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ネトゲで俺を狩り続けた伝説PK、 リアルでは学園No.1のクール美少女でした 〜リアルと性格違いすぎません〜  作者: 風白春音


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第17話 噂のモデル

 俺は現在ミラーアースオンラインにログインしている。


 「久しぶりに一人でゆっくり遊べるな」


 最近は紫苑に捕まり、常に一緒だったからな。

 たまにはゆっくり一人で攻略したくなる。


 「そう言えば、この前の竜退治の報酬詳しく見てなかったな」


 紫苑と討伐したレアクエスト『天より舞い降りる竜退治』の報酬を思い出す。

 紫苑が誕生日プレゼントとして剣と秘薬を譲ってくれた。

 まあ実際の誕生日はもう少し先なんだが。


 「竜喰いの剣グラトニアと竜命の雫だったよな」


 うおっ、さすがレアクエストだけあってえげつない効果が書かれていやがる。


  竜喰いの剣グラトニア

  レア度:ミシック


 • 攻撃力:600(現環境トップクラス)

 • 属性:竜属性

 ・特殊効果【竜喰い】:竜系に関してダメージ2倍。低確率で【捕食】発動。竜のスキルを奪取できる。


 竜命の雫

 レア度:レジェンダリー


 基本効果

 •HP全回復

•状態異常全解除

 特殊効果【竜の祝福】

 ・一定時間自動回復リジェネ

 ・防御力アップ



 「でも竜命の雫は使うの勿体無いな」


 レアアイテムになればなるほど、使用するのを躊躇ってしまう。

 昔からゲーマーはこの問題に対して葛藤する事で有名だ。


 「さて早速──」


 俺は瞬時に後ろに飛んだ。

 近くの大樹の枝に飛び乗った。


 「誰だ!?」


 「へえー今の避けるんだー」


 俺は現在、聖刻の森というエリアにいる。

 そしてそこで何者かに襲われた。


 「PKが目的か?」


 「そうだよ。だってPKって楽しいじゃん」


 えー、何か紫苑にめっちゃ似てるんだが。

 近づいてはいけない雰囲気を感じる。


 「ストレス発散?」


 図星を突かれたのか、アバターの瞳が大きく見開かれる。


 「うーん、まあ⋯⋯ そうかも」


 「えー、じゃあ俺その理不尽に巻き込まれそうになってるのかよ」


 「人目につかないこんな場所にいるのが悪いと思うよ。このゲームはPK推奨なんだから」


 至極正論だ。そしてこのゲーム改めてイカれてやがる。

 痛覚も再現してるし、マジで運営の性格歪みすぎだろ。


 「そんな可愛い見た目から、酷い性格だな」


 「これでもリアルじゃ、超チヤホヤされてるよ」


 「猫被りじゃん」


 「あははー。痛いところ突かれたねー」


 目の前のプレイヤーの見た目はとても危険とは思わせない可愛らしさを纏っている。


 猫耳とピンと張った尻尾を生やしており、小柄で華奢な体格をしている。

 大きく綺麗な真紅の瞳と真っ白な肌の色。

 一目見れば誰もが彼女の虜になるだろう。


 (だけど⋯⋯ こんなアバター存在したか?)


 「見逃してくれる?」

 

 「無理かなー。むしろ俄然興味湧いてきたかも」


 貼り付けたような笑顔に、淡々とした口調。

 夜桜紫苑よりも危険な人物かもしれない。


 「大丈夫。首刎ねて終わりだから」


 「何も大丈夫じゃねえよ。頭おかしいだろ」


 話が通じる相手じゃない。

 逃げよう。


 「あっ、ちょっと待ってよ」


 「待つか、頭おかしい奴とは関わるなって相場は決まってるんだよ」


 「その相場荒れちゃってるよ、きっと」


 逃げてもしつこく追いかけてくる。

 しかも速度が段違い。

 追いつかれる。


 「はあ、はあ。速すぎだろ」

 

 「ねえ、貴方凄いね」


 嬉しそうに俺を褒め称える猫耳美少女。


 「私さー。友達だと思ってた子に裏切られてさー今身バレ中なんだよね。だからストレス溜まりに溜まっててさ」


 「知るか。別のやつにしてくれ。俺には関係ない」


 ストレス発散? 知るか。

 こちとらやっとPKの恐怖から解放されたと思ったのに。

 次から次へと湧いてきやがって。


 「その割にはPKに慣れてるね。どうして?」


 「お前みたいな頭のおかしい奴に、狙われてたんでね」


 「何それ? 詳しく聞かせて。面白そう」


 目を輝かせて、話を聞きたがる。

 やっぱりこいつ頭おかしい。


 「そうだ。PKやめてあげるから連絡先交換しよ」


 「は? 嫌なんだけど」


 「いいじゃん。私こう見えてもリアルでもめっちゃ可愛いよ。君多分男でしょ。だったら損はないと思うなー」


 「いや、マジで無理。関わりたくない」


 俺はガチの拒絶をする。

 マジで関わってはいけないと俺の直感がそう告げている。


 「ねえ、知ってる? 関わった相手とはプライベートメッセージでやり取りが出来るって事」


 「まさかお前!? つっ──」


 時既に遅し。

 気づけば俺の首は回転して宙を舞っていた。


 「PK成功ー。油断したね。あー楽しかったー」


 その悪魔の囁きを最後に俺は現実世界へと引き戻された。


 ────


 「くっそー、あの猫耳野郎ふざけやがって」


 油断した。まさかあの状態からPKしてくるとは。

 対処できなかった。奴の職業は恐らく紫苑と同じシャドウウォーカー。厄介すぎる。


 「次会ったら復讐してやるからな。覚えとけよ」


 苛立ちを見せながらもう一度、ミラーアースオンラインにログインする。

 そしてプライベートメッセージに1通のメッセージが届いていた。


 『さっきはありがとねー。私のアバターネームはフェリス。リアルは聞いて驚かないでよ。超有名カリスマモデル白鷺美月だよー』


 『追伸。楽しませてくれたお礼に画像もプレゼント。

もし思春期の男の子だったら、興奮間違いなし』


 一枚の画像は見惚れる程の美貌を持つ白鷺美月の制服姿だった。

 銀色の艶やかで鮮やかな長髪と無駄の一切ない均整の取れたスタイルも相まって最早フィクションの世界の住人だ。


 (あれ? 白鷺美月って銀髪だったっけ?)


 俺はモデルに疎い。

 が、それでもネットや広告で常に見かける。

 記憶では黒髪だった気がするが?


 (まあどうでもいいか)


 そんな事よりまさか今噂の超有名カリスマモデルのアバターに出会えるとはな。

 悠斗が知ったら羨ましがるだろうな。


 「しかし、何か嫌な予感が」


 この嫌な予感は見事的中する。

 夏休み前にとんでもない大嵐がやってくる。

 

 白鷺美月という存在が俺の人生に大波乱を齎すのであった。


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