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覚醒・前

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にし、友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨してた。


時期は夏。

後輩のクリームの誘いでダンジョンへ行くこととなった。


そこで地下深くにいるはずであるサイクロプスが何故か浅い階にて出現。

サイクロプスを倒すべく俺達は休憩所へと避難要請をしに行くも謎の男と出会い、逃げるために最下層まで落ちてしまう。


そこで巨大ボスを倒した少女、氷結の魔術師と戦うことになってしまう。




 氷波を突破し、氷結の真上という圧倒的位置的有利を取ったのもつかの間。

 氷結が更なる魔術を使用しようとしている。



「冷たく、細かく、儚く、鋭く。」

 氷結の詠唱が響く。

 恐らくは大規模な攻撃魔術で俺に止めを刺そうとしているのだろう。



 下手に突っ込むとそのまま撃退されて不味いだろう。

 なら敢えて突っ込むべきだ。


 というのも下手に様子見をして回避不能の攻撃がこられても困る。


 あの巨大な剣や広範囲攻撃から察するに、氷結はあまり接近をさせたくないタイプだと思う。

 


「加速魔術(アクセル)」

 後ろに魔術を展開し突っ込む。



「去(い)ね」

「砂糖で作られた月(デザート・アイス)」

 氷結を中心とした半径10メートルほど場所から大量の氷が生み出され、俺に向かって放たれる。




「防御術式!」

 残りの魔力を考えた場合は少しでも温存しておきたいと、加速魔術(アクセル)は使わずに後ろに防御術式の足場を作る。

 

 放たれた氷は斜めによる攻撃なため、氷結の作り出した魔術を踏み氷結へ直進することで簡単に避けられる。




「避けられるわけないだろ!」

 完全に油断していた。

 二つ名魔術師が使う魔術だ。


 しかも攻撃方法がおかしい。

 大量の攻撃なのに狙いは一点だけだ。


 となると今の攻撃は本命の攻撃じゃないと考えるべきだろう。


 

 直後背筋が凍る。

 長年の経験による魔術師としての直感だ。



「防御術式!!」

 周りに大量の防御術式を放ち守りの体勢を作る。


 [パリン]なんて言う防御術式の割れる音がした。

 その瞬間、後ろから全身に針が刺さるような痛みが走る。


 自由落下していたはずの体が止まる。

 恐らくは上から放たれた大量の氷の槍が体に刺さっているのだろう。


 俺達を殺すために使われた氷の槍とは違い、小さく心臓や脳に当たらなければ問題がなさそうなほどに威力の低い氷の槍。

 それが何十本も刺さり、俺の体を空中に固定しているのだ。



 防御術式を割り、そのまま俺の体を貫くほどの貫通力を持った一撃。

 それをこの小ささで行うというのは恐ろしい。


 大量の魔力を込めているのか、または制約によって威力を上げているのか。

 もしかしたら何者かからの補助を受けているのかもしれない。


 顔をかすめ頭を動かせない状態にしていることを考えると、殺さないという制約を結んでいるのか?。

 それにしてもめちゃくちゃな威力だ。



 しかしこのままだと不味い。

 空中に無防備でいる状態は確実にやばい。


 防御術式を複数個展開して守ることは可能だろうが、残りの魔力の少なさを考えるとどう考えてもジリ貧だ。



 炎の魔術でこの氷を溶かして脱出する?。

 生活魔術程度の火力で溶かせる気がしないから微妙か。


 となると火炎砲で俺事氷結を攻撃して脱出しつつ追撃を与えに行くか。

 

 しかし火竜砲より威力が落ちるとはいえ、今の俺が直撃して耐えれるものだろうか?

 正直怖いからやりたくない。


 火竜砲を俺に刺さっている氷に撃ち込むか?。


 頭を動かせないから後ろを見ることができなく正確な氷の位置が分からない。 

 残りの魔力的に大魔術は1回使ったらもう使えない、無駄撃ちはできない。



 そんな日和ったことを考えていると氷結の少女は剣をこちらに向けた。

 何故か動作が遅いから助かっているが、このまま放置していると殺されるだろう。



「あーもう畜生!どうにもなれ!」

 ヤケクソだ。



「火炎砲!」

 俺の後ろに術式を展開・・・・・・後ろ?。


 直後[パリン]という術式が破壊された音がする。

 やらかした!後ろには大量の氷の槍があるんだ。


 術式は死ぬほど脆い。何かの物質の上に展開したらそのまま破壊されるほどに・・・・・・。




「氷剣絶砲(とうけんぜっぽう)」

 彼女の剣から大量の礫で放たれる。

 それがまとまり、1つのビームのような一撃が絶体絶命の俺に向かってくる。


 

 最後まで諦めるな、思考を止めるな。


 残りの魔力は動けるギリギリ程度。

 体は固定され動けない。


 じゃあ奇跡が起こることを待つしかない。

 神へと祈ろう。やつに祈るのは癪だがな。



「勇者の力(レジェンドハート)・最強の剣(ブレイブソード)」

 カノンのいた場所から大量の魔力を感じる。

 直後俺を巻き込む攻撃が飛んできた。


 まあ俺は死に体だしこれが一番だな。

 残念だが仕方ない。また来世に期待・・・・・・って。



「あれ?攻撃喰らったのに生きてる?」

 俺を拘束していた氷が破壊されたために落下しているが、自分が生きていることに疑問を抱く。



「ちぇすとぉ!」

 一撃を氷結に入れるも素手でガードされてしまう。

 そのままカノンがいた位置へと戻る。




「・・・・・・なんで攻撃喰らったのに俺生きてるんだ?」

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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