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第14話「処刑者との合流・前編」


「それじゃあ行ってくるね」


そう言って、アラン達は司令室を出た。


『処刑者と合流し、仲間に引き込むこと』


それがセラとファータから新たに下された命令だった。と言うよりも、もともと下された命令が改めて下された、というのが正しい。


ハウンド・ソードの戦力はエンデ軍との戦いで年々減っている。

支援してくれているヤクト商会のお陰で物資に関しては潤沢にある為そこは問題ないが、人員ばかりはどうにもならない。


細々とした任務ばかり行い、敵戦力をちまちまと削るのもそれが理由だった。

ハウンド・ソードがエンデ軍と戦えるのはもって1年。


そして大きな作戦を行うのもあと一度が限度。失敗してしまえば、ハウンド・ソードはもちろん、人類に未来はない。

反攻勢力として粛清されるか、奴隷として残りの人生を過ごすか。


昔はそれなりにいたレジスタンス組織も、今はハウンド・ソードしか存在しない。

処刑者と合流し、戦力に加わってもらうのはハウンド・ソードにとっては最後のチャンスでもあり、希望だった。


アラン達は司令室を出たあと、すぐに白竜ツヴァイの下へ向かった。


既に拠点を離れているかもしれないと思っていたが、ツヴァイは自分達を降ろした場所から一歩も動かず、アランが近付くと短く鳴いた。

まるで、こうなる事が分かっていたというように。


「ツヴァイ………だったね。僕達を君の仲間のところに連れてって欲しいんだけど、頼めるかな?」

「キュアァ」


ツヴァイはまた短く鳴き、その長い首を下げた。乗れという事だろう。

2人がツヴァイの背に乗り、飛び立つ直前、クラークに車椅子を押されたファータが呼びかけた。


「アラン、ロジャー。処刑者と無事合流し、万が一協力を取り付けられなかった場合に伝えてほしい事がある」

「ん?おう。何を伝えりゃいいんだ」

「第八区画、ホルガーからの伝言だ。『思うままに、最善を尽くせ』と」

「第八………、ついこないだ陥落したレジスタンスだよな。処刑者はそこにいたのか?」

「そうだ。彼とは知己でね。処刑者についての話は少しではあるが聞いていた。『協力を頼めば恐らくは断るはず。だからそれだけを伝えてほしい』と頼まれていたんだ」

「なるほどね……、了解だ。しっかり連れてくるから、うまい飯でも用意しててくれよな!」

「ああ、用意して代わりに食っとくから、任せたよ」

「なんでだよ、ふざけんな!って、おぉ?!」


クラークにツッコみかけたところで、アラン達を乗せたツヴァイは翼を広げ、その身体を浮かせ飛び立った。


後で聞けば、地上にいたファータ達曰く、ツヴァイは悪戯目的で遮ったように見えたとも。

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