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カードゲームが強すぎるせいで勇者になった  作者: 七舞 薫
第4章 クライカードが蔓延る町
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第4章 001 クライカードが蔓延る町

 魔王に支配されつつある異世界グランドジービア。当然支配された町も存在する。大和とフリイヤそしてタートルがやってきた町はそんな町だった。

 コンビニのような小売店へと入ると客の姿がちらほらあり、クライカードのパックを手に取りレジへ持っていく姿も。そんな客の腕には黒い召喚板が装着されている。


 女神のフリイヤはひどく嫌悪感を抱く表情で店の風貌を一見した。

 クライカードは法律違反ではない。なぜなら科学的根拠も呪術的根拠もないからだ。異世界と言っても魔法ですぐ解決とはいかない。だとしたら勇者はいらないからだ。


 大和はフリイヤに「さて、どうしたものかね」と言っている間にも店員が目に入った。

 小売店の女性店員が赤い血の涙を流していたのだ。


 大和は突然のホラー映画のような場面を前にしてあっけにとられる。

 するとタートルが「悪魔だ」と言い店員を見る。大和は訳が分からない。


「悪魔って、店員が?」


 フリイヤが突っ込む。


「違うわよ。悪魔が憑いているってこと」


 店員は赤い涙をハンカチで拭いながら「おかしいなあ」と呟く。商品として何を取り扱っているのかも理解していないのであろう。冷静な態度からも血の涙を流すのは今回が初めてではないのかもしれない。

 大和は一度店から出て小売店の店名を確かめた。


 ――デビルメイト。


 確かに侵略された町らしい。


     〇


 とりあえず国家警護所へ行って町のクライカード普及率などを調べるのがよいだろうとフリイヤは提案し大和は承知した。


 クライカードの普及率によっては仕事の量がとんでもないことになる。機械のようにデュエルを挑み勝ち、そしてまたデュエルを挑み勝つを繰り返していくなんてことになりかねない。

 そうならないためには聖女の力を使ってデュエルする国家警護団の仕事に頼るしかないのだが。この町の様子を見る限りでは間に合っていないのだろう。


     〇


 国家警護所に着き窓口まで行くと女神フリイヤが町の様子やクライカード没収率について聞くことに。目の下にくまがある国家警護団の女性が疲労困憊な様子で答えてくれた。


「今現在でいうと没収率は30パーセントです。実際浄化が追いついていないのが現状です。毎日聖女様がお勤めされています」


 フリイヤはお疲れ様やお礼を伝えてタートルと大和を連れて去った。これからどうするか。手当たり次第にクライカードを持つ者を捕まえてカードゲームを挑むか。

 大和は「手当たり次第か」と呟きタートルも思考する。


「どうかな。それが現実的に可能かどうかだ。クライカードの流通を止めることが不法じゃないためほぼ不可能だし。悪魔の魅了により自分から手放すのもほぼ不可能」


 この状況をいかに改変していくか。それが難しいところだ。

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