第8章 004 英雄であり魔王であり
王国に呼ばれた大和はある提案をされた。そこには女神フリイヤと戦闘の神トオルの姿も。なぜ呼ばれたかというとクライカードの生産工場でクライカードを作らない代わりにセイントカードを作ることとなり、その際に魔王を倒した勇者として販売プロモーションをしてほしいという内容だった。
つまりイベントなどに出席したりしてセイントカードの商品の需要価値を高めるために消費者の認知度を上げたり欲しくなるようにイメージをよくしてほしいということだ。
大和にとってそれは都合の良い提案であった。
大和はここまで話をまとめてくれた貴族たちや女神フリイヤと戦闘の神トオルに頭を下げてお礼を言った。
「ありがとうございます」
〇
クライカードの問題はこれで片付いたが、問題は魔王の力によって天使に転生し召喚されたタートルや悪魔たちや黒騎士たちのことで、もしかしたらこのままだと元の天涯孤独な転生前の世界に戻ってしまうかもしれないということ。
つまりやはり大和が二代目の魔王になるしかないということだ。
この問題を女神フリイヤにも相談した。
タートルたちは異世界から召喚されし存在。魔王の力によって転生し新しい命として生きながらえてきた存在。
大和はタートルたちに頼んで新世代魔王の儀式を準備させた。
〇
二代目魔王の時代がはじまる。
謁見の間の中心地に倉間大和が立ちその周りを紫色の炎が囲む。さらにこの様子を悪魔たちや黒騎士たち、そして女神フリイヤも見守っている。
ホエールは聖杯を持ってきてタートルはナイフと魔王の契約書を持ってきた。
タートルはナイフで手のひらを切るように指示し大和は言うとおりに手のひらをまっすぐにナイフの刃で切った。あふれ出るその血を握る大和。
そのまま契約書に血の手形をつけるように指示するタートル。だがどこか踏ん切りがつかなさそうな顔をタートルはしていた。
「本当にいいんだね?」
「俺たちの仲だろ?」
「ありがとう」
契約書のど真ん中に手形を押す。さらにホエールから聖杯を受け取り、聖杯の中にある魔王の魔力をタートルに飲み干すように指示される。大和は緊張した趣でゆっくりと飲み干した。
飲み干した聖杯をホエールに手渡し、口元の水滴を右手で拭う。
「これで、俺が魔王だ。みんなここにいていいんだ」
目が紫色に光り体の中から今まで感じたことがない力が湧いてくるのを感じる。




