第27話「リーズィヒ級、回収作戦」
アインスがハウンド・ソードと合流した翌日。
司令室では昨日のメンバーがファータに呼ばれ、集まっていた。
「セラに聞いたけれど、アインス、身体の方はいいかい?」
「ああ、平気だ。すまない」
開口一番、心配するクラークにそう返すと、彼はふっと笑みを浮かべ、ファータ、セラの方へ視線を戻す。
「呼び出したのは他でもない。知っての通り昨日、アインス、ツヴァイが我がハウンド・ソードに加わり、彼らの出現と共に新型の魔導機兵、並びに四魔将の出現も確認された。それは昨晩、隊員宛の報告を聞いて知っていると思う」
ファータの言葉を聞いて全員が頷く。
まあ、当の本人であるアインスが、それが四魔将と知らずに戦っていたと知った時には全員、呆れと同時に驚いたものだが………。
「これは我々人類とエンデ軍………『殲滅者たち』との、これまでの長きにわたる戦いの中で一度も起きなかった事であり、最大の危機であり、同時に最後のチャンスでもある……」
ファータはそこまで言ってから隣にいるセラに目配せをすると、彼女は頷いてからその後の言葉を引き継ぐ。
「アインスとツヴァイが加わって、私達の戦力も強くなったのは確かよ。けど、問題は山積み。彼らが加わっただけで片付くという話じゃないわ」
「囚われてる人達は未だ一人も助けられず、魔導機兵、兵器製造ラインも当然の様に健在。敵の部隊は何度か潰してはきたけど、それだって全体の総数から見れば雀の涙程度。他に戦果があるとすれば、結果的にドライマウアーを破壊出来た事くらい、かな」
積み重なってる問題、これまでの戦果をアランがそうまとめると、セラ「その通り」と頷く。
「それに、四魔将の強さが未だ未知数、残り二体は依然、不明なまま。全てをアインス達に頼る事は出来ない。だから、まずはリーズィヒ級をどうにかする事から始めます」
「まあ、そうだよな………」
「アインスの助けになりたいけど、どう考えてもアレはオレらじゃ束になっても勝てねえよ………」
ロジャーが肩を落としてぼやくと、チェスターもそれに続く。
リーズィヒ級と四魔将、たしかにどちらも脅威だが流石にその全てをアインスに任せる訳にもいかない。
リーズィヒ級をこちらで対処する、というのは当然の結論だった。
「それで、昨日の話って訳だな」
チェスターはセラとアインスがいない間の事を思い返し、そう呟く。
セラもアインスへの案内の後、その話を聞いていたので、静かに頷いた。
「そう、現在の私達じゃ新型の魔導機兵は対処出来ない。だから、貴方達はドライマウアーに赴いて、アインスが破壊したリーズィヒ級を回収してきてもらいたいの。アレは今の私達にとっては貴重な情報資源よ。逃すわけにはいかない。敵が来る前に残骸を回収して」




