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第31章 002 希望ある敗北

 大和がイベントに出ている頃、カフェで休日を満喫していたフリイヤとタートルとホエール。雨が降りはじめ、傘を持って行ってない大和に持っていくべくホエールは大和が降りてくるであろうバス停で待つことになった。

 一本の赤い傘をさしながら黒い傘を持って待つホエール。

 声に出さないが早く来ないかなと思っていた。


 すると馬車がやってくる音が聞こえ振り向くと向かってきたのはでかい犬であった。体長およそ5メートルほどの大きさの柴犬が車箱を引っ張ってきたのである。犬が引く車はバス停の前で止まる。よく見ると御者の左腕には白い召喚板が装着されていた。


「あっ、犬デッキだ」


 雨に濡れないように屋根の下に納まっている御者はホエールに「乗るかい?」と問う。

 ホエールは首を横に振るう。


「よし、発車オーライ!」


 犬は歩き出し車は進んでいく。

 雨の中で赤い傘をさしながら佇むホエール。


「お馬さんの代わりまでできるんだね。お利口なわんちゃん」


      〇


 カフェで休んでいるフリイヤとタートル。するとどこからともなく罵声が聞こえてきた。


「てめえ、不正しただろ! ふざけるなこの野郎!」


 二十代の男が二人。怒鳴られる相手の方は委縮して何も言い返せないようだ。

 テーブルの上にはカードゲームをしていたのかカードが並んでいる。


「このデュエルは俺が勝つ流れだったろうが! それでいきなりお前の動きがおかしくなって俺の場のカードが全滅って、ありえないだろ!」


 タートルは席を離れてトラブル中の二人に割って入る。


「君たち、どうしたんだい? なんだか穏やかじゃないようだけれども」


 気が荒くなっている一人の男が対戦相手を指さして「こいつが不正したんだ!」と訴える。


「俺はデビルカードを使っているんだ。同じデビルカードを使う者以外で勝てるはずがないんだ!」


 それを聞いてしまっては対処をしなくてはならないタートル。振り向いてフリイヤの方を見るとフリイヤは頷くのだった。

 デビルカードを使う男にタートルは言う。


「ねえ、君、僕とデュエルをしないか?」

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