第11話「降りれない二人」
「なあ、アラン……」
「…………なに?」
途方に暮れたように呼びかけるロジャーに、同じ様に返すアラン。
現在、2人は脱出した時からそのまま、竜の背に乗って飛んでいる。
風がずっと耳元で唸っている中、アランは既に通過してしまった中継地点にいるアンナに無線で状況を伝えた事を思い出す。
こちらは困っているというのに「何スか、それ?!アタシも乗りたい!!」と、そんな事を言える彼女が少し羨ましいと思いつつも、また目の前の現実に頭を悩ませる。
「もうすぐ拠点だよな……」
「うん…………」
「…………どうやって降りるよ、コレ」
「僕だって聞きたいよ……」
お互いに、同じタイミングでがっくりと肩を落とした。
2人が悩んでいたのはこうして自分達を運んでくれている竜から、どうやって降りるかだった。
中継地点を無視したのも、色々起きすぎて混乱していたというのもあるが、ただ単に降り方が分からなかったからである。
先程まではそれで良かったが、そろそろ自分達が帰る家、レジスタンスの本拠地に辿り着く。このまま行けばこちらも通過確定は間違いない。
『……………………』
お互いが一瞬沈黙し、頷き合う。
その後にアランが動いた。
落ちないように上手く移動し、白竜に呼びかける。
「な、なあ。頼みがあるんだ。あそこに降りてもらえるかな?」
見えるように、少しだけ身体を乗り出して見えてきた拠点を指差した。
白竜はその方角を見て、短く鳴いてからそちらへ身体を傾け、徐々に高度を落としていった。
「通じた…………」
やはり言葉が通じるんだと安堵して、またゆっくりと後ろへと下がる。自然と、強張っていた肩の力が抜け落ちた。
「………よくよく考えれば、あの人も人の言葉で伝えてたもんね」
「だよな……。とにかく、帰ったらセラ達に報告しないとな。今回の任務報告と………」
「処刑者との接触、についてもね」
アラン達は静かに頷きあった。
処刑者と出会えた。
その事実が、絶望しかなかったこれまでの戦いを変えてくれると信じて…………。




