第8話「統治者」
各世界を管理する強大な存在である統治者。
同じく統治者であるあの二人に向ける、他の世界の統治者が抱いた感情は似ているものもあれば、違うものもあった。
始まりの世界であり母なる大地ファルゼア。ある意味、我らの父であり母である先代と後継達はその在り様を、意思を尊重した。
特に、先代である彼は何処か、自分の子や孫を見るような、そんな穏やかな表情でいつもあの二人を見ていたのを覚えている。
時折、危うさを感じてもいたようだが……。
第二世界の統治者達は自身の管理する世界の悪辣さを思い、彼らと、その世界を羨んだ。
第三世界の統治者達もファルゼアと同じく、その在り方を良しとし、賞賛した。
まあ、四人の内、一人は生意気に余計な一言を付け加えたりもしていたな。
第六世界の統治者は彼らの在り方を、無垢なままであれるよう祈りながらも危うんだ。
その下に付く者達、アイツらもそうだった。
そして、ある三人の顔を思い浮かべる。
残りの三人、あの三人は………
彼らを笑うだろう。
オレ達の世界を統べるアイツはその在り方を敢えて笑うだろう。
無垢である故に、そこから生じる脆さを、世界はそこまで優しくはないと憐れんで………。
第五世界の統治者は既に死亡しているが、もし生きていれば、その平和に理解を示しつつも、無垢故の無知を笑うだろう。
そして、奴は……………
真意は分からない。意図は分からない。
善意か、悪意かも。
尊重か、嘲りか、どちらかなのか、或いは両方なのか。
そう前置きし、抑えようのない敵意を滲ませてオレは断言するが…………
奴は間違いなく嗤うだろう。
海の底の様に冷たく、暗い闇の中に心を隠したまま。
最後に…………、オレもその在り様を笑うと答える。
何故ならば…………、
「初めて会った時、現にお前を見てオレは笑ったのだからな。それも盛大に」




