故か浅い階にて出現。

サイクロプスを倒すべく俺達は休憩所へと避難要請をしに行くも謎の男と出会い、逃げるために最下層まで落ちてしまう。


そこで巨大ボスを倒した少女、氷結の魔術師と戦うことになってしまう。





「術式暴発(オーバーフロー)・風弾!」

 間に合うかギリギリの場所、ここで出し惜しみしている余裕なんてない。

 暴走した風の魔術により加速し、俺は一気にカノンの元へ飛ぶ。



「くそが!!」

 氷槍が飛んできてやばいカノンを蹴とばす。

 

「石壁!」

 石の壁を作り飛ばしたカノンをキャッチし、そのまま俺は移動しカノンの胸倉を掴む。


 

 くそ!痛い!!。


 てかこいつ精神系の攻撃喰らってないでただ絶望して止まっているだけなのか?。

 事実かは不明だが、そうなると苛ついてくる。




「お前の過去なんて知らないけどな!力があるなら役割を果たせ!」

 鼓舞の言葉なんて尊い言葉じゃない。

 ただの八つ当たり。


 痛みと疲れ、そして何もしないこいつに苛立ちを覚える。


 俺は昔から嫌いだったんだ。力がある癖に己の役割を果たさないやつが。

 そして自分が世界で最も不幸みたいな顔をしているやつが。



「幼馴染が寝取られた程度で人生に絶望してんじゃねぇぞ!」

「そもそも付き合ってないなら寝取りですらないけどな!!生きてるだけマシと思え!!!」

 そう言ってカノンをボス部屋の扉に投げ飛ばす。



「そのまま逃げてろ!!臆病者が!!!」

「超勇敢でかっこいい俺が時間を稼いでおいてやるからよ!!!」

 もちろん嘘だ。


 キレてるのは事実だが、可哀相という同情の気持ちもある。

 

 そして時間を稼ぐなんてのも嘘だ。

 ここで馬鹿正直に真実を言うわけがない。

 決めるなら速攻。速攻であいつを倒す。




「魔力放出!属性変化!」

 イメージしろイメージしろイメージしろ。


 放つ魔力の属性を変えるんだ。

 炎のイメージ。



「着火男(チャッカマン)!」

 全身から炎が放たれる。

 寒さによって凍えた体があったまる・・・・・・と言うより熱い。


 そら近くに炎が、ぎりぎり火傷にならないレベルの距離に炎があるわけだから熱いし死ねるわ。

 だが寒さで動かなくなるよりは良い。



 リーンの所へ全力で跳躍をする。


 

「氷槍」

 目の前からぶっとい氷の槍が俺の腹を突き破らんと突っ込んでくる。


 魔力放出へ切り替えたために強化魔術による氷のフィールド攻略方法は使えなくなったが、強引に溶かし走ることが可能だ。


 


「沈め」

 直後足が沈む。

 右足の踏み出した部分が沈んだ。



「部分的に氷を解除したのか!?」

 それによりバランスを崩しスピードが落ちる。

 このままでは氷の槍を喰らってしまうだろう。


 魔力放出で対応できるタイプの攻撃ではない。

 そもそも魔力放出による防御は自分から飛ぶことでダメージを減らすという方法だ。


 今やつを倒さないといけない故にここで下がるわけにはいかない。

 ならば最悪の手段だ。



 まずは魔力放出を解く。

 次に腰につけているナイフを左手で取り、自分の左横腹に刺す。


 ナイフを横腹の端の裏から刺し、強引に腹を斬り裂き、槍が刺さるであろう場所を斬り裂く。

 


 直後槍が俺の左横腹に刺さる。



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 槍が刺さり俺へと侵入してくる。

 そのまま放置していけば、どんどん太い部分が刺さり内側から殺しに来るのだろう。


 ナイフで傷をより拡張する。

 


「魔力放出・炎!」

 直後魔力放出を展開。全力で右へと逸れる。


 自ら切った傷が槍により拡張され、横の傷から槍が出てくる。

 槍が体内を動き、内臓を傷つけ出ていく。


 痛みによる熱さと氷による冷たさによってとても不思議な感覚だ。



「意味を与える(追え)!」

 大量の血液が出ていったが問題ない。

 若干凍っている鮮血に対して指令魔術を使う。



「頭に上った血を抜くののちょうどいい!」

 言葉で強がり意識を保つ。

 前に行け。前に行け。前に行け。


 指令魔術で放った血液は氷で防がれる。

 


 次は足場を崩されないよう、足元に魔術陣を作りきちんとした足場を作る。



「氷波(ひょうは)」 

 目の前に大規模の氷が作られる。


 壁というよりは波。

 津波の時に来る大規模な波がこちらに接近してくる。



「火炎槍!」

 速度重視で中魔術を転換、火炎でできた槍を放つ。

 放たれた槍は波に当たり消え去る。



「どんな耐久してんだよ!」

 そのまま全力で飛び、槍の当たった部位の接近する。


 魔力放出を解除し強化魔術をかけないし、右足に風の術式を合わせる。



「兔脚一撃(ラビットストライク)」

 蹴り上げる一撃で波に穴を空ける。



「いってぇ・・・!」

 さっき使った術式暴発(オーバーフロー)・風弾により右足が負傷していたのだ。

 傷が開き鮮血が飛ぶ。



「意味を与える(煙幕に)!」

 血が爆発し煙を作る。


 

「防御術式!」

 後ろに防御術式を展開し、リーンの上へという。



「行くぞ!氷結の魔術師!」

 剣を抜き左の掌をリーンに向ける。

 ここで正念場だ!いくぞ!!。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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