第31章 001 希望ある敗北
デビルカードを持っている者たちとのデュエルは1週間ほど続いた。大和たちは王のオッセルに休日を設けることを命じられるが、そんな暇はないと言い返す。
「だがなあ、少しばかり働きすぎに見える。少しは休むことを覚えた方がよいぞ。勇者殿」
しょうがなく一日休みをとることにした大和たち一行。今日ばかりは休みの日を満喫することとする。
休日といっても大和だけはこの日にオーシャルの王都のカードショップでイベントを行うことになりそこに出席することになった。
イベント名は『アーケルドの勇者犬デッキ使いの倉間大和のサイン会』である。
大和は隣国で聞きなれないであろう大和の名が知られているかどうか不安に思っていたが、追っかけのファンもいるらしく、わざわざアーケルドからやってくる者もいるらしい。
誰も来ない可能性もあったため、大和にとってはありがたい話である。
大和はカードショップの店内で左腕に白い召喚板を装着しデッキを装填した。そしてカードショップの前に集まるお客さんを前に司会がイベントを進行し始める。
「皆さん、お待たせしました。それではイベントを開催いたします。このイベントにて欠かせない存在! アーケルドの勇者、倉間大和でーす!」
名前を呼ばれると店から出てくる大和。
すると予想外にもたくさんの人たちが集まっていた。追っかけの人以外でもこの国にファンがいたらしい。
大和は思った。なんだろうこれ。俺の人徳かな。
「それでは大和さんにカードを召喚してもらいましょう!」
大和は左腕に装着した白い召喚板に装填されたデッキからカードを四枚引き抜くともう一枚引き抜き、手札の一枚のカードを白い召喚板に配置した。
「柴犬鎧まるいちを召喚!」
実体化すると耳を掻く動作をする柴犬。柴犬鎧まるいちは大勢の人を前に少々緊張しているようだ。
「さらに俺は柴犬鎧まるいちを素材に、変幻召喚する」
イベントの司会者が「さあ、何が来るかなあ!」と盛り上げる。
「俺はセイントドッグガールを変幻召喚する!」
柴犬鎧まるいちの体が光りに包まれ人型の形へ変わると中から犬の耳と尻尾が生えた美少女が露わになった。
するとお客さんたちが声を揃えて「セイントドッグガール」とコールする。
セイントドッグガールはイベントに集まるお客さんに舌をぺろっと出して見せる。
イベントは盛り上がりを見せ多くの人たちが声を上げたのだった。




